第十七話 皇女と得物
「大当たりを要らないとは・・・どうするかのぉ?」
「おっさん!厄介払いしたいだけじゃないの?大当たりでこれ(皇女)はないって!面倒なのは私だけで十分だって!」
「んー!ゔーっ!んんーっ!」
状況としては、俺が選んだ一番小さい宝箱には、死刑死刑って煩い皇女殿下が俺の作った服を着て猿轡に両手両足を縛られた状態で宝箱に入ってた・・・。閉めたのに中から自力で開けたのね?おっさんもこれ(皇女)を大当たりっていうのはないと思うし、流石にこれ(皇女)は要らないぞ?俺が嫌われてるのは構わないけど、後ろからブスリと刺されそうだから勘弁してほしい。ミキの言う『厄介払い』ってのは、おっさん自信が甘やかした結果で、俺達に押し付けようというのは良く分かるんだが・・・『面倒なのは私だけで十分』って、面倒って分かってるならするなよ!
【自覚あるなら自重しろ!】
・・・名言として記録しておこう・・・。
「困ったのぉ、これ(皇女)の首に付けてある首輪じゃが従属の首輪でな、お主の従者に設定してあるんじゃ。解除は我だけが知ってる。これ(皇女)が命令も無くある一定の距離を離れたりしたら『ボンッ』なんじゃが・・・困ったのぉ」
「ゔーっ!ゔー!んゔっ!」
おっさん!自分の娘に何してるんだ?ってか『これ』扱いで良いのか!娘の首を飛ばすのか!
娘・・・泣いてるのか怒ってるのか分からんぞ?その表情は。
「これ(皇女)を持って行ってくれたら、国王として【ハンター】の資格と商業ギルドの加盟を授与するぞ?爵位の代わりだのぅ」
「んー!んんっ〜!ゔーっ!」
は・【はんたぁ】って何だ?頼むから俺に分かるように説明してくれ!
娘・・・んー怒ってるのか?
「お・・ユイちゃん、【ハンター】っていうのは【狩人】って意味で、冒険者の上位になるんだよ。お国が管理してるから、悪い奴ら・・例えば領民を虐める悪いお貴族様をぶっ飛ばして引き渡せばお金ガッポガッポなのよ!商業組合の札があれば、冒険者組合に買取してもらうより商業組合の方が高値で売れるわよ!でもね・・・凄く魅力的な話しなんだけど・・・これ(皇女)どうする?」
「んー!んんんー!ゔーんーんー!」
もう人差し指で『これ(皇女)』を指してやるなよ。怒り心頭な娘から悲しみのどん底な娘になってしまったぞ。半泣き・・・いや、まだ怒ってるな?
「おーそうじゃ良案があるぞ!お主達、コタゴリラのギルドマスターに勇者申請したが却下されたらしいな?そこでじゃ!これ(皇女)を勇者にして申請してみるのはどうじゃ?これ(皇女)もその辺の冒険者よりは強いからのぉ。推薦状も書いてやるぞ?」
それは良案だな・・・っていうかおっさん、本当に厄介払いしたいのと、これ(皇女)が勇者になるって事はお国の経済活性化活動に利用しようと考えてるな。それに・・・流石に助けたのに首が飛ぶのは勘弁してほしいからな。まぁ面倒臭いけど引き取るか・・。
『了承』
「ん〜!」
「「「「「おー!」」」」」
「さグッ!ちギィ!私に付いて来れば魔王の十匹や二十匹くらい楽勝よ!」
おっさんの娘・・勇者って言葉に弱かったのか?ってか『さグッ』と『ちギィ』は・・・あ〜!『猿』と『チビ』って言いたかったけど、首輪が締まったからまともに言えなかったんだな!・・・そう言えば名前を名乗ってなかったな。おっさんも娘も名前は知らんな。まぁ後で良いや。
んで、今向かってるのが宝物庫。ミキがお宝を三つ貰えるんだったな。先頭がおっさんの娘、おっさん、俺達・・・ミキは相変わらず俺の頭の上・・・小躍り中。
「お父様!私にあの剣を譲って下さいね?」
「この御仁に試合で勝てばな」
俺?承諾した覚えはないぞ?
「は?荷物持ちのさグッですって?楽勝過ぎるわ!一瞬で勝ったら首輪を外して頂きますわよ!死刑よ死刑!」
「良いだろう」
だから承諾した覚えはないんだって!
「ここだ」
ここが宝物庫か。謁見の間も大きな扉だったが、この扉も大きいな。おっさんが扉に手を押し当て、ゴニョゴニョと呪文?を唱えると施錠が外れた音がして開いたな。中に入ると剣や盾や防具、宝石や魔導具等の品物がいっぱいだな。
「欲しいのを三つ選ぶが良いぞ」
「おっさん!ありがとう!【検索】」
ミキ・・目が血走ってるぞ?強欲か?ここで検索するのは淑女としてどうなのよ。
「これはお高いわね!こっちも良い品!」
女の子の買い物は時間が掛かる・・買い物じゃなかったな。ゆっくり考えて後悔しないようにな。
俺も見てみるか。これといって欲しい品物は無いな・・・ん?一番奥にあるのは・・・布が被せてあるけど槍か?違うな・・・。
「気になるのか?お主が使えるならタダで持っていけ」
とりあえず布を取るか・・・これは薙刀か?薙刀なら片刃だし・・・槍なら穂が長くても六十cm・・・まさか矛か?刀身が約百cm、柄が約百五十cm。しかしこの刀身は両刃だけど、片方は約百cmでもう片方は約七十cm。しかも分厚い・・・三寸(約九cm)・・いかん!ミキに怒られる・・約九cm。刀身と柄の根元に鎖が付けてあるのは何だ?まぁとりあえず持ってみるか。
・・・一瞬光ったよな?持った瞬間光ったよな?あれ?誰も見てない?・・・まぁいいや。
意外に軽いな。取り回しも問題なさそうだと思う・・・宝物庫の中で振り回すのは良くないから、後で試すとしよう。ってか貰って良いの?
「お主はこの矛を軽々と持てるんじゃな!持っていけ。他の者はこの矛を欲しがらないのじゃよ・・・物凄く重いし切れないからの」
え?重くないぞ?ってか逆に軽い感じだからな?それに切れないって・・・こんな見事な刃が?
「切っても外傷は全くないが・・・物凄い激痛に襲われるそうじゃ。それでも良ければ持っていけ」
おっさんありがとう!
『ユイは矛を手に入れた!(ミキ!こんな感じで書けば良いのか?)』




