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第12話 プチ旅行

「旅行行こっか」


 お母さんからの突然の提案。

 お母さんはいつだってそうだ…思いつきで行動する。

 まだ長期の休みでもない。

 だから遠い所には行けない。

 そもそもどこに行くの?


「ハルも連れてさ…この子にこの世界の美しさを見てもらいたいのよ」


 ああ…お母さん、そう言うつもりだったんだ。

 確かにハルはこの世界を極狭い範囲でしか知らない。

 私はその提案に乗ってもいいかなって思った。


「え…そんな僕にそんなに気を使わなくても…」


「いいの!決めたんだから!」


 遠慮するハルを強引に押し切って旅行のプランは決定した。

 でも多分思いつきだろうから詳しい事は今から考えるんだろうな。


「さーて、どこに行こうか…」


 ほらね。


 旅行は土日の二日間。

 お父さんは仕事があるからお母さんと私とハルの3人(?)。

 綺麗な景色を見ようって話だからやっぱ温泉…かな?

 私としてはテーマパークとかの方がいいんだけどハルを連れて行くとなると無理だなぁ。

 そんな条件を色々考えて候補地を絞っていった。


「ほら、ここがいいんじゃない?」


「えー、ちょっと渋くない?」


「じゃあこことか」


 旅行ってどこに行くか考えている時が一番楽しいのかもね。

 お母さんと2人であれこれ言っていると時間があっと言う間に過ぎていく。

 ハルはと言えばテンション高い2人の様子をちょっと引き気味に眺めていた。

 ハルはこの世界の事あんまり知らないもんね、仕方ないね。


 長い長い議論の末に旅行先も無事決まり、手続きとかはお母さんがしてくれる事になった。

 特にシーズンでもないから宿の世界も余裕だよって笑いながら話していた。

 ハルのためって言ってたけど本当はお母さんが一番旅行したいんじゃないかという気すらしてきた(汗)。


 いきなり次の週末と言うのはスケジュールが合わなかったのでその次の次の週が旅行の日。

 その日程に合わせてお母さんは旅の手続きをテキパキとこなしていった。


 時間はあっと言う間に過ぎて旅行当日。

 まずは現地に向けて電車移動。

 さすがに駅で動くぬいぐるみはマズイだろうと駅から座席に座るまでハルのは普通のぬいぐるみとして過ごしてもらう。

 重さは普通のぬいぐるみだからそこはそんなに苦にはならないんだけど

 やっぱこの歳でぬいぐるみを持って移動するって精神的に結構ハードだった。


(うう…恥ずかしい…)


 不幸中の幸いだったのはこの道中で誰にも知り合いに合わなかった事。

 誰にも会わなければこのくらいは我慢するよ。

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