閑話︰酒乱と朱爛
立方体大樹海高層階民宿一階食堂
「よう猿ぅ・・・おもてに出ろ・・ヒック・・」
「お嬢、殺りますか!おい野郎共獲物を持て!」
「野郎共って言い方は何とかなりませんの?大猩猩人族守護騎士さん。まぁ猿を殺るのは私ですので悪しからず」
「にゃんですかぁ?寝言は寝てから言うにゃ!」
「・・御意・・」
アリスちゃん達が酔ってるのは良いのですが、闘い上戸だとは思いませんでした。異世界ではよくあるらしいのですが初めて見た気がします。全員でユイ兄さんを殺るのは分かるのですが、ミキちゃんとユキちゃんが何と言うかが見物ですね。というかユイ兄さん!何故に下履を下げてるんでしょうか!?何を『殺る』と『犯る』を間違えてませんか?ちなみに『闘る』でもなさそうですからね?血塗班はユイ兄さんを確実に仕留める気満々ですから、気を付ける事はないですが手加減して下さい。
「よっしゃー!殺るか混沌者!」
ユキちゃん殺る気満々ですね。というか性格が変わってませんか?言葉使いが違いますし、気が大きくなってユイ兄さんを殺れると勘違いしてるのでしょうか?これはこれで楽しめそうですね。何度も言いますが、ユイ兄さんは鬼の化身かもしてません・・・いや鬼の化身です!・・・何度も言ってませんね?
で・・ミキちゃんはというと、『急がなきゃ!』と言いながらミキちゃん専用椅子(クルディオ仕様)と料理が乗ってるテーブル一切合切をポーチ型の次元収納鞄に入れて一階の食堂からお外へ・・・付いて行きたいと思います。
「ミヨちゃん、屋根上屋根上!」
流石ミキちゃんさんです!高層階民宿を出たと思ったら一瞬で消えたように見えてしまいました。玄関上の平らな屋根の上に早くも一切合切が並べられ食べてるではありませんか!ユイ兄さんの一番弟子だけの事はあります。え?隣に私が座るんですか?
「解説よりょしくぅ」
ミキちゃん、面倒くさい事を私に頼むんですね?まぁやりましょう・・・ですが食べながらのお話は良くないです。
立方体大樹海高層階民宿お外
注目の一戦が間もなく行われようとしておりますが、ここで戦手の紹介をさせて頂きます。
先ずは班血塗ぁーですが、組織集団名『美人魄冥』所属ですね。盟主はプティ・クリンチ第二皇女アルラ・クリンチ・パル様で、その妹である第四皇女アリス・クリンチ・マブ様であります。槍斧を武器とし数々の魔獣魔物を返り血浴びて倒してる姿で『血塗皇女』と呼ばれるようになりました!
その盾役者が攻撃突進なんのその!止められない攻撃はない大猩猩人族の守護騎士エリザ・ゴリラ・ビルですね。攻撃を止められた相手が青ざめ動揺する事から『青動守護者』の二つ名があります。
青の次は黒い白兎であるオリビア・クリンチ・ヒタム。闇・火・光魔法を使いこなし特に闇魔法を得意としてるので『黒魔法使』と呼ばれてるそうですね。意外に単純な二つ名ですね。
「うっさいわねー摸摸具和人族!」
続きましては『黄昏忍者』の二つ名を持つ猫人族の斥候ウェンディ・クチン・クニンですが、忍術を得意とし罠解除や危険察知能力を使い班に貢献しています。熱い食べ物が苦手で、過激な紐パンを履いてます。今日も際どい紐パンティだったと思います。
「見たにゃー!?駄目にゃー!」
最後は巨乳の弓使い羊駱駝人族のイライザ・アルパカ・ビアンコですね。班の胸平均値を大きく上げまくってる彼女ですが、弓の腕前は点で狙える優れ者で、何百人の雄の心を射止めた事から『一心不乱』の二つ名で呼ばれてます。馬鹿筋肉もその雄の一人ですね。
「・・胸・・見ないで・・・」
さてその馬鹿筋肉が玄関から出て来ました!
「ユイ兄が全ての元凶なんだ!今日こそ叩きのめす!」
完全に酔ってますね。ユイ兄さんが鬼なのを知ってなお挑むとは・・・前世姉として情けない。まぁ勝機があるとしたら、ユイ兄さんの攻撃の隙を見極める事が出来ればですが・・・ユイ兄さんに隙があるのでしょうか?
「いっちょ揉んでやるかぁ」
「旦那闘るんでっか?泣いても知らんで?」
「阿呆!誰が泣くかい!逆に泣かしたんねん」
四百二十九番の勇者ユキちゃんが降臨されました!ってか一人漫才してるようにしか見えないのですが、酔った勢いでしょうか?確かユキちゃんは呑んでなかったはず・・・あっ朱麦酒が原因のようです!匂いだけで泥酔状態になるようなので危険です!え?私?朱麦酒は私の血肉なので大丈夫です。
さて最後は鬼人のユイ兄さん!凄く面倒くさそうな顔はしないように。皆さん殺る気満々ですからちょっとは盛り上げましょうよ!
「ミヨちゃん、良く調べたからご褒美だねぇ」
・・・山盛りの唐揚げを出されても困ります。しかも揚げたて・・・ユイ兄さん余裕綽々ですね。
・・おっとここで最新情報が入りました!班血塗ですが、お酒が入ってしまうと闘い上戸になると言いましたね?これが五人揃って酔っ払うと『朱爛』と言う技を出すそうなんですね。血の花弁が咲き乱れるらしいのですが詳細は不明です。
さぁユイ兄さん相手に『朱爛』が見られるのでしょうか!?ユキちゃんの雷撃が通用するのか!勝機はあるのか愚弟。
間もなく開戦です!
翌日朝の立方体大樹海高層階民宿オリビアちゃんの個室
「はっ!・・・・・」
ここは私の部屋か・・・身体を動かそうにも・・これは筋肉痛ですね。更に疲労困憊と二日酔いで、このまま寝ていたい気分です。
ここまでの疲労は王女様の時以来でしょうか・・いえそれ以上ですわね。今回は魔力まで枯渇する事態になりましたし、猿のユイさんには私達五人の必殺技『朱爛』が通用しなかった・・・。というか二本の木刀の一本でさえ折れず・・弾かれ躱され・・。そもそもおかしいのが、ユイさんは目が見えない状態なのに、全身に目があるみたいな気配察知と剣技と体捌きに加え・・・私達七人相手に一歩も動かなかった。最後は立方体大樹海手前の水溜りに落とされて気絶終了・・・。
その夜はもっと過酷でしたわね!ユイさんとミキさんとお嬢の妹君のユキ皇女は・・・寝ながら戦闘してるってどういう事だったのかしら。真っ白い空間に・・あれは夢だったのかしら?・・・いえ現実だったのでしょう。ユイさんの武器は私の後頭部と腹部に直撃されました。これまで経験した事がない激痛が私の身体を駆け巡り・・・。どんなトリックがあるのか分かりませんが、暴いて差し上げますわ!
あ・・・お花摘み行きたいですが、身体が動きません!回復水薬飲んでから行きますわ!




