第五十三話 再会と献立
「じ・地震だ!天狗宿舎から出るんだ!」
「お・俺が怪我人を運ぶぞ!」
いやー参ったな・・・コタゴリラの東の森から、かなり飛ばされた感じだが・・・何処だここは?かなりの衝撃だったのか地面が柔らかいのか・・・爆発穴の深さが凄いな。とりあえず爆発穴を出てもう一度風魔法を使うかを検討しないとな。
「おい!外に大きなクレーターがあるぞ!隕石でも落ちたのか!?」
「でっかいクレーターだな!天狗宿舎に落ちなくて良かったー!」
誰か居るのか?ってか背負ってる金庫がめり込んで・・取れた取れた・・土と埃が・・俺もか・・【洗浄】・・良し!綺麗になったな。さて爆発穴から出るか。
「っておい!誰だ!」
ん?あー急に爆発穴を登って出て来たからびっくりしたのか?いきなり剣を抜いて斬り掛かろうとするな。一応・・冒険者なんだからな?
「こ・この猿は小鬼の巣で助けてくださったユイ様よ!アディ引いて下さい!」
何処かで見た事あるのか?と思ったら小鬼の巣でミキちゃんが助けた冒険者達か。暫く見ない間に立派になったな・・・忘れてたけど。俺に剣を向けた雄は羊人族のアディっていうのか。確かに俺が作った装備を着用してるんだな・・・忘れてたけど。
「小鬼巣助けて下さり、パーティー代表としてお礼申し上げます。一緒にいた小人族の女の子にもお礼を言いたかったのですが・・お一人ですか?」
今は鬼ごっこ中だからな。そういえばここは草海か・・・旅館と天秤がそのままだったな・・まぁ良いか。
「おい!大丈夫か!?出血が止まらねぇ・・」
大丈夫じゃないけど大丈夫か?だいぶ衰弱してるな・・アカチン飲むか?飲めそうにないからぶっかけるぞ?
「・・・治った・・」
「「「「「はーっ?」」」」」
草海の草は毒草ばかりで・・出血?もしかして毒草実を食べたのか?俺が作った装備が壊れたのかと思ったぞ。
「コタゴリラの冒険者組合で売ってる『アカチン』ですわね?また助けて下さってありがとうございます。申し遅れました、私パーティーリーダーで五級(F+ランク)回復補助魔法の袋熊人族で、ルリカラルラ・ウォンバットと申します。長いのでルリカと呼んで下さい。あー家名が無いのは平民なので・・・」
俺と同じく班長さんなんだな。確かに俺が作った蒼地の一枚物に胸元の魔石が輝いているな。流石ミキちゃんの意匠だよな。
それで・・他の方々(こ)の名前を聞いて覚えられるのか俺?
「先程剣を向けたのが羊人族の片手剣士アディで、助けて下さったのが大猩猩人族の守護戦士コマンで──────」
すまないが・・・覚えきれなかもしれない。帳面に書いておいてくれないか?
天狗宿舎の一階広間
「ところで・・・ユイ様・・それってコタゴリラの冒険者組合に設置されてる自動販売機では?」
良く知ってるな。飛ばされたついでに設置しておこうかと思ってな。ただ・・・な、アカチンとヨウチンの回復水薬しか設定してなくてな。他に売れる物がな・・・。
「君達?ユイ様が自動販売機を設置した事は他言無用ですよ!私達は自動販売機設置事を墓場まで持って行きます!」
物凄く大袈裟過ぎやしないか?まぁ面倒くさいから言わないけど。それよりも他に売れる物を自動販売機に入れたいんだがな・・・。
「た・例えばですが、小鬼巣頂いたお料理が自動販売機で買えたら嬉しいのですが・・。同じ食材であっても、あの時の味が再現出来ないのですよね・・・。」
料理か!良い提案だな!試しに・・・良し設定完了だな。
「「「「「「えー!!!」」」」」」
「こっ!これは何ですか!『娯楽献立卵(単品)』って!」
あーこれか?卵型の容器に単品のお料理を入れてあってだな、開けるまでのお楽しみというドキドキワクワクするんだぞ?今まで俺が作った献立が無作為に入ってるんだぞ?楽しそうだろ?値段は冒険者一階酒場の献立より高く設定するからな?・・・理由?酒場の献立が売れなかったら、巨大黒髭筋肉に怒られるからよ。ちなみに牢獄の住人も同じ献立を食べてるんだぞ?
『開けてからのお楽しみだ』




