第五十四話 揚物と飛行
「唐揚うめー!今まで食べた事がない・・・食欲をそそる大蒜の匂いと・・何の調味料か分からねぇが兎に角うめー!唐揚はお貴族様も食べたいわな!」
「こっちは獰猛な角豚の肉だぜ!俺はこれを食べる為に生きて来たんだと確信するぜ!」
六人全員が娯楽献立卵(単品)を自動販売機で買ってしまって・・・料理を絶賛するのは良いんだが大袈裟過ぎやしないか?
そういえば、プティ・クリンチの国王が魔力の鮮度がどうのこうの言ってた気がするが・・・とりあえず売れるのが分かったから良いや。
後はコタゴリラの自動販売機で、売れた娯楽献立卵(単品)の二割を貯金箱に転送っと。
あ・・・旅館の土地って、何処が保有してるんだ?勝手に旅館を作ったり、勝手に自動販売機を置いて商売してるけど・・・面倒くさいから考えないでおこう・・・。
「「「「「「ユイ様!お願いがあります!」」」」」」
六人全員・・・俺の足元に滑り込んでの土下座は止めなさい。
「マヨネーズやケチャップ等の調味料も自動販売機で売って頂きたく!」
「解毒剤や傷薬等の安価商品も自動販売機に置いて頂ければ幸いです!」
「こってり料理が好きです!でも・・新鮮野菜盛合も売って下さい!」
「あっつあつのパン・・・欲しい」
「汁物も欲しいわ」
「飲み物と甘味もあれば嬉しいですね」
面倒くさい事を・・・まぁ場所が空いてるから問題ない・・・仕方ないな・・・入れておいたぞ。使い過ぎるなよ?
そうなると主食である銀舎利が欲しいな。何処かにあるなら金庫に入るだけ欲しい。珈琲も欲しい。・・・金庫に入るだけって言ったけど・・・無限だったな。訂正!俺達が食べる分だけだな。
ってかおい六人全員!どんだけ食べるんだよ!
食欲旺盛後
「ところでユイ様?・・・本って古代魔法書ではありませんか!」
ルリカか・・・。
「無視しないで下さい!本って古代魔法書ではありませんか!厳重に管理されていて、そこに入る事も持ち出す事も出来ないのに何故!何故!天狗宿舎にあるんですか!ってか何故ユイ様が持ってるんですか!・・・あ私?私は師匠にプティ・クリンチの王立図書館へ連れて来られて表紙だけ見た事があるのですが・・・十九冊全部が古代魔法書っておかしくないですか?!」
プディングを両手に持って俺の目の前に座るんじゃない。魔法書はミキちゃんが学校長から譲渡のを複製本だぞ。流石に譲渡は断ったし、原本は所々破れてるし、頁が抜けてるし、字が滲んで読めなかったからな。何か良く分からんが【複製】って魔法を使ったら出来たぞ?
それに・・魔法書って古代魔法書って言うのか?何が古代なのか分からないが、面白い魔法も載っていたぞ。今は空を飛ぶ魔法書を出したんだがな、風魔法では俺が上手く飛べないのが分かったくらいだな。やはり重力制御魔法と俺の魔力操作が問題なんだろうな。もう一度確認の意味で読み返してるんだが・・魔力操作なんだろうな。
「これは飛行についての魔法書ですが・・これを読まれたんですよね?」
あーそれか。揚物だから料理の魔法書だろ?まだ読んでないぞ?揚物の魔法書なんだから油の酸化を防ぐ魔法とか色々載ってそうだし、時間ある時に読んでみようかな。
「えっ読んでないんですか!?飛行魔法の魔法書ですよ?」
だから揚物魔法だろ?
とあるお貴族様のお屋敷
「執事、息子は何処に行ったか?」
「斥候の報告では、御館様の領地である草海に速鳥を狩りにお出掛けで御座います。坊っちゃまは冒険者組合からの依頼達成が待てなかったようで、手練を連れて・・・」
息子が!まぁ良い・・・そろそろゴブリンの軍勢が王都を制覇してる頃合。
「王都プティ・クリンチに行く。具足を持て」




