第六十二話 皇女と凱旋
「半人半獣がやっと帰って来た!」
従属の首輪を取り外したら、従車を付けたまま家に帰ろうとした半人半獣族のおっさんが、涙を流し俺達の元へ帰って来たが・・足取りが重たそうだな・・腹部痛いのか?
「あ・あのう・・・『ちょっとそこまで』とは何処まで行けば良いのかと・・・その後は・・・」
まぁミキちゃんの言い方が悪いな。ちゃんと目的地を言ってあげないと駄目だぞ?後は半人半獣のその後か?家に帰れば良いんじゃないのか?
「半人半獣!王都プティ・クリンチの王城まで私達を送って欲しいのよ。その後はお国に帰ってもらえば・・ってか帰ろうとしてたよね?ま・まぁ嬉しいのは分かるけど、首輪外したのは前金だからね?」
「お・王城ですとっ?!半人半獣族は半分人間が混ざっておりますが・・・宜しいのですか?王城へ行ったら死刑とか・・・」
「国王がそんな事なさらないわ!だってこの私が乗るんですのよ?半人半獣にもしもの事なんてありえないわ!私の凱旋なのよ?」
半人半獣って猿並に迫害されてるのか?んで・・ユキちゃんも言葉足らずだな!お父様が国王だと思わないだろ?
「一応第七皇女だからね?」
「一応ってなによっ!」
ユキちゃん・・正座で言う台詞ではないと思うぞ?ってかまだ怒られてるのか!?
「プ!プティッ!クッ!クリンチの皇女様?死刑死刑って気に入らない者を処刑台送りにしまくる『第七皇女』ですとぉー!」
あ・・半人半獣殴られた・・ユキちゃんに。
「ところで・・偽者天使は誰が倒したの?」
半人半獣族が引く車に乗って王都プティ・クリンチへ向かってる。流石に半人半獣の服がボロボロだから俺が作ったんだが・・『私が乗るのですのよ!金ピカの鎧にして下さいまし!』と要望が・・。『んじゃ私が意匠する!』と・・。結果、黄金と黒を基調にした鎧と槍と盾に・・・作って言うのもなんだけど・・派手だな。更に車も改造し王家の紋章にした。先ず姉弟はまだ気絶中だが椅子に座らせ、俺は御者席・・・ミキちゃんは俺の左腕・・・ユキちゃんは俺が背負ってる金庫に座らず立ってるのは良いんだが、右足が俺の頭に・・・水玉模様の下着が見えてるぞ。後、お貴族様は車の後部に柱を立て、柱のてっぺんに縛っているが未だに気絶中。更に胸元には『下手人』と書いた紙が貼ってある。
「・・・覚えてないかぁー・・でもユキちゃん(の別人格)がぶっ飛ばしたわよ?」
確かにユキちゃんがぶっ飛ばしたが・・別人格は誰だったんだ?
「えっ?私知らない!」
「知らないって言ってもねぇ・・・ユキちゃん(の別人格)がぶっ飛ばした事実は変わらないわよ?寝てた?」
「確かに皇女様がぶっ飛ばしたのは私も見ました!いやぁースカッとしました!」
「そ・そうなのね・・・まぁ剣も元通りですし、とりあえず凱旋ですわ!」
とりあえずは良いが、俺の頭に足を置くのは止めて!
「お腹空いた!」
色々あったし野営するか。
翌日、王都プティ・クリンチ南門
「緊急事態発生!緊急事態発生!」
久しぶりに帰って来たら緊急事態発生ですって?
「何が見えたんだ!?報告急げ!」
「きょっ!巨大な嵐がこちらに接近中!」
物理障壁が間に合うか・・・到達予想は?
「到達予想時間は!?」
「あっ!あと三十秒っ!!!」




