第二十二話 調和と手紙
「お・ユイちゃん、ちょっと【転送】してくれる?(ゴニョゴニョ)私の首輪も外して?」
寝てたらミキちゃんが小声で【転送】して欲しいと言われたが・・・目の前の出来事がちょっと・・・全く理解出来てない。とりあえず【転送】。
「【転送】!ここでお仕置きしよっか!」
俺の左腕にいたミキが、俺の左耳と脳天に脚を掛け、拷問部屋に居たアスカちゃん、ユキちゃん、マキちゃん、筋肉隊三名、暗殺者五名に不敵な笑みで言い放ったな。ってかその姿勢は下着が見えるから辞めなさい!
んで?そもそも何があったんだ?アスカちゃん筆頭の冒険者組合員とユキちゃん筆頭の暗殺者が睨み合い。拷問室が狭いんだから外でやってくれって・・あ〜それで【転送】なのね!
「ミ・ミキちゃんが寝てるからって猿を拷問してたわけではないのよ?とっ!とりあえずお話させて欲しいかな?」
アスカちゃん、正座して滝のような汗流して説明する。筋肉隊も同じくアスカちゃんの後方で正座。
「はぁっ?何?この空間は!ちゔぃ(チビ)が空間魔法を使ったの?お前達!捕縛しなさい!」
ユキちゃん、暗殺者に命令する。静かにユキちゃんの前方に出て俺達に近付く。
「猿っ!よくも主と俺様に恥をかかせてくれたな!」
マキちゃん、二刀を抜きながら俺達に近付く。
「お・ユイちゃん?まだ石抱責に座ってるの?脚痺れても知らないよ?」
三者三様って言葉を思い出したな。一人は反省し、一人は命令し、最後の一人は立ち向かって来た。個性なのか性格なのか分からないが、大事な事だと思うけど相手が悪過ぎたよな。極飲極食極眠娘の『極風のミキ』だよ?俺でも相手にしたくない程・・いや面倒くさいだけだな。
「よくもまぁ私が寝てるのに『チビ』だの『貧乳』だの『猿』がどうのこうのとか、ちょっとキツめのお仕置きだね!」
「「「『猿』は関係ないじゃん!」」」
アスカ・ユキ・マキの完璧な調和だな。
「私が気に入らないからお仕置きなの!」
「「「自己中じゃん!」」」
二度目の完璧な調和だな。君達は俺と同じく突っ込みの才能があるんじゃないか?
「お前らだって自己中だろうがー!(スパーンッ!)」
ミキちゃん切れたな・・・あれじゃ全員血祭りっておい!また伝説の張り扇持ち出したのか!全員血の気が滝のように引いてるぞ!ユキちゃんと暗殺者組が一歩引いて、アスカちゃんと筋肉隊組は萎縮し・・・マキちゃん殺る気満々だな。
それはそれでミキが後始末すれば良いんだがよ・・・何で俺を伝説の張り扇で叩いた?しかも顔面・・・痛くないけど。
「先ずはアスカちゃん?コタゴリラの冒険者組合長が『猿は好かん』って言ってたよね!うちのお・ユイちゃんに騙されたの?それにユイちゃんに一度負けてるよね!後でじーっくり揉んであげる。正座してるご褒美よ!」
また揉むのか!アスカちゃん青ざめてるにも関わらず、筋肉隊達は正座で少し喜んでる?
「ユキちゃん?姉妹揃ってこれ以上の醜態は皇女としてどうかと思うよ?お・ユイちゃんに負けて更に私にまで負けちゃうよ?後で国王に報告と、ユキちゃんの為に貰った二刀は没収、隷属の首輪の設定を上げようかしら?首が飛んだらごめんね!後、暗殺者は他の二十七名と共に王都プティ・クリンチへ帰るように!何で皇女に着いて来ちゃったのよ?はいはい!全員正座!」
隷属の首輪にそんな設定が出来るのか!俺が知らないでミキちゃんが知ってるっておかしくない?ユキちゃんは顔を真っ赤にして、言いたい事を言えずに我慢してる様子だが・・・まぁ色々思う所があるんじゃないか?
「最後にマキちゃん?お・ユイちゃんに負けて更に負けちゃうよ?まぁその前に私がお仕置きするけどね!」
あれをミキが見てたのか?・・・まぁ金庫にマキちゃんが入ってるのを見たら分かるわな。マキちゃん、それでも前に出てくるか・・・ご愁傷様。
「△%?〇■▽!ッいっでぇ〜!」
結果、ミキちゃんにスパンスパン叩かれたマキちゃんは尋問室で転がってる。マキちゃんの二刀流は全くミキに当たらず空を斬り、伝説の張り扇だけが良い音で鳴り響いたな。それを見ていた全員が段々と青ざめて恐怖を感じたんじゃないか?ミキちゃん、後で極チンを飲ませてあげなよ?最後の股間に一発は俺でも同情するからな・・・。
「それでアスカちゃん?この不始末はどうするおつもり?」
部屋の外が騒がしいな。何かあったのか?
「ぎ・冒険者組合の規則通り降格します」
あっちゃー降格か・・・今後の活動に支障が出るよな。まぁ暫くはコタゴリラに滞在するから昇格試験も受けれるだろうし問題ないか。降格の理由は聞いておかないといかんな。
「ギルマス!転送魔法陣が起動しました!」
外が騒がしいと思ったら小柄な筋肉達磨が拷問室になだれ込んで言い放ったが、『転送魔法陣』がここにもあるんだな。筋肉達磨がアスカちゃんに手紙を渡して青ざめてるけど?
『ワシの可愛い娘アスカちゃんへ。そっちにユキちゃんを連れた二人組が明日位に到着するんじゃが、丁重に対応してくれんかのぉ。実はな内緒の話なんじゃが、スライム率いるゴブリン共に王城を乗っ取られてしまってのぉ、もう少しで王都が制圧され全員が殺されるところじゃったが、ユイ殿とミキ殿に救われたんじゃ。ワシももう少しで逝くところじゃったな。その話は後日するとして、ユキちゃんと喧嘩しない為に肉鎧を送るから変装して対応しなさい。くれぐれも二人を不快にさせないようにしなさい』
「はーーーーーっ!?もう不快にさせてるわ!」
アスカちゃん、手紙読んでからの発言がそれか!ってかアスカちゃんとユキちゃんは姉妹!知らぬは俺一人か・・・。
「し・しかし冒険者組合の規則は遵守します。依頼以外の上位階級依頼を行った危険行為、ゴブリンの巣穴でギルド職員への暴行及び拉致監禁により二階級の降格とします!札を出して下さい!」
アスカちゃんが涙目で言い切ったな。思う所もあるだろうな。
「アスカちゃん、強くなったね!お友達として誇らしいよ・・・だけど後で揉むからね?とりあえずギルドカード二人分を渡し・・・おに・ユイちゃん?国王からの手紙がまだここにあるんだけど・・・渡してなかったの!?」




