其の壱 小春の入学半年前
本編では書けなかった部分を書いていこうと思います。
いろいろ、なんていうか、本編でありましたその裏側部分を(笑。
本編を読んで下さったあなたのために♪
教師
「そうか、来年度の映画台本は藍原が書くのか」
藍原
「はい。映画研究部からお話しを受けた時には迷ったんですが、2年生の早見坂先輩からも、藍原なら大丈夫だから頑張るようにと言って頂きましたし」
教師
「あぁ、早見坂は次の生徒会長だったな」
藍原
「生徒会から全面的にバックアップがあれば、きっとうまくいくと思います」
教師
「クローン人間VS学園の生徒か。まぁ面白い構想ではあるがな。しかしな、かなりの演技力が要求されるぞ。くれぐれも恥ずかしい映画にはせんでくれよ。ちなみに、主役の目星はつけてあるのか?」
藍原
「私の友人に特殊な力を持つ生徒がいますから、今のところはその人をと思っていますが、来年度入学してくる1年生の中に、役に見合うような生徒さんがいれば1年生から選んでも良いかなとは思っています。」
教師
「わかった。まぁ藍原も次期副会長なんだし、早見坂とうまく進めてくれ。台本が出来上がったら、一度私にも読ませてくれな」
藍原
「承知しました。では先生、来年度の新入生の名簿が揃いましたら、例の件については教えて頂けるということでよろしいんですね?」
教師
「あ、まぁ、そうか……そうだったな。今日は、その話しをしに来たんだったな」
藍原
「そうです。マル秘事項だということは重々承知しておりますが、台本を書く上で、その情報はどうしても欠かせませんから。先生だって、映研の顧問をされているんですもの、映画を撮る以上、賞を取りたいと思われますでしょう?」
教師
「いやはや、藍原にはかなわんな。分かった、分かった。新入生で力を持つ生徒がいたら、そのリストを見せるのは構わんが……いいか、藍原。この事はくれぐれも他言無用で頼むぞ」
藍原
「もちろん心得ておりますわ。ご心配は無用です。全国高等学校映画連盟の大賞は、私の台本で必ずや星杜学園が射止めてみせます」
教師
「機材や特殊メークの技術、編集能力なんかは、星杜の映研はピカイチなんだが、これまでは、なかなか脚本や演者に恵まれなかった。こうなってくると、来年度の映画の出来上がりが、今から楽しみになるな」
藍原
「はい、先生の期待は決して裏切りませんわ。それでは、お願いした件、くれぐれもよろしくお願いします」
教師
「ははぁ、まったく藍原に頼まれたら、教師といえどもイヤとは言えんな」
にっこりと微笑んだ藍原、優雅に会釈をすると、ゆっくりと教師の元を立ち去る。