第七十話 食事と襲来
魂凍山頂上城内宴会場
「うおー!これはどの料理よりも素晴らしく美味しいですぞ!お嬢!」
美味しいなら良かったな。
「猿が作った料理なんか食べれないわ!ってかいつ作って出したのよ!全く見えなかったわ!」
アリスちゃんは初めて会ったユキちゃんと同じ言動だな。まぁ空腹には勝てないだろうから食べるよな?
「美味いにゃ!美味いにゃ!大猩猩人族守護騎士が作ると塩味だけだからにゃ!」
「確かに唐揚も美味しいですね!猫人族斥候は何でも丸焼きで薄味過ぎて・・」
「にゃにぃー!兎人族魔法使はいつも野菜が多過ぎるにゃ!この料理を見習うにゃ!」
「猫人族斥候が出す料理はいつも冷めておるからな」
「おい・・しい・・・」
「無口な羊駱駝人族弓使が料理の感想を言ってるって事は本当に美味しいのね・・・ちょっと食べようかしら・・」
やっと食べる気になったんだな。追加で作るか・・・は問題ないが・・・うちの爆食四人組はまだ食べるのか!
「ユイちゃん!唐揚と豚角煮と餃子追加で!」
「ユイちゃん!薬草盛合と調味料も追加でお願いします!」
「ユイ兄さん!木の実の盛合せってありますか?ってもう出てきた!マキ唐揚取って!」
「姉貴まだ食うのかよ・・ほらよ!」
今日は特に食べるよな・・・まぁ良いや。
「美味しい・・・猿なのに!これも美味しい!・・・ユキぃ猿ちょうだい!班の料理兼荷物持ち兼雑用兼と獣車で!」
何言ってるんだ第四皇女は?
「私の大事な料理人兼移動手段だからダメー!」
「そうですよー私の主様ですから、アリスお姉様でも駄目ですよ?」
おい君達、一応班長なんだからその辺も言わないと駄目じゃないのか?アリスちゃんも『猿』とか言わないように・・・。
「じゃー俺達の食事はどうするのよ!?」
・・知らん・・・。
「じゃー俺達の野営用に城くれ!」
知らんがな・・・。
「んじゃーその金庫くれ!」
めんどくっせー娘だな!
「ユイちゃん!後でタブレット作ろうか!知ってるよねタブレット?」
知らんわ!。
「んにゃっ!魔獣にゃ!」
やっと気付いたか?かなりの集団が城外の半球状防壁に集まっているな。敵意が無いから食事優先してたが。
「猫人族斥候!何体だ?食後の運動に調度良いな」
「いっぱいにゃ!」
確かに多いな・・。今のところ三十体は集まっているな。
「皆、外見て!あれは針山象です。半球状防壁の中に入っています!」
『じゃるんもす』っていうのか。全身体毛で覆われて立派な牙がある象・・・マンモスみたいだな。
「お嬢!針山象は手を出してはいけませんぞ!一体でも我らが束になっても勝てませぬぞ!」
襲ってこないなら大丈夫じゃないか?ってか君達四人はまだ食べるんだな・・。
「大猩猩人族守護騎士、冒険者は冒険しなきゃ男が廃るぜ!たかがいっぱい・・猫人族斥候?いっぱいって何体だ?」
どちらも女の子だろ!
「いっぱいはいっぱいにゃ!」
勘定しろよ!
「確認出来ただけで十七体・・ちょっとこの半球状防壁って役立ってないじゃない!」
敵意が無いから素通りな。ってか兎人族魔法使だったか?半球状防壁を横文字で言わないでくれ。針山象よりも半球状防壁の外が問題じゃないのか?
「ガウーッ!グア──────ッ!!!」
「遠くて見えない・・【望遠】・・あれは熊?・・いや闘牛熊だわ!集団で狩りをするから厄介なんだけど、闘牛熊は半球状防壁に入ってこれないのね?大丈夫よね!?」
・・闘牛?熊?どっちなんだ?まぁ良いや・・凄い群れだが半球状防壁は頑丈・・目的は針山象なのか?
「闘牛熊ですって!?」
ミキちゃん急にどうしたんだ?針山象には反応してなかったよな?まさか・・まさかとは思うが・・?
「ユキちゃん半球状防壁出たら開幕一発で電撃させて!麻痺で良いから・・麻痺以上だと肉が固くなるから絶対駄目だからね!ミヨマキちゃんは私と一緒に闘牛熊の急所狙うのよ!気合いで首チョンパしてね!」
今までに無い真剣な表情で言ってるけど・・もしかして。
「本気で美味しいんだから殺るわよ!」
やっぱりか・・・。
「沢山いるみたいだし失敗しても良痛ったー!!」
「ミヨちゃん!筋肉馬鹿大丈夫?」
「・・・・・」
ミヨ・・また俺の張扇・・良いんだ良いんだけどな?ミキちゃんが気合い入れて言ってるんだからな?筋肉はお勉強頑張らないと第六皇女から残念なお知らせを言われてしまうぞ。ミヨは腕を上げたな!左頬→右頬→顔面を叩いたのに音が一発で聞こえる水準で、アリスちゃん以外は左右の頬を叩いたのは見えずに顔面叩きしか見えてないだろうな。
「おいお前達・・殺るのか!?ここで見える限り五十体以上なんだぞ?あの獰猛な闘牛熊なんだぞ?」
「あの牛だか熊だか分からない魔獣は美味しいらしいので狩りますわよ!お姉様」
「今まで魔獣を見ると怖気付いてたんですが、ユイ兄さんに鍛えてもらったから・・・闘牛熊ぐらいなら余裕で行けそうですね!ただ首切断出来る武器が・・・」
俺は鍛えてないぞ?
「ミヨちゃん大丈夫!全員に風魔法を付与するからね!」
「うん!・・・筋肉転がってないで行くわよ!」
「ねっ!姉ちゃん!脚持って引き摺るなって!」




