第八十八話 魔王と大恥
唐揚大好班 (ミキ、エリザ、オリビア、マキ)
「ミキ・クルディオ・アモル様、我らの民が大変失礼致しました。如何様の処分もお受け致します。他の民には恩情ある処遇をお願い申し上げます」
最長老の間へ通された私達が見たのは、最長老と長老達の緑と黒のローブが土下座・・・。ミキちゃんって何者ですか!?っというか名前って名乗ってないですわよね!?
「おー久しぶりカイカちゃん!相変わらず肌は白いけど老けたね!」
お知り合いですか!一人だけフードを取って・・『カイカちゃん』ですって?・・・って誰ですか?
「最長老様に無礼であろう!」
見た目は生娘ですが・・年齢不詳ですわね?でも最長老様なんですね?
「客人に無礼を働いたのは我らの民。先ずは客人に謝罪してからです」
「相変わらずカイカちゃんは固いわね・・。まぁ良いわ!生き埋めになってたのを助けてくれたからチャラにしましょう」
いや、助けてもらったから・・こちらが随分と得をしてると思います!ミキ姉さんは策士ですわね。
「恩情ある処遇、誠にありがとうございます」
「同じ釜の飯を食った仲じゃない!気にしなぁい気にしなぁい」
完全に優位性保持を取ってしまいましたわ!
「崩落遺跡事故ですから・・二・三百年くらいでしょうか?」
以外におばちゃんみたいですね・・ミキ姉さん。
「ミキお嬢様は歳いくつでシュボッ!」
・・・マキさん・・ミキ姉さんに蹴られて壁にめり込みましたわ!あ・・目が合って・・・やっばっ・・・!
「おーりーびーあーちゃーん!張扇・・分かってるわよね?」
バレてるバレてるバレてる!
「み・ミキ姉さんはいつも可愛いですから問題ないですわね!」
「み・ミキ姉さんの肌は綺麗ですぞ!あやかりたいですなぁ」
エリザさんナイスフォローですわ!これで何とかなりますわよね?張扇は痛いというレベルではありませんからね・・あ・でも今日からは夜間模擬戦から解放されるのですね!張扇は暫くないんですよね?・・・もう余計な事は考えないようにしますわ!
「ミキちゃん、そろそろお仲間さんの紹介をお願いしても?」
「今は三班に別れ──────」
「大変です!巫女姫様が・・まっ!魔王に拉致されました!」
布顚大好班 (ユキ、ウェンディ、ミヨ)
「ユキにゃん!何で私の下着を引っ張るにゃ!?」
「ミヨちゃんと私の下着は特別製ですのっ!この子達は食べないんですのっ!だから下着脱いで下さいーっ!」
「駄目にゃーっ!こっ!これが最後の下着にゃーっ!」
私達は今・・亜種である衣服だけを食すスライムと戦闘?・・戦闘してるのですが、ユキちゃんがどうしても飼いたいと言い出して・・・。ウェンディちゃんの下着を全て与えてしまい、最後の下着を脱がせようとしてる始末・・・。もしミキちゃんがこの場に居たら、ゲラゲラと腹を抱えて笑ってユキちゃんと共に参加してる事でしょう・・・。もしユイ兄さんがこの場に居たら、次元収納から各種の素材を出して食べさせる実験をする事でしょう・・・。二人がこの場に居なくて良かったと・・私が私を褒めてあげたい!グッジョブ私!
「ウェンディちゃん・・・脱ぎなさい・・」
この場を収めるには脱衣しかないのです!
「ミヨにゃんも酷いにゃ!ピーがピーにゃ!」
『ピー』が何なのかは詮索しませんが・・スライムが食さない下着を譲渡するので・・・潔く脱いで下さい。
「えーいっ!」
「にゃぁ・・スースーするにゃ・・・」
真に【履いてない!】ですね!
「よしっ!この脱ぎたての下着で・・・この子飼って良いかしら!?」
「下着を与えた所でスライムは使役も従属しませんよ?餌が無くなれば違う場所へ移動するだけなのです・・・大変残念な事ですが・・・」
「そ・・そんな・・・アレックスーっ!カムバーック!」
「二人共・・泣いてるけど・・泣きたいのは私にゃっ!早く下着くれにゃーあぁ!」
ユキちゃん『アレックス』ってもう名前決めてたのですか!?笑いを堪え過ぎて涙が出てしまいました!これ以上笑いを堪えたら死んでしまいそうです!さよならアレックス・・第二・第三のアレックスが出てきますように・・・プププ・・。
はぁ・・・面白かったから、次の枡へ参りましょうか。
「だから下着よこすにゃあ!」
鬼人班 (ユイ、アリス、イライザ、麻袋娘)
「迷子の迷子の〜鼹鼠人族娘ちゃん〜♪女児のお家は何処ですか〜♪・・・って何で俺が歌わなきゃいけねぇんだよ!」
アリスちゃん以外、ちゃんとお話出来る人がいないからなぁこの場には。
「ねぇねぇお姉ちゃんは綺麗なおめ目してるね!おじちゃんはいっぱいの精霊さんと聖霊さんと仲良しなんだね!」
「俺の目が綺麗?よせやい照れ──────」
「兎おばちゃんの目は汚いしぃ、アルパカのお姉ちゃんは風の精霊さんが遊ぼうって言ってるよぉ」
「精霊・・見える・・の?」
鼹鼠人族娘はユキちゃんの特等席に座ってるナキちゃんが見えてるんだな。精霊さんはともかく・・おじちゃんと呼ばれるのは・・・。
「おいクソガキ!何で俺が汚──────」
『おじちゃんではなく、お兄ちゃんと呼んでね?』
と帳面に書いてナキちゃんに渡して見せてもらったら。
「分かったぁお兄ちゃん!」
素直な・・とても素直で有難い。が、いつまで俺の顔面にくっ付いているんだ?
「おい聞けよ!」
そろそろお昼だからご飯の支度して・・別班達がどんな魔獣や魔物を狩ったかを見ておかないとな。
「浮遊島・・ある・・」
確かに浮遊島はあるんだが、横に向いてるから平らな場所が無いよな。浮かんでるんだから、手で押さえれば何とかなるか?・・・手が使えん。足で・・軽く蹴り飛ばす・・ではなく軽く当てる程度の力で・・・よっ!
・・・どうしよう・・・。
「クル・・クル・・」
「なんかさぁ・・俺だけ大声で怒鳴って誰も聞いてないし空回りしてる感じで・・・更にさぁ俺・・初めてだったんだ・・【放置プレー】って。今の巨大回転浮遊島と同じだと思うと、なんか滑稽でさぁ・・・。やっぱ冒険者ってさぁ実りょ──────」
やっぱり足じゃ加減が難しいな・・・よっ!はいっ止まったというか止めた!
「お兄ちゃん!気力とか魔力とかいっぱい使ってたね!凄い凄いねぇ!」
女児は見てないのに分かるんだな、というか俺・・気力や魔力って使ってたのか?後・・『とか』って言う事は、他に何かしらの力を使ってるって事か?落ち着いたらご教授願いたい!早々に作ろう。
コタゴリラ冒険者組合長室
「ちょっとぉーアスカちゃん!あの自動販売機を使う冒険者ばっかりで、ウチの食堂で注文する冒険者がほぼ居なくなっちまったじゃない!酒だけは自動販売機に無いから、利益は上がってるんだけど・・・料理人がやる気をなくしちまってねぇ・・」
問題ですね・・・。
「料理長、人件費削減で良いじゃねぇのか?」
「ジョウ!あんたは組合長の部屋でなんだいその褌姿は!」
問題ですね・・・。
「あちーんだから良いじゃねぇか。誰にも迷惑掛けてねぇんだからよ」
「組合長室はアスカちゃんの部屋なんだから地下に戻んな!それまで酒は出さないからね!」
問題ですね。
「アスカちゃんも言っておやり!師匠の馬鹿にさ!」
・・・。
「どうした馬鹿弟子?急に立ち上がって・・・」
「私は今、熊人族のヒロ・ベルアン・ガイラーという女性を探してるんです!他にも問題が山ほどあるんで出て行って下さい!」
「あらやだぁヒロちゃんかい?ウチの食堂で働いてるわよぉ・・早く言えば良かったのにぃ」
「熊人族っていやぁ五段のAランクだろ?魔導具使ったら直ぐに居場所なんか分かるじゃねぇか?」
大恥です・・・。もう肉鎧は脱がないです・・・。




