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No.34 【高貴なる暗殺者 アレゼル】Act2 暗技と狼眼


〈私が喋れば手が使えなくなるか……ハンデを背負ったな。長耳少年よ。そんな君を追い詰めさせてもらい、更なる職業(ジョブ)スキルを見せてくる事を期待しよう〉


 EXスキル【草神】発動……【裂傷】【毒液】【毒牙】


 月狩熊(ライトベアルーナ)には【裂傷】【毒液】を、黒狼(ブラック・ウルフ)には【毒牙】を付与し……


〈では戦闘を再開するとしよう。耳長少年。行け! 月狩熊(ライトベアルーナ)黒狼(ブラック・ウルフ)よ〉


「グオオオオ!!」

「ルオオオオ!!」


 前衛に向かわせたのは黒狼(ブラック・ウルフ)だ。


 理由は簡単だ。瞬足とまでいかないが、この中で最も俊敏に動く事が出来るのは黒狼(ブラック・ウルフ)となる。前衛に一番適しているだろう。


 次に中衛は月狩熊(ライトベアルーナ)。耳長少年が、黒狼(ブラック・ウルフ)の相手をしている間に、その巨体で強烈な重撃を喰らわせる事が出来る。


 そして、後衛は私、現在、実体化している曼陀羅華(マンドレイク)。そんな後衛の私の役割は前衛と中衛のサポートだろう。


  木属性魔法発動……【光合成】


 この木属性魔法【光合成】の効果は多種に渡る。肉体(植物)の活性化、回復、身体能力の向上だろう。その効果は、その時に使用している他の魔法やスキルにも付与される。


「ルオオオオ!!」

 黒狼(ブラック・ウルフ)は俊敏性、狂暴性が増し。


「グオオオオ!!」

 月狩熊(ライトベアルーナ)は筋力性、打撃性が向上した。


「想定外過ぎるよ……セフィラ騎士団に、こんな戦力が有るなんて。でも、アレを持ち帰らなかったら、国に居る御姉様に危害が加わる! 土魔法【銀の短剣】」


 長耳少年(エルフ)は襲い掛かる二体に対し、土魔法で生成した十数本の短剣を投げつける。


〈暗器など使わせんよ。スキル発動【吸収】〉


 ……ズズズ!


「同じ手はくわない……スキル発動【残像】」


……ドスッ!「グオオ?!」

……ドスッ!「グルル?!」


 ━━━━ザスッ!……ドスッ!


〈ぐっ?!……私まで短剣が届くのか? しかもこれは……毒か?〉


 月狩熊(ライトベアルーナ)黒狼(ブラック・ウルフ)、私、それぞれの急所に複数の短剣が刺さる。それも的確な位置で確実に……一撃で仕留める場所をだ。


「今回は本気でいくと言ったよ……だから色々と準備したもの。特殊個体(ユニークモンスター)だろうと。倒して依頼品は明け渡してもらうから」


 耳長少年はそう告げると、私の方へとゆっくりと歩み寄り始めた。



《ライオネル教会》


「シ、シルちゃん、いい加減、離して下さい!」「……あの可愛らしかった幸運兎(ラックラビット)が、たった1週間程でデブ兎に変貌するなんて……」

「でもこの子。モチモチしていて可愛いわよ。シャーロット」


「ギュイイイイ!!」ドスンッ!


「キャアア!! いきなり止まらないで下さい!」


 数日前に私達に前に現れた暗殺者さんが、また襲撃して来たと思ったら、今度は花畑から突然、肥満体型のシルちゃんが出てき来ました。


 そして、私を口に(くわ)えて頬に詰め込んだたかと思ったら、ヘルナさんを残して逃げてしまうなんて。


 それから、引き返した途中に合流したシャーロットさんとシエスタさんも呑み込んで頬に収納すると、このライオネル教会まで戻って来てしまいました。


「……服がベトベトねぇ~、セフィラ王国騎士団はいつからこんなムチムチの獣の騎士団員ちゃんを採用したのよ。シャーロット」

「あれは騎士団の団員ではないわよ。アホ……それよりもアンタは地下に行くのよ! ここの最高責任者なんだから。ソフィア様! こちらへ入らして下さい」


 シャーロットさんは私の右手を掴むと立たせてくれました。


「シャーロットさん。ですがヘルナさんが……」

「ギエナ殿なら大丈夫です。最悪、聖霊体で何処(どこ)へでも逃げられます。それに彼は私達が逃げる時間を稼ぐ為に残ってくれたんですから、それを組んであげて下さい」

「……ですが。ヘルナさんだけに任せるなんて……可笑しいですよ」


「まぁまぁ、ソフィアちゃん。暗い顔をしないの。今から貴女の守護騎士様が活躍するんだから大丈夫よ。ねぇ? シャーロット」

「……そうね。騎士隊、現状を報告せよ!」


「ハッ! シャーロット騎士団長。ライオネル教会の周辺に不振な者は見当たりませんでした」


「襲撃! 襲撃! 荷馬車は教会の倉庫の奥へと急いで移動を! シスター・シエスタと聖女様は地下室へと避難頂き、いざとなれば地下通路でセフィラ王国へと避難を……」

「シャーロット様。迎撃の準備がもうじき完了します。陣頭での指揮をお願いいたします」


「陣頭での騎士?……ちょっと待ちなさい。この状況でソフィア様を置いて、陣頭指揮など取れるわけないと思わないのか?」


「……うるせえな。さっさと外に行っちまえよ。騎士団長様よ」


 三十代位の騎士の方がシャーロットさんに向かって荒い口調で話しかけてきました。


「貴様、シャーロット騎士団長に何て口の効き方を……ギャアアア!」


「うるせえ、うるせえ……こっちはアレゼルの監視とアレの回収を確実にこなす為に潜入したのに様。一度も暴れないで去るなんて馬鹿らしい事出来るかよ!! 獣魔法発動……【狼化】」


「シャーロットさん。あの人……姿が人から魔獣みたいな姿に……」

「ソフィア様。私の後へ。セフィラ騎士団! 半数はソフィア様の護衛、もう半分はシスター・シエスタの護衛にまわる様に。シエスタ!」


「ハイハイ。逃げます、逃げますよっと! シル騎士ちゃん。私の護衛ヨロシクね~」

「ギュイイイイ?!」


「ウオオオオ!! アレゼルが戻って来るまで、遊んでやる……セフィラ王国騎士団長・シャーロット様よう」

【幽々(ゆうゆう)たる暗殺者 構成員 狼眼のイヴァイロ・ファルカス】

 


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