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No.50【迷宮水路の上層主 猫魚】Act3 ジャイアントキリング


 ───私はあの巨大鯰主ナマズに、圧倒的な力の差を見せつけられ敗北し食べれた。


 そして、今はあの巨大鯰主ナマズの体内に居る。


 幸いな事に私の前に食べられた囚人狼男とは違い。直ぐには消化されなかった様だ。これも精霊体の状態で呑み込まれたお陰だろう。


 しかし、このまま何もせず、動かなければいつかは消化されてしまうだろう。何せ体内には別の敵が待ち受けて居たのだから。


「ビュルル!」「ヂヂヂ!」「ギヂギチ!」


 ……魚の体内の中というのは数多の虫が存在するとされている。俗言う寄生虫と言う奴だろう。そして、こういった寄生虫達は時として生物の体内の健康面でも大切な役割を担う時があると、一度目の人生で友に聞いた事がある。


 そんな寄生虫達が私の周りに集まり始めた。


 私を餌として認識し食べようとしているのだろう。寄生虫のくせに殺気だっているのが伝わって来る。

 

 この光景を目にして、私はどんな高位の生物の体内にも微生物や虫の様な生き物が居るのだと再確認した。


 ……巨大鯰主ナマズとの外での闘いには惨敗をした。


 ならば場所や相手を変えて見た場合はどうだろうか?


 そう。たとえば敵の体内の虫達を相手に戦い。全てを倒し、巨大鯰主ナマズの身体の機能を内側から破壊するなどした場合。例え魔獣の上位種だろうとただでは済まないのではないだろうか?


〈権能【緑の初典】──廻覧〉


 木魔法【宿り木】

 スキル発動……【吸収】【鑑定】LV 5

 EXスキル【幻草】【草神】発動……【蠱毒】【鱗粉】


 先ずは木魔法【宿り木】で私に襲いかかろうとしている全ての寄生虫達に、容赦なくつたを絡ませた。そして、寄生虫達の全ての栄養と魔力を根こそぎ奪い取った。


 そこにすかさず、あらゆる猛毒をあわせ持つ【蠱毒】の毒液を、巨大鯰主ナマズの全体内へと送り込み。【鑑定】スキルで全ての寄生虫達が全滅した事を確認した後、【吸収】スキルで全て回収した。


〖……アンタ。何、とんでもない事してくれたのよ。生き残りたいからってこんな虫のカテゴリーとはいえ、寄生虫だなんてキモ……バコンッ!…失礼しました。糸状虫シルワーム旋尾線虫リールワーム肺吸虫ブリストワーム顎口虫リギッドワーム……その他、水虫型魔獣を解析に成功しました。よって、スキル【傀儡】によって出現させる事が可能になりました〗


 ……良し。ならば今、【吸収】した全ての虫達を【鱗粉】で出現させ、巨大鯰主ナマズの体内を補食させる。


〖……本当に考え方がサイコパスで外道過ぎるんですけど。まあ、それしか勝てる手段がないなら行わないとね……スキル【鱗粉】発動します〗


〈それに加え、私が保有する全ての状態異常スキルを虫達に付与して出現させてくれ、世界観測よ〉


〖容赦なしか。コイツ……了解しました。スキル【蠱毒】とリンクさせる形で、現在、貴方が所有する状態異常スキルを【鱗粉】で出現させた虫達に付与します〗


 世界観測のその言葉が切っ掛けにレアスキル【鱗粉】が発動する。


 このスキルを発動すると【傀儡】や【寄生】が複合して発動する事になる。そして、次に先程全滅させた虫達を肥大化させた状態で出現させるのだが。それを行う前に私は新たに手に入れた魔法を発動する事にした。

 

 魔法 【空間系統魔法】LV-9──空魔法【籠の鳥】


 囚人狼男との戦いで進化した事により移動距離が、なんと1メートルから2メートルに成長したこの空魔法を使い、2メートル先にある巨大鯰主ナマズの心臓目掛けて移動した。


〈外側の戦いで敵わないならば、内側の戦いで勝たせてもらうぞ。上位存在よ……巨大鯰主ナマズの心なる臓を食い破れ。体内の虫達よ……スキル発動【傀儡】〉


「ビュルル!」「ヂヂヂ!」「ギヂギチ!」


 称号【蠱の支配者】の効果により虫達は張り切って元宿主の心臓を食い破った……



〖水路通路〗


ブクッ……ブクブク……ドバアアンン!!

『ブオオオオオオ?!』

【緊急、緊急、緊急……速やかに体内の傷を治療し、回復せよ。繰り返す。速やかに体内の傷を治療し、回復せよ……でなければ猫魚キャットフィーシュはこのままでは絶命を……】


『ブオオオオオオ!!……ブオオオオオオ!!』



《水路迷宮 メイズ・ラビリス 中層貯水路アレゼルのアジト


『ブオオオオオオ!!』


「な、何? 叫び声と地震?」


「うん……主が苦しんでいる声だね」



『ブロオオオ!!……』

【繰り返す。このままでは……猫魚キャットフィーシュは内側からの致命傷で絶命する恐れが……】


 スキル発動……【吸収】


『ブロオオオ……オ、オ、オォ………』

【なっ?! 猫魚キャットフィーシュの絶命を確認……これにて猫魚キャットフィーシュの世界観測を終了する……ブツン……】


ズズズ……シュンッ!

〈……フー、空魔法の連続併用は魔力をかなり使用する様だな。まだまだ使い勝手が悪いものだ〉


〖嘘?……本当に勝っちゃった?……あの猫魚キャットフィーシュに?……あっ! 失礼しました。スキル【吸収】を発動します。猫魚キャットフィーシュの死骸を吸収に成功しました。続いて解析します。成功しました。水属性魔法の熟練度が上昇しました新たに雷属性系統・魔法【雷の光】を取得しました〗


〈おお、水魔法に続き雷魔法まで取得出来るとは。流石、上位種との戦闘経験値はあらゆる能力が新たに得られるのだな〉


〖幻草種・月下美人ムーンライト・ベルLV3のレベルが10に上昇しました。これにより幻草種・月下美人ムーンライト・ベルから幻草種・白金林檎プラチナム・エプルへと進化します〗


〈何? 数時間前に進化したばかりなのに、また進化するのかね。では安全な場所でゆっくりと進化を……〉


〖現在、周囲には一切の脅威が存在しないため、この場で強制進化を行います。それで始めます〗


〈ま、待ちたまえよ。私にもそろそろ人権が与えられても良いのでは……な……い…〉


 そんな冗談を言おうとした矢先、私は深い眠りにつかされ。起きたら輝く果実へと変貌を遂げていたのだった……


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