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道聴塗説  作者: 静梓
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騎士2

 騎士についてもう少し書く。


 騎士が小領主であることは前項で述べたとおりである。土地に根差している彼らは当然、天候不順や飢饉などの影響を大きく受ける。そうなってくると、騎士たちであっても食い詰めることになる。戦争に行くにも錆びた槍や毀れた鎧を装備して行くことにもなったであろう。


 さて、そうなってくるとどこからか資金を得なければならなくなる。借金やら税の軽減などで対応する者もいただろう。中にはある所から奪ってしまえばいいと考えるものもいたようである。


 金がある場所と言えばどこだろうか。近隣の土地から奪うということもあるようだが、ある程度貨幣経済が復活してくると、都市に金銭が集まるようになる。商人の基本は必要なものを必要な場所へ運ぶというものであるため、街道などでも襲われたようである。単純な強盗だけではなく、誘拐による身代金の要求をすることもあった。


 逆に、傭兵団を組み、商人や都市の護衛として働くことで金銭を得る場合もあったようである。独立心の強かった都市は各々が自衛力は持っていたが、主に武力による脅しによって、騎士たちを雇い入れた。もちろん、それぞれが人手を割いて守るよりも、金銭で雇った方が良いという打算と妥協もあったかもしれないが。


 都市の護衛として働くといっても騎士たちは各々が土地を持っている。農繁期や納税の時期には自身の領地へと帰っていく。農繁期は夏の冬小麦の収穫の前後から冬小麦を蒔く冬の入りくらいまで。納税の時期は主に秋口となる。


 他にも貸借・譲渡契約を武力や裁判によって破棄させ、借金を踏み倒したり、譲渡したものを元々の持ち主である自分の下へ戻させたりなんてこともあったようだ。武力や集団による権利行使というのは法や慣習によって認められていたのである。

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