第三十八話 留守と今後
ミヨ・・・どっかで聞いた事のある名前だが、誰だった?忘れてるからいいや・・・。
隣に拠点を置くのか?流石、人が出来てるってか獣人だったな・・とりあえず手振で『どうぞ!』で良いか。
「おい猿!見えないだけにしては動きが良いな?喋れよ」
黒豹の子がいきなり襲って来たか。真っ直ぐ向かって右拳を俺の上腹部めがけて来たんだが・・・受けてやるか・・めんどくさいが。
「う゛っお゛ー!い゛っでー!」
・・・ん?ちょっと当たっただけで拳と手首を骨折したのか!?確かに『ゴキッ!』って折れた音はしたが、そう簡単に折れるものなのか?
「よくも仲間をーっ!」
「止めなっ!本当に血の気が多いね!このユイさんは、あの冒険者組合長と酔いどれ猩猩を倒してるのよ!お前達が勝てるわけないでしょ!」
「「「えっー!」」」
象の子が向かって来るのを止めた・・ミコだったか?ってか俺の名前って言ったか?まぁいいや。しかし冒険者組合長と鶏冠爺との事を知ってたんだな!あれは冒険者組合内で内緒だったはずだよな?
とりあえず黒猫君に水薬をぶっかけておくか。
「おー!おーーーー!治った!なんだぁーこのポーションはー!」
「リーダーとして謝罪と御礼をさせて下さい。仲間がご迷惑おかけした事、大変申し訳ありません。更に超高級ポーションまで使って頂きありがとうございます。お代は如何程に・・?」
代金とかは要らないから、仲間には二度と俺に喧嘩を売るなって言っておいてくれ。
なんだかんだあったけど、別班・・・ミコ班は隣に拠点を作って荷物を置き、全員で狩りに出掛けた。
さて・・・俺はどうするかな。とりあえず盗人等が来て荒らされるのは勘弁だから、魔法障壁を使っておくか。ミコ班の所もついでに魔法障壁をと・・。
それにしてもあの娘達はまだ速鳥を狩ってるのか?・・・あー狩ってるな。という事は・・・うーわ・・名前が書かれた札が速鳥の首にぶら下がって次元収納に入ってる・・・いっぱい。卵もあるけど・・・何トンの魔油檸酢が出来るんだ?・・・まぁ余れば売るか。でも売ったら食いしん坊のミキちゃんに怒られそうだな。
俺は・・・三万km程離れてる魔素溜まりのでっかい魔獣と遊ぶか?・・・ミキに『一人で面白い事しちゃダメよ!』って言われるから、一緒に行くか。とりあえずあの娘達が帰って来てからだな。
異空間牢獄
入獄から五ヶ月か・・。牢獄の生活にも慣れて作業も順調。孤独なのが少し寂しい。
お楽しみはやはり食事である。ここの食事は、今まで食べた事もない美味しい料理で、先日は今まで数回しか食べた事が無かった『唐揚げ』だった。唐揚は、においだけで私をノックダウンさせられる程の破壊力がある。アツアツのを噛めば、肉汁が口の中に流れ出し上質で濃厚な旨みが充満。ハフハフしながら食べられるのは幸せだなと思う。
この間は『一角豚肉のピッカータ』という料理を頂いたのも、美味しかった。薄切り肉を焼いて卵でコーティングされた後に、甘酸っぱいケチャップがなんとも絶妙なバランス!
断じてけしからん!こんな美味しい料理を食べていなかったとは・・・。
もうここから出られなくても良いとも思ってる。




