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仮面少女と騎士さま。  作者: 小椿 千冬
一章 目が覚めると、そこは異世界でした。
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第三話

「僕の仕事はね、誰かに『何か』を届けることなんだ」


届け人。

文字通り、そういう意味なのだろう。

彼女は静かに頷いた。


人でも、物でも、形のないものでも。

世界にあるものなら、何でも届けてくれるのだという。彼女が指すそれより広義での意味なのだと教えてくれた。


「これでも、結構大変なんだよ?」


依頼は次々と舞い込んでくるし、危険なところにも行かないといけないし。


彼は、わざとらしくため息をついてみせる。


ズレを、感じた。


今に始まったことではない。彼に会ったときから少しずつ感じていたこの感覚。

彼が原因なのか、はたまた自分の心の中にあるものなのか。

膨らんだ違和感を抱きながらも、説明のつかないその感情を、またしまい込んだ。


「だからね、いつも上手くいくとは限らない」


彼はにっこりと微笑んだ。

再び、ぞくりと背筋を伝う違和感。

彼の表情を見て意味を理解したときには、もう遅いと気づく。


「・・・でさ、僕がわざわざこんな話をするために君を連れてきたと思う?」


その表情を崩さぬまま、彼は告げた。



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