第七十六話 浮気と乱入
「お嬢・・あの少女はまさかとは思うのですが・・・」
「はっきりお言い!」
「闇商人の組合『堕天の片翼』を単騎で壊滅させた『青鬼』・・瞳の色が黒と青のオッドアイで、種族が・・両腰に海豚人族と鯱人族の崩し文字があるはずです」
なんか良く分からんが、彼女は有名なんだな。まぁ有名は良いとして大太刀の使い方が荒々しくぎこちないし、大太刀を握っていない左手は邪魔にならない様に腰へ・・・彼女は力があるんだな。逆に俺は、彼女の大太刀を折らないようにするのが大変大変。まだ動きが遅いから大丈夫なんだが。
んで?『でるふぃーの』と『おるか』っていうのは何の種族なんだ?今は解説してくれるミキちゃんやミヨが不在だから・・・頼むから横文字は止めてくれ。
「おい混血女!さっさと始末しろ!俺は兎ちゃんの味見を・・・」
「貴様ぁ!」
やっと大猩猩人族守護騎士ちゃんが半球状防壁から出て、アリスちゃんの前に行ったな。鎧を着用してはいるけど武器と盾がないが、大の字で小悪党親分を死守しようとは健気な女の子だな。
「命令・・遵守・・」
大太刀だけでは俺に傷を付けられないと考えて魔法も混ぜて来たな。水と氷と降り積もる雪を使うんだな。水の刃に氷の槍を俺の全周囲に配置し一斉攻撃なんだが、攻撃は【マソウ流】初伝の波紋と螺旋で対応。
波紋は全周囲に円形斬撃をするんだが、螺旋は空中に螺旋状の斬撃を行う。これで地面以外の攻撃が相殺されるんだが、地面から俺に向かって来るでかい氷柱の大半は波紋で吹き飛んだが、俺の足元に出てきた氷柱は踏み潰した。降り積もる雪は俺にまとわりつくんだが近寄れない。魔法と物理障壁があるし、この女の子との剣戟がちょっと楽しくなって、周りの雪が溶けてる。
「お姉様!まだ半球状防壁内に入れないのですか?ちょっと失礼しますね。雷魔法【感電】」
以外に早かったなユキちゃん。雷魔法【雷走】を使ったかな?
「貴様ぁ!何処から現れた!」
どうでもいいが、下着だけで来るんじゃありません!最近ミキちゃんに似て羞恥心が薄れてきてるんじゃないか?
とりあえずアリスちゃんが気絶して半球状防壁内に入ったから一安心ではあるが・・・問題が来たか・・・。
「おに・・ユイちゃん!私という彼女がありながら、堂々と浮気ですか?ちょっとお痛が過ぎますね・・・覚悟なさい!」
ユキちゃんと同じく下着で現れるな!しかも浮気だと?ってかその前にミキちゃんと俺が付き合ってるって事に驚きなんだが?!とりあえず落ち着け!鞄から二刀を出して襲って来るな!更に麻袋女子と息を合わせて攻撃するんじゃありません!
「とりあえず邪魔・・・雷魔法【魚雷】!」
「あ゛あああああああぁ!」
ユキちゃんの雷魔法か。小悪党親分の腹に強烈な雷弾が貫通したな。瀕死状態ではあるが死んでないな。
「余所見厳禁!【嵐珠】乱れ打ち!」
「命令・・執行・・」
ミキちゃんの風魔法【嵐珠】と大太刀女子の水魔法【水刃】と氷魔法の【氷柱】、更に三刀が俺に襲い掛かる!・・・普通に避けて捌けるんだが、『普通』ってのが分からない・・・。
「め・命令・・しっ・・こ・・あ゛あああああああ」
目が充血・従属の首輪周辺と両手足の金属枷の周辺に血管が浮き出て苦しんでる。
『殺して・・・』




