第七十五話 波紋と混血
「【スピア・オブ・カオス】ってさ、王都プティ・クリンチの祭りで出てくる、くっそ重い槍じゃねえのか?」
「オデ・・無理・・だた」
「パーティーで一番の筋力馬鹿が無理なら・・猿の持ってる槍は偽物じゃね?」
「本物だったら軽々と持って振り回ないからな」
そういえばミキちゃんも矛を実際に顔が真っ赤になるほど頑張っても持てなかったからな。
「だいたいそんな華奢な身体の汚猿が本物を持ってるわけがねえ!やっぱ騙しやがって!」
んじゃ確認すればいいぞ。矛を優しく投げるから受け取りな。
「偽物をこっちに投げるみたいだぜ!」
「オデ・・貰う」
おー!三人が受け取ってくれるんだな。俺から見て右に巨体オデ野郎だから、刀身は左にしてゆーっくり放り投げるからな。そーれっ!
「「「ぎゃー!」」」
俺の力加減は良かったみたいだが・・・三人共倒れてしまった腹の上に矛が乗ってるんだが大丈夫か?
「オデの腹が!なっ中身が出る・・・」
あ・泡吹いて気絶したな。
「おっおい!誰かたっ・・す・・」
巨体オデ野郎のお腹が矛によって押し潰され、真ん中の悪党も徐々に腹部が押し潰されて気絶。左の悪党は、刀身が見事に腹部を貫通してるんだが、傷も無ければ出血もない。昔観た手品で、貫通する剣ってのが今の状況に似てるんだが、現実はタネも仕掛けも無いから怖いな。激痛で気絶か・・まぁそうなるな。んじゃ矛回収して・・・。
「お前ら全員で猿を殺せ!」
剣の弾いて負傷したのが三人、矛に潰されて気絶が三人だから残り三十なんだが、鬣が凄い班長が俺を始末するのかと思いきや部下任せか?もうめんどくさいから全員で来てくれ。良いか?ゆーっくりだぞ俺!
「包囲網を縮めて一斉攻撃!おらー死ねー!」
ひぃふぅみぃ・・・二十九か・・。
『【マソウ流】初伝!波紋』
説明しよう!この『波紋』ってのは、敵が全周囲から襲われた時に、己の矛を振り回して斬りつける若しくはぶっ飛ばすんだが、上から見ると波紋の様に円を描いてる。今回は剣と首と胴の三波紋で全員気絶して倒れてしまったな。しかし・・斬れ過ぎじゃないのか?全く抵抗を感じなかったんだが。
「お・おぃっ!猿何しやがった!」
『【マソウ流】初伝!波紋』
アリスちゃんと大猩猩人族守護騎士ちゃん用に書いた帳面を拾って鬣犬班長に見てたら。
「こっこのバケモノ!・・おい!居るんだろ混血女!この猿を殺せ!」
鬣犬班長が俺を指さして言ったら、空中に小さな水滴が無数に現れ、宙を舞いながらくっつき大きな水の塊が地面に着地・・・破裂。
破裂した跡に小さな少女が・・身長百三十cmくらい、腰まで伸びた薄い青色の髪、ボロ布で鼻から下を隠し首には従属の首輪。服装・・麻袋に首と腕が出せる穴が空いただけのを被って腰の荒縄で縛り、履物は何もない・・裸足か。両手両足首に金属枷があって、武器が大太刀って身長と刀身が同じくらいじゃ?ってか鞘が無く引き摺るなよ・・・。
「命令・・・受諾」
数年ぶりに熱が出ました(涙)




