No.93 進化の進みは枝葉の様に
《水蟲の巣》
荒砂海ルアマリアへと飛ばされて来てからずっと進化への時間はあまりかからない印象だったものだ。
それが今回の幻樹種・百合可憐とやらの進化には半日も有したという事は今回の戦いで得た経験値の種類が多種多様だったという事だろうか?
嬢王がメガネウラに預けていた資源物質に醚。これ等の経験値は私の進化にどんな影響を与えてくれのから興味が湧くばかりだ。
〖節即魔獣、醚、下層光源の数多の資源の【吸収】及び解析に成功しました。これ等の経験値は正当な配分でギエナ様が選んだ方々にも分配されます。それでは幻樹種・瓔珞牡丹レベル10から幻樹種・百合可憐への進化を開始します〗
ああ。よろしく頼む。ハロエ嬢。
◇
「おいっ! ギエナよ。俺の話はまだ終わっていないぞ。世界観測との繋がりを優先するな」
〈…………〉
「くっ! 進化の過程に入ったか。これでは会話も出来なくなってしまった」
シュウゥゥ……キキィッ!!
「お師匠様~! やっぱり。この下層全体がちゃんと浄化されていました。不純物ゼロ%ってやつです~!」
「クロナか。ギエナの奴。俺達が留守にしている期間だけで本当に【蝗災】と下層光源メガネウラを攻略したというのか?……もしかしたら。俺の指導は取り止めになるかもしれんな」
「え? そうなれば私達は更に北に進んで未来にの為の準備をするんですか? フリューゲル様?」
「ギエナの今の現状を見てそれも視野入れる事にした……今後のギエナの成長は奴に委ねるべきだとな」
◇
〖瓔珞牡丹レベル10から幻樹種・百合可憐レベル10への進化に成功しました。水魔法【水刃】を獲得しました。スキル【水顎】【共食】【空切】【裸眼】【音羽】を取得しました。EX スキル発動【蜻蛉空舌】を獲得しました。昇華スキル【水蠆幼虫】【尻切蜻蛉】を獲得しました。称号【南綠の主】【欺瞞の果てに】を取得しました〗
……やはり嬢王とやらの側近だけあってスキルの量が多いな。
〖はい。それ程の強敵でしたので……そして、これ等全ての魔法/スキル/称号はスキル【節即魔獣】へと併合され。以降の戦闘ではスキル【節即魔獣】を発動するだけで付随されている魔法/スキル/称号も使用する事ができます〗
この機能。本当に助かる。私担当のがさつ極まりない世界観測ではスキルを並行使用出来る様にする技術は持ち合わせていないのでね。
〖……いえ。あの娘ももうじき出来る様になりますよ。ギエナ様〗
む? そうなのかね? そうなればだいぶ助かるものだが。ハロエ嬢に高水準とはいかないのだろう?
〖あの娘にはやる気がありますから大丈夫です。それよりも進化のご報告の続きを行います。幻樹種・百合可憐レベル10への進化にともない新たに昇華スキル【金触掌の誘い】を獲得しました。スキルポイント5000ポイントを贈呈します〗
スキルポイント5000とは。進化する事に少しずつ獲得するスキルポイントが増えていくのだね?
〖はい。続いてギエナ様が下層光源 メガネウラを破壊尽くし取得しましたスキル/称号/物質ですが、権能【地の初典】に記載させて頂きました。これにより【地の初典】は【地の真典】へと変化しましたおめでとうございます〗
ほう。【緑の真典】以外にも真典に変化したのかね。それはそれは良い傾向だな。
〖……そして、これまでギエナ様が獲得しました《金盃の器》シリーズについての説明に入らせて頂きます〗
◇
《荒砂海ルアマリア北方 ルア・シンベル草原》
「ギギキ??」「ギチギチ!!」
【……アドラ様。やはり。あの汚い虫《飛蝗》共とメガネウラは失敗した様ですね。跡形なく消えたと兵達が言っています】
「あっそうっ! ならば南下する準備を始めるわ。それで全てのリソースをもう一度この手に取り戻すのよ」
【……流石はアドラ様。ご慧眼御見逸れ致します】
「ありがとう。ケムダー……(特殊権能。これだけは安易に使いたくなかったのよ。コイツ等は善側の世界観測と違って使用者の心を汚染していく。リリトの馬鹿もこれを信用し過ぎて自滅した様なものとベルは言ってた)」
【……どうされましたか? アドラ様】
「いいえ。何でもないわ。ケムダー……(自我が崩壊するギリギリの所まで思い止まっていたけど。駄目だった)」
(消える……私が消える……己。マリア……仕返しのつもりが? 分離する……)
【……お助けしましょうか? アドラ様】
(アンタは……いやお前は……ケムダーか?……黙っていな…いろ……お前の力など借りないわ)
【……ですがこのままではアナタを失う事になります。そうなれば席次が飽き不利になりますが宜しいのですか?】
(黙れ……全てはお前達の利の為だけだろう………私も呪われていなければ善を成したわ……だが汚された……死ぬのが惜しかったから……死にたくはないと力を求めて……力を貸しなさい。ケムダー……私が私である事を保つ為に……)
【……ハハハ……はい。喜んで我が力の主たる偉大なアドラ様……】ズズズ………
「(生き残るとはいえ。これは最悪の悪手だったわ。なるべくこの力を使わずに奪われた【蜈蚣】【蝗災】【蜻蛉】達を取り戻す。さもなければ私はケムダーによって本物化物に変えられる)……時間との勝負よ。準備ができ次第。南下する」
【……ハイ。全ては邪悪なる大樹の赴くままに……アドラ】
◇
《再び 水蟲の巣》
〖以上が新たに取得したスキルの説明になります。ですがこれ等のスキルは本当に強敵との戦いで使用するのが懸命かと思われます。この《金盃の器》シリーズは貴方の今後の運命を決めるスキルですので〗
ああ……説明ありがとうハロエ嬢。今後は良く考えて使用していくさ。今後の私の人生の為にもね。
◇◇◇
荒砂海ルアマリアのステータス
幻樹種・百合可憐レベル10
【金薔薇の脚】【金銅の鱗茎】【金食の心臓】【金触掌の誘い】
魔法 【恢復魔法】木属性魔法【蕾の開花】虫属性魔法【虫の行軍】水属性魔法【水刃】
スキル【節即魔獣】
称号【緑蛇神の眼】【豊穣神の祝福】
権能【三種の無】【緑の真典】【地の真典】【水の初典】【蝗災】
◇◇◇




