No.9 その苗木は進化過程で過去を語る
どれ位の時間が経過しただろうか?
暇だな。曼陀羅華に進化にするには数日間かかる。それは分かっていたのだが、暇だ……ここは一つ私の過去や居た世界について簡潔に一人語りしてみるか。
暇すぎるからな。
そうだな。何処から語れば良いだろうか? さしあたっては、一度目の人生の所からだろうか。
私の一度目の人生時に居た世界は《フラマ》と言う《赤》の世界。そして、そこは魔法の才能が全てを決め、魔法が全てを統べる世界だった。
そんな世界で私は《賢者》と呼ばれる最強種の一角に君臨していたのだ。
その為だからだろうか?
私は世界の仕組みを知る資格が与えられていた、あのお方に出会い、教えて頂いたのだ。
結論から先に語ろう……世界は複数存在する。
各世界が〖色〗で例えられ、様々な世界で色々な種族が生きている。まぁ、世界が複数あるなんて、情報は各世界の一握りの者達しか把握していないのだが。
……結論も述べた事だし、《フラマ》での私の人生を少し語らして欲しい。
魔法が全てを統べる《フラマ》の世界の成人はとても早い、年端も行かない10歳で成人と定められ、魔学院と言う場所に強制的に入学させられる。
6年間にも及ぶ、学院生活の中で魔法の基礎から応用まで叩き込まれ、魔術師として強制的に大成させられる。
そして、その魔学院で私は最強であった。卒業し、魔法院でも最強だった。摩天楼でも最強だった。そして、私は〖魔帝〗呼ばれる様にまでなり、《フラマ》世界での最強種へと認定され、世界の仕組みや別世界の事を知った。
そして、酒を嗜んでいたが私は酒癖が悪かった。酔い潰れて崖から転落し、そのまま、岩に頭をぶつけて死んだ。それが私の最後だった、そこで一度目の私の人生は幕を閉じた。
……そして、二度目人生では《黄》の世界と言われる《アリーナ》と言う世界に転生していた。
詳しく語ると、とある神父の男の心の奥底に魂だけで転生し、長く眠っていた。
月日が経ち、神父が身体を弱めた時を狙って、表に出で来てみれば、天上のモノに阻まれ。二度目の生を終わらせられた。
三度目の転生は……苗木だった。いや、草か……新芽であったな、あの時は。今となっては面白い思い出だな。まさか最強だった私が数センチの虫に殺されそうになるとは。
まぁ、そうして今に至るというわけだが。
……どうやらまだ進化は終わらない様だ。
三度目の転生でやって来た世界。《深緑界》私のまだ何も知らない世界。
《緑蛇神 ウィリディス・アングイス》
《ソフィア・A・クレメンタイン》
この世界でまともな意思疎通をしたのは一匹の蛇と修道少女だけか。いや、後は口煩い世界観測もこの中に入れるべきだろうか?
……いや、別に入れなくても良いか。ただの観測者なのだから。
〖いや、入れなさいよ。アホ〗
む? 心の中に何者かの声が聴こえた様な?
〖コイツは何でこんなにひねくれてるのかしら?……緊急事態が発生致しました。貴方の近くで数日間。貴方を見守っていた。ユグドラシルの聖女が複数体の一角兎に取り囲まれています〗
何? 世界観測。それは本当か? だとすれば不味いではないか。直ぐにソフィア嬢を助ける為に起きなければ。いや、だが、しかし私の進化はまだ終わっていな……
〖昨日の夜をもちまして、曼陀羅華への進化。統合スキルの複数取得。称号合掌の複数取得。【権能】三種の無の付与。全ての過程は無事に終了しています〗
……全てが終わっているのだったら。何故、私に早く報告しなかった。全く、報連相は働くものとして基本的な事だと、一度目の転生時の友も良く言っていだぞ。世界観測。何をやっていたんだ?
〖……アンタがこの数日間。ずっと自分語りに浸っていて、私の話を聴かなかったからでしょうが! ねぇ? コイツ、全然、ポンコツなんだけど……〗プツンッ!
また、会話が途切れてしまったが……成る程。進化の行程が終わっているのならば、私の任意で眠りから覚める事が出来るみたいだ。
ならばやる事は一つ。
眠っている私とソフィア嬢に襲い掛かろうとしている獣達。
一角兎の群れの討伐を開始する。
◇◇◇
種族・曼陀羅華 進化可能
スキル【吸収】【鑑定】
レアスキル【鱗粉】
ユニークスキル【蠱毒】【●●】 取得可能
魔法 木属性魔法【宿り木】
【悠久の根】 取得可能
称号 【緑蛇神の眼】
【虫の征服者】【栄枯の光合成】取得可能
◇◇◇




