第六十話 怒気と猛毒
「あ・・・」
「絶望した顔をもっともっと見せてくれー!さぁ次は小人族が絶望する番だぜ!俺をもっともっと楽しませろー!」
ユキちゃんの双剣の刀身が綺麗に消えたけど・・・なんか光ってないか?それにユキちゃんの表情が絶望ではなく・・怒気。初めて会った時より力強い怒りの感情だな。
「お・国王陛下から頂いた私の二刀・・ゼウスとヘラ・・・よ・・・」
剣に名前を付けてたのか。何処かで聞いた名前だが・・・何だったか?
「さぁ絶望の気よ!我の力となりて・・・」
チンパン、両手を広げてユキちゃんに向き合ってるけど、気は怒りと殺意だぞ?気付いたから途中で詠唱を止めたのか?気付くの遅くないか?
「よ・よくも私の二刀をー!」
おいおい!上空からいくつもの雷がユキちゃんに落ちてるけど大丈夫か?
「うっ・・・」
ミキちゃんどうした?気分が悪くなったのか?それともお腹空いたか?・・・あぁ厠か!?
「ちょっと背中が熱くて・・・」
だよな・・・落雷を受けたユキちゃんが光輝いてバチバチと熱い少女になってるからな。ミキちゃんは良いとして・・・ミヨと筋肉・・・何で気絶てんだ?
「くそっ!兎が!絶望しときゃいいのにまだそんな能力があるのかよ!面倒くっせー・・先に処理するがっ!ぐぇっ!」
ユキちゃん、見事な踵落としと回し蹴り!偽天使が認識出来ない速さだったな。頭が凹んで顔半分くらいが蹴られて曲がってるぞ?煌びやかな鎧だけど、兜は被ってないんだよな?
「貴様ぁ!天使の俺様に何をするんだ!黙って絶望して殺されておけろ!」
最後の『ろ』っていうのは、顔が曲がったから上手く喋れないからだろうな・・・仕方ないな。顔が曲がったからか分からんが、雑魚感が増したよな?あ・・頭部が再生した!
「囀るな偽者天使!」
「兎人族が!さっさとしヴェ!ヴェ!」
綺麗に顔面へ拳がめり込んだな・・・右と左の二回。でも致命傷ではないから直ぐに再生しようとしてるな。ユキちゃん、返り血が拳とまだ持ってる二刀の柄や甲冑手甲にベットリ・・後で洗浄だな。
「次は火炎と雷の刃で両目をえ・・・うっ・・」
ん?ユキちゃんの顔色が悪くなって、立ってられないから膝を地に着けたが・・・何でだ?
「やっと毒が効いてきたか!どんだけ毒に耐性があるんだよ兎が!この剣には猛毒が付与られていたんだよバーカ!」
ユキちゃんを蹴り飛ばして、倒れたところに顔や腹を蹴って踏み・・・。ミキちゃんが出ないなら、俺が出るか。
「待っておに・・ユイちゃん!なんかユキちゃん光ってない?」
確かに光ってはいるけど・・・先程のバチバチと熱い少女ではない・・・神々しい光っていうのか?
「このっ!このっ!ぐぉっ!」
偽者天使の顎に強烈な拳が入ったな。ユキちゃんまだまだいけるのか?
『やっと封印が解除されたんかいな!』
『旦那!ユキはんが死んでまう前に処置したらんと!』
『せやったな・・・うしっ!これでええわ』
ユキちゃん、人差し指をしゃぶって・・頬の傷に付ける・・・民間療法・・・ってか俺の脳内で会話してるのって誰だ?




