第四十九話 通訳と誘拐
冒険者組合一階依頼掲示板
「立方体大樹海の依頼はこれで!」
ミキちゃんが勢いよくご指名した依頼・・・大丈夫か?
「ミキちゃん依頼ヤバくない?お姉様が『無理はしないでね!』って言ってたよね?大丈夫?」
「この魔獣は・・・」
「ユイ兄、魔獣は単体でも俺一人じゃ抑えられないスピードとパワーがあって、ペニルアンとポゼシブとブラックアウトというスキルを使か(スッパーン!)ってー!」
「マキちゃん?おに・・ユイちゃんに話す時は横文字厳禁よ?でないと張扇で叩くわよ?」
ミキちゃんの張扇によりマキの顔が更に・・張扇は痛いだけだったな。顔を押さえて転げて悶絶するんじゃない!
「もう叩いてるんじゃ・・・はい・・」
「ミキちゃん!愚弟を叩いた張扇はなんですの?」
「これはね伝説の張扇で、激痛だけ与えられる優れ物なの!ミヨちゃんのポシェットにも共有してもらおうね!ユイちゃん共有ね」
で?マキは何が言いたかったんだ?ミキはミヨとキャッキャやってるから、ユキちゃん通訳してくれ。
「この魔獣は擬態緑蛸と言い、速度と力があり、擬態と束縛と黒墨という技を使います。前回狩った速鳥より速度は落ちますし、力はそれなりに強いですが束縛を警戒すれば難敵ではありませんわね・・とマキちゃんは言ってるようです」
通訳ありがとう。んじゃ受付して行こうか。
冒険者組合一階受付
「はい、今日はどの様なお話・・先輩大変です!マキさんが顔パンパンになってます!この猿人族が暴行したかもしれません!至急護衛隊と医療班の手配をしないと!」
俺じゃないぞ?何言ってんだこの後輩娘は?・・・お?この長髪美人さんは見た事あるな。冒険者組合長が何て言ってたかな・・・?リリ君だったような・・・まぁ良いや。
「大変失礼しました!後で後輩娘には説明と叱責しておきます。マキの件は聞いていますのでご安心下さい。依頼ですね・・・はい冒険者組合が受付致しました。お気を付けて」
まぁまだ新人さんなんだろう、仕方ない事だな。
「お・おい!アスカ親衛隊隊長のマキさんの顔がパンパンってどういう事だ?一瞬誰か分からなかったぞ?」
「あれがマキさん?マジで!?ってかいつもの鎧姿じゃないぞ?しかも猿パーティーと一緒ってどうなってんだ?」
他の冒険者がこっちをジロジロ見てるな・・・。言いたい放題言われてるけど、さっさと行こうか。後でマキにヨウチンぶっかけて治してあげないとな。
んで・・・?扉の前にいるのは・・・お前達は誰だっけ?何処かで見た事あるような・・・ないな!
「おいクソ猿!麻袋の命が欲しいなら、一人で東門外まで来い!」
麻袋・・・さんって誰だっけ?
「ユイちゃん・・ミヨさんが麻袋ですね」
おーユキちゃんありがとう!いつの間にかミヨが麻袋になったんだ?
「ユイちゃん違う事思ってるでしょ!ミヨさんが麻袋になったんじゃなくて、麻袋の中にミヨさんが入ってるの!」
おーミキちゃんありがとう!ミヨは器用に入ったんだな・・・麻袋に。
「犬公達!親衛隊隊長の前で誘拐か!?(スッパーン)」
ミキちゃん張扇ありがとう。マキは床で悶絶してろ。
「いいな猿一人で来い!三十分後に来なければ麻袋を殺す!」
別の日の冒険者組合一階食事処
「帰還一組、草海に行くんだって?」
あぁ帰還二組の班長、確か草海へ行ったんでしたね?罠を置いて狩りしてたって聞いたわ。
「草海に誰が作ったのか分からないけど、『巨人の天秤』ってのがあるぞ」
何ですかそれは?
「その横に宿泊施設もあるから、快適に過ごせるぞ」
え?草海に?冒険者組合の受付さんからそんな情報は聞いてませんね?疑うわけではありませんが何故あんな辺鄙な地に宿泊施設を置いたのでしょうか?
「まぁ行ってみれば分かるさ。但し!悪意ある行為は『天狗隠し』になるから気を付けて・・・」
「『天狗隠し』ですって?」
「あぁ、俺達と別のパーティーが草海で出会ったんだが、『巨人の天秤』を壊そうとして攻撃したら、攻撃した者が消えたんだ。更に宿泊施設内の物を持って帰ろうとした者も消えたんだよ。・・・要は悪い事をしたら消えるんだ。」
何それ・・・怖っ!恐っ!




