第三十二話 階級と禁忌
「と・と・とりあえず師匠、勇者登録をさせて頂きました。登録番号は四百二十九番になります。冒険者カードにも登録しましたので、何処の街でも問題なく使えます。後は冒険者階級を・・・ちょっと低いですが七段のS級まで上げ──」
「階級上げは駄目に決まってるでしょ!だいたい六級から七段って・・十二階級上げた事例なんてないんですよ!しかも冒険者組合長の私を差し置いて何言ってるんですか師匠!」
鶏冠爺と冒険者組合長は師弟関係だったんだな。ってかよ・・・ミキちゃんが大人しいなって思ったら、座ってるアスカちゃんの膝の上に座って、最高級の枕二つに挟まれてるのは何かのご褒美なのか?こっちも同じようにユキちゃんが俺の膝の上に座っているが・・隣が空いてるだろうが!
「でもよぉS級のワシが喧嘩であっさり余裕のよっちゃんで負けたんだぞ?しかも拳だけの勝負で・・・。あれで獲物やら魔法やら使われちゃ〜瞬殺だぜ?塵すら残っておらんぞ?ここはほれ、元冒険者組合長のワシの顔で何とかしろよ馬鹿弟子!前例がなきゃ〜作ればええんじゃ!」
結果としては、アスカちゃんの冒険者組合規則と正論に押されて鶏冠爺タジタジだったな。だけど一階級上の五級(F+級)に上がった。理由としては小鬼の巣へ依頼も受けずに討伐した事で減点、他の冒険者を救出した事で加点、全ての小鬼を討伐した事で加点になって、鶏冠爺の無茶な推薦によりって感じだな。
「馬鹿弟子は頭が固いのぉ」
「オパーイはプニプニで柔らかいよ?お尻も!」
「い・良いんです固くて!仕事ですからってミキちゃん、そこダメだって!」
何故かアスカちゃんの胸に飛びつくんだよな。確かにご立派な胸だからな。ユキちゃん・・・自分自身の胸を揉んで落胆しないように。
んじゃ勇者登録を済ませたから情報収集と依頼受けような。その前にユキちゃんの髪留めが雷魔法で壊れたから・・・これで良いか?ミキちゃんのとお揃いの白布で、各耐性をいっぱい付与した布だから丈夫だし大丈夫だな。
「ところで師匠、あの魔法のお話を聞かせて頂きたい。師匠が二人に何らかの魔法を使用したら、急に光出して強くなったのが分からんのです。これが公になったら世界戦争になりかねない魔法なので」
え?ただ気絶してた二人を起こしただけの魔法なのに?ってか師匠って誰よ?鶏冠爺を弟子にした覚えはないからな!
「そんな魔法が存在するんですか?」
アスカちゃんも当然知らないんだ。でもなんだったかなぁ、どの本に載ってたんだった?冒険者育成学校で読んだはず・・・忘れた!
「あぁ、確か古代魔法だったか言語魔法だったような・・・禁忌なのは間違いないはず・・・忘れた!」
椅子から落ちそうになるなよアスカちゃん。
「で・・・あれはなんという魔法でしょうか?」
・・・全員俺を見てる・・・ユキちゃん見上げるな・・・あ〜なんか変な汁が出てきたー!もうっ正直に言ってしまえぃ!
『【起床】を使うつもりが、間違えて【覚醒】使っちゃった!』




