第八十六話 突入と誤算
鬼人班 (ユイ、アリス、イライザ、麻袋娘)
「ぎゃ──────」
ん・・・やはり落ちてしまうな。立方体大樹海高層階民宿の屋上から飛び降りただけだし・・仕方ないか。しかし、普通なら一mくらいじゃないのか?飛び降りたなら・・・。でも立方体大樹海と高層階民宿のほぼ中間じゃないのか?まぁ良いや。さてどうしよう。
『自由落下?』
麻袋娘か?・・言い難いな。ってか俺の脳内に直接会話するんじゃない!異世界には脳内直接会話事が出来る能力があるんだな。で?お前さんの名前はなんと?
『名無権兵』
名前がないのか・・・名無権兵って言い難いな!適当に麻・・あ・・何か違う。名無・・な・・・名無の『な』と・・ユイの『い』・・・『ナイ』?これはないな。『ユナ』『ミナ』は知り合いにいるから・・・ミヨの『み』・・・『ナミ』は駄目だ。ミキ・ユキの『き』で『ナキ』と呼ぶ事にしよう。安直過ぎて笑えるな。
『唯々諾々』
それで良いのか?まぁ良いけど。
「って猿っ!何微笑んでるんだよ!早く何とかしろよ!落ちてるんだぞ!」
そういえば落下中だったな。ちょっと今から考えるから黙っててくれるか?浮かなきゃいけないんだろうけど、何か方法があったか?例えば・・足の裏に魔力を集中させて、圧縮した空気を作ったらどうなるんだ?・・考えるのがめんどくさい・・。
『暗中飛躍?』
落下中場合で使う四文字熟語ではないと思わないか?でも助かった!俺、飛翔で飛べたわ!
「空中・・停止・・ですか?」
「ぜってー死んだと思ったわ!猿っ!」
まぁ飛翔で一番上の立方体に行けるな。
「猿っ!何で上に行くんだよ!ってか落下より何で飛翔の方が速いんだよ!さては魔導具なんだな?買った!猿っ売れ!」
唐揚大好班 (ミキ、エリザ、オリビア、マキ)
「で・・ミキ姉さん、どうします?」
何故かエリザちゃんから『ミキ姉さん』って呼ばれる?血塗班と会ってからまだ数日だよ?まぁ確かに一番歳上だしぃ仕方ないんだろうけど・・エリザちゃんは私に向かって盾を構えて、その後方でオリビアちゃんがいつでも防護魔法を放つ体勢は止めてね!
「ミキ姉さん、筋肉馬鹿の処置は・・・」
オリビアちゃんにも・・・もう良い!
で・・ユイちゃんの従兄弟でミヨちゃんの愚弟だから仕方ない・・・。
「エリザちゃんのリュックサックに突っ込んでおいてね。ユイちゃんが作ったリュックサックはいっぱい入るわよ!」
「御意」
エリザちゃんがリュックサックを降ろしてマキちゃんの頭を鷲掴みにして入れる・・前にもあった光景ね!まぁ今回は角猪の大群に襲われたから仕方ない・・のかな?全部私が倒して収納しちゃったけど。
「しかし猿御仁は何でも作られますなぁ。お嬢が欲しいと言う気持ちが分かりますぞ」
駄目に決まってるでしょ!ユイちゃんは私が一番最初に見つけたんだからね!三年前の迷路草原・・・思い出にふける時間ではないね。
「ユイちゃんは私の!そんな事より池を渡って目的地に一番で到着するわよ!」
「立方体大樹海まで約六十五kmですぞ?」
「私、氷魔法は使えませんわよ?」
そんなの簡単簡単!
「エリザちゃん盾置いて上に乗って、オリビアちゃんはエリザちゃんの脚に捕まって!」
「ミ!ミキ姉さん・・まさかっ!」
「【坑道風】からの〜【竜巻】ーっ!」
「「ぎゃ──────!」」
布顚大好班 (ユキ、ウェンディ、ミヨ)
「二人共待つにゃー!」
「どうして走ってるんですの?」
当然隣の立方体まで行くからなんですが、もう一つの理由が。
「この水溜りを渡らずに立方体大樹海まで行ける方法があるんですよ」
「流石!主の従妹ですわね。で?この立方体が動く方向が分かるのですね?」
そんなの・・お!女の感・・・とは言えません!さぁ着きましたね・・・どう説明しましょうか・・?
「二人共速いにゃ・・ウチ・・マンチカンが混ざってるにゃから脚が短いにゃ」
「いえ・・三人共小さいですからね・・」
まぁ小さいのは仕方ないですが、ユキちゃんと私は夜間模擬戦でユイ兄さんに鍛えられてますからね。移動速度もかなりのものですよ!でもユキちゃんは夢遊戦闘病だから覚えてないけど。
「大きくなりたいですわね・・・(胸が)」
「そうだにゃー・・・(身体が)」
意味は同じでも言ってる部位が違いますよね!
そろそろ時間・・・右から左へ動くはず!
「ミヨちゃん流石!来ましたわ!」
「にゃー!凄いにゃー!」
・・・失敗です!
立方体が下から上に来るなんて!考えて動かした愚者は出てきて私に謝れー!




