第八十五話 落下と薙刀
休暇翌日の立方体大樹海高層階民宿お外
「・・・おい・さ・・ユイさん、本気で真剣で・・俺!籤運ねぇーわぁー!」
いやー高層階民宿を作ったは良いが、屋上は眺めが良いな!地上から百六十km・・前世なら大気圏があったり熱かったり寒かったり空気が薄かったりするんだが、ちょっと風が強いくらいか?ってか何で君達は俺に捕まっているんだ?
「おいっ!さ・・ユイさん!この強風で立ってるってどうなってるんだよ!」
ミキちゃんの暴風と変わらんからな。さぁて高層階民宿屋上からどうやって行くかな?
立方体大樹海は一辺三百十kmが十kmに細分化されてる立方体との情報なんだが、高層階民宿屋上から下を見ると・・ひぃふぅみぃ・・十五と半分。残りの十五と半分は地面の中なんだな。んでそれが縦に横に回転しながら動くんだよな?前世に妹がナントカ立方体っていうので遊んでたような・・。確か一辺が九だったよな?
「・・立方体大樹海へ・・どうやって?」
「ってかさ、何で俺達が屋上から行かなきゃなんねぇんだよ!摸摸具和人族の言う事を聞かなきゃなんねぇんだよ!っておいさ・・ユイさん聞いてますか?」
あーそういう事か!地下の立方体部分は削れて穴になって、雨やら洪水で水溜りになってるんだな。ということは計算したら高層階民宿屋上から立方体までは約七km離れてるんだな。やっと理解した。
「お嬢、契約書に署名した・・から」
「契約書は・・さ!ユイさんが一歩も動かず俺達の攻撃を受けきれるかって言われたら無理って思わね?お前達も賛成したよな?!」
「では有効・・」
「わっ!わーったよ高層階民宿屋上から行きゃー良いんだろ行きゃー!・・でどうすんだよ!」
あー麻袋娘は金庫の上に乗ってなさい。ちゃんと二人に見えないようにしてな。この二人は俺が抱えて跳ぶから、ちゃんと握って・・首を絞めないようねな?
「ちょ!ちょー!何で抱えるんだよ!っておい!まさかっ!ぎやっ──────!」
コタゴリラ冒険者組合三階応接室
「紅茶ありがとうございます」
熊人族の美人さんには応接室でありったけの情報を出して頂きます!私・・かなり必死です!べっ!別に組合長に褒めて貰おうとか物見遊山したいとか・・お手て繋ぎたいとか!そんなの妄想爆裂中に決まってます!
さぁ私の為に洗いざらい吐いて下さい!
「この家紋・・紋章なのですが、ご存知でしたら教えて下さい」
太陽・桜・槍の【ソウマ】の紋章を指されましたね。これは大事件です!
私が分かりません!
・・・あっ!その前に
「先ずは熊人族美人の身分等をお聞かせ願いますか?私、受付主任のリリカ・ゴリラ・コメンターです。見ての通り大猩猩人族です」
「私・・・ヒロ・ベルアン・ガイラーと申します。冒険者階級は五段のAランクです」
確かにカードは銀色・・・武器が薙刀?
「で・・・この紋章の手掛かりを探してるのですが、誰が知ってますか?」
「その猿は東にある立方体大樹海へ行かれてまして、暫くは戻られませんね」
「名前はなんと?」
「個人情報なので組合長に許可を頂いて来ます。少々お待ち下さい」
ほんの少し外しただけなのに、熊人族美人は三階応接室から消えていました。




