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参政党の「日本人ファースト」について

作者: 相浦アキラ

 参政党は一風変わった保守系の政党で、スピリチュアルやオーガニックや反ワクチンや反グローバリズムや積極財政や陰謀論などを掲げ、自民に失望した保守層を取り込んで支持を広げているようです。最近は一般受けを狙ってか反ワクチンや陰謀論要素は以前より鳴りを潜めて無難な感じに見せていますが、過去の言動は中々奇天烈なものが多く、党首の神谷代表からして「戦後アメリカから小麦粉が支給されて うどんやお好み焼が生まれた」「ガンは戦後にできた」といった明確なデマを流していたので色々と察するところがあります。国民の権利条項を殆ど削除した憲法草案に至っては読んでいてこっちが恥ずかしくなるレベルです。そんな参政党がお題目として掲げているのが「日本人ファースト」であります。


 まあ国民あっての国なんだから、国民を第一に考えろといったら聞こえはいいでしょう。実際国民と言うのは長い歴史の中で土地に根付いて来た人達なわけで、優先といったらアレですが国の形をある程度自国民に合わせる……それ自体は悪いことではないと思います。    


 しかし、わざわざ「日本人ファースト」とお題目を掲げるとなると「それは違うんじゃないか」と言う感じです。「日本人ファースト」というお題目には「今の政治は日本人ファーストではなく、外国人ファーストになっており、そのせいで日本の経済が悪化しているので是正しなければならない」というニュアンスが感じられます。しかし在日外国人の犯罪率は日本人と大して変わりませんし、オーバーツーリズムや教育実習生制度など個別の問題は色々あると思いますが、日本没落の原因を外国人に押し付けるのは無理があります。


 まあ「日本人ファースト」を取り敢えず連呼しておけば「日本人をセカンドにしている敵がいる」という事になり、共通の敵に対する事で内部での結束が強まるという事なのでしょう。彼らからしたら参政党批判者やほかの政党の支持者なんてのは「日本人ファーストに反対しているという事は外国人かその手先のグローバリストだな!」という事になってしまいますし、実際支持者の間でもそのような言動が見受けられます。一方で「参政党は排外主義を煽っている!」と批判しても「日本人ファーストと言っただけで別に排外主義は煽っていない」とすっとぼける余地があるのも何とも卑怯で無責任な感じです。大体政治なんてのは複雑で利害関係や思想で同じ国民でも100%意見が合うなんてことはあり得ない以上、反対意見も汲みながら調整していくべきな筈なんですが「日本人ファースト」を連呼されてしまうと「反対意見は非国民だ!」と言われているようで何とも居た堪れない気がします。


 そもそも「自分たちを優先して欲しい」なんてのは、思ってるだけならまだしも言ってしまえばお終いでしょう。例えるなら誰だって基本的に「自分ファースト」で生きていますしそれ自体は仕方ないのですが、わざわざ聞かれてもいないのに「私は自分ファーストで生きています」なんて言い出す奴がいたら「ああ、こいつ自分勝手な奴なんだな」としか思われないでしょう。そういう恥じらいがないんですかね。


 私は日本の政治が荒廃しているのは責任という概念がなくなったというか、恐ろしく軽くなったからだと思っていますが、その点参政党はもっとも無責任な政党だと思います。政治家としての重要な仕事であるはずの調整、止揚、協調を放棄して、他の政党や批判者や外国の方を馬鹿にするような「日本人ファースト」を平然と掲げてしまえるのですから。……まあほかの政党もどっこいどっこいですが、こと責任感の欠如に関しては参政党がワースト1と言ってもいいのかなと思います。

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― 新着の感想 ―
書いている事は全部ごもっともだなぁと思いました。 正直、全然興味なかって知らなかった参政党ですが、「日本人ファースト」から軽く調べただけで意味わからん発言が多くてびびりました。 また、責任が恐ろしく軽…
お次は、少子化の原因は働く女性。その次はLGBT。噛み付くネタ、時流に乗って刺さればそれで良し。当たれば6年間のお給料が保証されますから。
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