No.94 北進する種子の眼前に見栄たる金鍍金
幻樹種・百合可憐の進化したが見た目は差程変わらなかったが。
任意で種子から葉《触手》をウネウネと生やす事が出来るように成長した。
これを利用しフリューゲルやクロナ嬢に触手ダンスの一芸として魅せて見ると引きっつった顔をし始めたのは何故だろうか?
葉《触手》から岩をも溶かす謎の液体を放出させてしまったか? いやいや。彼等とは一定の距離を保ち私の華麗なる葉っぱ《触手》ダンスを和むと思い披露したから皮膚へと付着する事はない筈だ。
……しかし。現在の私の金色の体《種子》は謎下はウネウネと動くね根《足》が生え。身体の中央には謎の文字が刻まれ。葉の様な物が生え始めた。そして、種子の中にはドクンッと心臓の様な音が微かに聞こえてくるが。
こんな自分自身の身体について先程ハロエ嬢から説明されたが……本能か知性どちらか選べるか。この先の進化が少し気掛かりではある。
◇
フリューゲル達と合流した私は葉っぱ《触手》ダンスを披露した後、節即魔獣が通って来た隠し空洞を辿り下層から地上へと移動している。
その空洞の道はしっかりと整備されており。地上へと登る為の斜面も歩く者が疲れない様に急な坂ではなく数ミリ単位で区画整理された道路といっても遜色がない道になっていた。
〈凄い道だ。歩く者に負担をかけさせない様に坂の形状を無くし殆んど平坦になる様に計算尽くされてつくられているとは……これを敷いた者は凄まじい土木技法を持っているのだな〉
「荒砂空洞はかつては北の精霊湖の豊潤な水が流れる水脈だったんだ」
「そして、2000年にも及ぶ嬢王さんの支配で枯れちゃったんです……現地の人達や魔獣を大量虐殺して自分達が住みやすい環境に作り上げたの今の荒砂海が出来上がったんですよ。ギエナさん」
「そう。だから俺達はここに飛ばされて来た。深緑界の最南端の此処へ……俺が死ねば奴等にとっての驚異はコクマーの小僧だけになるからな。あの裏切り者の愚鈍め。次に会ったら確実に仕留めてやる………おい。俺達の話を聞いているのか? ギエナよ」
〈ああ、聞いているさ。フリューゲル。だが私はこういう超越した者が造る建造や造形には目がないのだよ。見た前。この美しい道を興味が引かれないかね?〉
フリューゲル達がこの荒砂海について説明してくれているが今はそれどころではないのだよ。この空洞の道について探求したい気持ちが駆り立てられて仕方がない。
「……この美しい道? ああ。ここは確か遥か昔にドワーフ族……ゴンヒルリムの一族が人工で作った石道付近か」
〈む? フリューゲルはこの道を作った者を知っているのかね? ゴンヒルリム一族? その一族がこの素晴らしく道を造ったのかね?〉
「遥か昔の話だがな。何だ会いたいのか?」
〈うむ。出来れば会ってこの道をどの様にして造ったのかを訪ねたいものでね〉
私の《 吸収装飾館も私の進化と共に拡張させている。
何れは道も必要になるかも知れないのでね。こういった技術は今のうちから収集しておく方が後々役に立って来る筈だ。
「訪ねたいときたか。しかし、ドワーフは気難しいぞ。その中でもゴンヒルリム一族は皆癖が強い。長命故にずる賢いし奴等は精霊湖の金脈城塞・ドガに立て込もっている……それに北のに行くには嬢王が塞き止めている砂上神殿を破壊しなくては道も造れない。この荒砂空洞が枯れていてはな」
フリューゲルは難しい表情で私に説明してくれ。成る程。そのゴンヒルリム一族とやらに会い土木技法を教えてもらうにも嬢王が居れると叶わないとは……これまで戦った彼等にも甚大な被害を与え。私の探求の邪魔までしてくるとは本当に許せない存在だな。
スキル発動……【透明蜥蜴】
ズズズ……「シュルル~」
私は下層光源 メガネウラを蹂躙した時に倒した敵。【透明蜥蜴】をスキル【傀儡】で出現させた。
「へぁ?! 大きなリザード種?」
「……こんな奴。いつ倒したんだ? それにこんな奴を出現させて何を始める気だ。ギエナ」
〈ああ。この場所と私の探求の邪魔をする嬢王とやらを妥当しに行くのさ。フリューゲル……【透明蜥蜴】よ。私達を乗せて一気に地上まで駆け上がれっ!〉
「シュルル……!……シュルルル!!」
「キャアア! リザードの舌が」
「俺達に絡み付いて来た?……コイツはそもそもリザード種の原種だろう? 何故、コイツを操れるんだ? ギエナ。お前はぁぁ!!」
フリューゲルとクロナ嬢が何かの叫んでいるがそんなものをいちいち気にしてはいられない。
一刻も早く地上へと上がり。ドワーフ達が立て込もっているという北の金脈城塞・ドガへと向かわなくて行けないのだよ。
それにこれまでこの地で倒した彼等の為の弔いの為にも───
◇
《荒砂海ルアマリア北方 ルア・シンベル地下空洞入口》
【透明蜥蜴】は荒砂空洞の空洞の中で最も迅速に移動する事が出来る魔獣だ。
見た目は少しグロテスクで私と同じく謎の触手をウネウネさせているがそれも愛嬌があって可愛いく見えてくる。
「シュルル~♡」
「止めろ。俺の身体を嘗め回すな。リザード種の原種よ」
「それは無理ですよ。お師匠様。お師匠様は始祖なんでから……ううぅ……身体変な粘液でグチョグチョのデロデロです。臭いです」
流石、私が迅速に移動する為に選び抜いた【透明蜥蜴】だ。見た目はかなりユーモア溢れる姿で臭いらしいがそれも愛嬌というものだろう。
〈ふむ。ここもかなりの荒れ地だが砂漠化はまだしてないのだね。それに更に北に見えるあの建物は……む? 何だね? あの白い塊の群れは? 私の方へと向かって来ていないか? フリューゲル、クロナ嬢よ〉
「ううぅ……くちゃい……へ?」
「シュルル~!」
「……止めろ。嘗めな……ん? ギエナ。今、何て言った?」
〈いや。謎の白い群れが私達の方へと凄まじい勢いで向かって来ているのだよ〉
《ルア・シンベル草原》
「行きなさい。私の僕達。空洞に入って私に危害を加えたフリューゲルを……その手下達を殺すのよ」
【……それが懸命です。アドラ様。全ては貴女の世界を守る為……荒廃した地を正しく統べるのです……ククク……】
「「「ギュギギキギ!!!」」」
◇
「あれはっ! 嬢王か? 何故、ここに入る?」
「……いっぱい来てますね。お師匠」
〈ほうあの白い群れの中に嬢王が居るのかね?……ならば話が早い〉
EXスキル発動……【枯樹生華】
私の周囲から新鮮な草木が生い茂始めた。
〈……始めようか。強制的な自然淘汰を……2000年前の豊穣の地へと返り咲かせる為の再生の戦いをここで〉
こうして私達のこの地《荒砂海ルアマリア》での最後の戦いの幕が上がった。




