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道聴塗説  作者: 静梓
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貨幣

 貨幣というものは、物々交換の仲立ちとなり、また、各々の物品の価値の基準となるものである。基本的に貨幣には経時劣化しにくく、運搬しやすいものが用いられる。金属がその中心となるが、日本のように青銅や鉄や銅を中心に流通することもあれば、金や銀などが中心となることもある。金属を用いた貨幣には、その重さを基準とした秤量貨幣と、鋳造し規格を統一した計数貨幣が存在する。


 計数貨幣の中にも、貴金属の含有比率と重さを基準に価値を定めた本位貨幣と、法律によって強制的に流通させる名目貨幣が存在する。


 本位貨幣であっても、物価の変動などの要因で地金の価値と通貨の価値が必ずしも一致していたわけではない。また、造幣者が鋳造のコストと貨幣価値の差額によって利益を得るために額面よりも地金の価値を低くすることもあった。本位制がしっかりと定まるのは近代以降のことである。


 地金の価値と額面の差が大きくなると、額面の方が高い場合にはインフレの原因となり、額面の方が低い場合には鋳潰され流通が阻害されることになる。


 金(きん/かね)というように黄金と貨幣というのは関連が深いものであるが、黄金は摩耗しやすく、また、しばしば流通するには価値が大きすぎるために金貨というのは思うほど流通しているものではない。貯蔵用の貨幣としての側面が強いのである。流通にのせる場合には銀や銅との合金として用いられるか、秤量貨幣として用いられた。


 銅貨は貴金属ではないため、金貨銀貨のように貴金属としての価値を背景に価値を定めることができず、金貨や銀貨を基準に法律によって価値を定めることになる。しかし、その価値は物価変動によって変化することが多い。


 帝政ローマ前期における貨幣の法定交換比率は金貨:銀貨:銅貨=1:25:400である。それぞれの間に金貨の半分の価値の金貨や銀貨や銀貨の半分の価値の銀貨、あるいは銅貨の二倍や四倍の価値を持つ銀貨や真鍮貨、黄銅貨が存在していたようである。銅貨の下にも青銅貨が存在している。


 このように中世以前の貨幣の価値は変動的であるため、通貨の単位はそれぞれの貨幣の名前によることが多い。また、十進法的な貨幣の鋳造も試みられたことがあるようだが、上手くいかなかったようである。


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