第八十九話 冷酷と攻略
コタゴリラ冒険者組合一階食堂
「いらっしゃい・・注文は?・・自動販売機?あっそ・・・」
ヒロちゃんは冷酷非情美人さんなのです。自分、自動販売機出現により料理人を辞めようと思ってました。自動販売機のせいで自分達への注文がほぼ無くなって、潮時かなって思ってたら短期就職で採用されたヒロちゃん。熊人族としては身長百七十cmくらいと小さく、茶髪ミディアムショートボブで黄緑の瞳、手に収まりそうな胸は晒で、意外に大きなお尻は青緑のショートパンツに筋肉質の御御足は黒い膝下ロングブーツ。何故か分からないけど、右肩甲骨に大きな綿紗が貼ってありますが、怪我をしてるのでしょうか?
彼女は接客担当で腰に小さなエプロン・・・胸の谷間とキュッと締まった腰を見せて・・これは誘ってるようにしか思えませんが全く違いました。
「おー新人ちゃんか〜良い尻してんじゃがはーっ!」
やっぱりまたやってしまいました!未遂客人はぶっ飛ばされて扉を突き破って外へ・・今日何回目だ?また料理長に叱られるぞ・・自分が・・・。まぁ何人かの雌接客担当は助平冒険者によって辞めてるから、彼女の存在は嬉しい限りです。ヒロちゃん今日も尻叩ですかね?お外へ一緒に付いて行きます。
「貴様・・この家紋・・紋章が背中にある人物を知ってるか?」
自動販売機にある紋章の一つが紙に書いてあるのを出しましたね。
「そ・そんなもん知らねぇよ!」
「そうか・・仕方ないな・・・」
相変わらずブーツから武器を出す所作が美しい・・・少し前屈みになり右太腿を上げて・・瞬時に薙刀という武器を出す・・あんなに長い武器がブーツに入ってるんですね!次元収納でしょうか?次元収納お高いんですよね・・・。そうこう思ってる間に我が食堂課の有望新人が構えました!大変美しい・・・同じ雌ですが憧れてしまいますね。お姉様とお呼びしても大丈夫でしょうか?
「金払って帰るか、私と勝負するか選べ」
もの凄い冷たい眼差しです!自分はドキドキしてます!
「給仕の分際で冒険者様に楯突きやがってっ!」
・・・この後に料理長からお叱りを受けた自分は、食堂周辺の壁に【冷酷熊注意】と書いた彼女のイラスト付きポスターを貼りました。が、逆にチャレンジする客人が増えました・・・。売上が上がって彼女は絶賛無敗更新中です。
鬼人班 (ユイ、アリス、イライザ、麻袋娘)
「サクラねぇ、この宮殿欲しい!」
名前はサクラリム・ネオ・サント・イオスっていう鼹鼠人族の女児。そんな事より、猿危険・・俺の事、放置プレーするんだぜ!いやだって俺だぜ?さっきまで自暴自棄になりかけたけど!俺は目隠しして一言も喋らない猿には負けん!!・・・かなり負けてるけど負けん!!
「えっ!良いの!?ありがとうお姉ちゃん!」
何故か猿の顔にへばりついて、猿が背負ってる誰も居ない金庫の上にお礼ってありえないだろうが!そもそも浮遊島に宮殿を一瞬でおっ建てて・・・違う!生やして・・。女児・・後ろ向いて見てねぇじゃんか!
「宮殿・・綺麗・・・欲しい・・」
イライザもかよ!たっ・・確かに豪華で煌びやかで何処ぞの貴族の屋敷よりも綺麗な宮殿ってのは分かる・・。ってか何で浮遊島に建てたんだ?もういいや・・酒呑んでねよ。
浮遊島宮殿の一室座敷
いやいやおかしいだろうが!外装とこの部屋の内装が全く違う!猿ぜってぇ頭沸いてんな!
「可愛い・・お部屋・・」
そういえば、最近のイライザって良く話すようになったよな?最近って・・・猿に会ってから魔訶不思議な事ばっかりだったからか?魂凍山頂上に城が現れるわ、立方体大樹海の外周に高層階民宿を生やすし・・・んでもって浮遊島に宮殿だろ?だいたいよぉ王都プティ・クリンチから立方体大樹海まで三日って有り得ねぇし・・そもそもイライザって雄が苦手だったよな?まぁ良いや・・とりあえず酒・・?
「猿っ!何だこれは!?」
「お兄ちゃん凄いね!どの食材も立方体大樹海で生息する魔獣や魔物だね!いつ狩ったの?」
「美味し・・そう・・」
もう訳分からん。
唐揚大好班 (ミキ、エリザ、オリビア、マキ)
「カイカちゃん!魔王って美味しい?」
ミキ姉さん・・・魔王ですのよ!?魔王が美味しいわ──────。
「立方体大樹海地に存在する魔王は避役豚頭が凶暴化した魔物と聞いています。通常の避役豚頭は獰猛ですが──────」
「だーかーらーっ!美味しいの不味いの?」
「美味しいです!」
美味しいんですか!ってかミキ姉さん唾液垂れてますわ!こんな時に保護者は別チームだし、エリザさんは我関せず・・・マキさんはまだ埋まってる・・・。
「ジュルッ!・・・さぁ狩りに行くわよ!・・・ついでに巫女姫ちゃんを救出」
巫女姫様の救出がついでになんですの!?
「お嬢は大丈夫ですかなぁ」
エリザさんはお嬢一択はお止め下さいまし!
「カイカちゃん、案内役二、三人貸して?」
「承知致しました」
承知しちゃうんだ・・。まだ巫女姫様がとか、魔王がとか聞いていませんわよ!
「エリザちゃん!筋肉叩き起して」
「御意」
御意しちゃうんだ・・。
布顚大好班 (ユキ、ウェンディ、ミヨ)
「ミヨちゃん、初日から飛ばしますわね?」
結論から言うと立方体大樹海の攻略方法は、動かしてる愚者から主導権を奪い私達が動かして元通りの大樹海にする事なのです。これをミキちゃんに説明しても『えーぇめんどくさいねぇ』って言うだろうし、ユイ兄さんに説明しても理解してくれるでしょうけど、必ずといっても良いくらい不測事態があるので布顚大好班だけで攻略します。
「ミヨにゃん!この下着良いにゃ!」
いちいち短いスカートを捲り上げて下着を見せるんじゃありません!
「私の下着は可愛いですわよ?」
「うぉー猫ちゃんにゃ!下着は何処で売ってるにゃ?」
ユキちゃんも・・破廉恥です!
「主であるユイちゃんが作ってくれたのですわ」
さぁさぁ下着の話は後にして、目の前の蛸を絞めるよ!




