第十六話 褒賞と宝箱
翌日の謁見の間。
「天使の使いであるメッセンジャーのスライムを始末出来ず、取り逃した罪により死刑よ!」
いきなり死刑宣告してきたのは、綺麗な衣装を着たおっさんの娘。まさかおっさんが国王陛下で、娘が皇女殿下だとは思わなかった。ってかおっさん!俺が作った服をまだ着てるのか!国王なら国王らしい衣装があるだろう!どう見ても鳶職の棟梁にしか思えないぞ・・・俺が似合いそうだと思って作って着せたから何も言えないか。そのおっさんが国王の椅子に座ってニタニタしてるのがちょっと笑える。んで?おっさんの隣に娘が仁王立ちして腕を組んで薄そうな胸・・・あれ?昨日より大きくないか?上げ底してるんじゃ・・まぁいいや、皇女も皇女でニタニタしてるんだな。何が可笑しいんだ?
この謁見の間には兵士が二十人に偉いさんが十二人と国王と皇女・・・後、隠れてるけど十五人が柱の影や天井、シャンデラの上に居るな。
「国王陛下の御前で仁王立ちってありえない!お父様、即刻死刑にしましょう!」
・・・仁王立ちしてるのは俺じゃなくて、俺の頭の上に立ってるミキなんだが?まぁ俺も立ってはいるが・・・。
「ユキよ、命の恩人に言う台詞か?お主は暫く外しておれ!衛兵!連れて行け!」
「こんな連中が私達を助けたってのは嘘だわ!お父様騙されないで!何かの間違いだわ!何で私が出て行かないといけないのよ!お前達離しなさい!お父様?お父様ー!」
面倒臭い娘が連れて行かれたな。何で死刑死刑って煩い事を言うのかが分からないし、俺はモニエ(猿人族)だけど何もしてないよな?したとしたら助けたぐらいか?まぁいい、おっさんの話しを聞いて報酬貰って帰るか。
「さて、先ずはこの国を救ってくれた事を感謝し報酬を授与しよう。本当にありがとう」
席から立ってこちらに歩きながら感謝され、最後には俺と握手をするか。やっぱり改めてお礼を言われるのはちょっと恥ずかしいな。
「おっさん!早く報酬ちょうだい!」
今おっさんを踏もうとしたな?まぁ未遂だったから良いや。国王と分かってるのに同じ態度で接するのが凄いな。
「お前達!国王陛下に無礼であるぞ!」
ザワザワ五月蝿い連中だな。俺はこういう雰囲気が嫌いなんだわ。早く報酬くれないかな?
「お前達こそ無礼であろう!国の危機を救ってくれた者達に言う台詞か?暫く黙っておれ!」
流石おっさ・・国王だな。一喝で黙らせたな。
「そ・それでは今回のゴブリン討伐と国王陛下救出の褒賞金の授与を行います。」
静寂の中報酬を貰ったのは良いが、一部納得のいかなそうな人もいるよな?まぁ当然か!小鬼が取り付き精神支配を受けてたし、解放された後も何が起こったのか分からない人も多いからな。それに俺が言うのも変だが、何処の馬の骨か分からない冒険者が国を救ったっていうのは出来過ぎだからな。
「続きまして、爵位の授与を行います。この功績をた・・」
「爵位いらない。面倒臭いし」
またザワザワ五月蝿い連中だな。ってか爵位があったら得な事があるのか?ミキが面倒臭いって言うなら面倒臭いんだろう。
「貴様!国王陛下の決定に何を申すか!」
「大臣よ、まぁ良い。この者達を試す為の事だったから問題あるまい。面倒臭いとは流石《極風のミキ》じゃな」
周りは知らなかったみたいだけど、おっさんはミキの事を知ってるんだな。
「おい!例の物を持ってまいれ」
後ろの扉から入って来たのが、三つの宝箱だが・・・大中小って昔話だったら葛篭だな。一番小さいのでも一遍二mで、中が一遍四m、大が六m・・・大の宝箱ってミキが余裕で住めるよな?ってかそんなに大きい宝箱って必要なのか?
「お主達どれを選ぶかの?当たりと大当たりしかないから安心せい。一人に一つじゃぞ?」
「んじゃ〜私はこのちょーでっかいのー!」
ミキは一番大きい宝箱か、俺はどうするかな?小さいので良いか。
「お主達は面白いのぉ、どうだ二人共家臣にならぬか?」
面倒臭いおっさんだな。俺達は姉妹を探すからこの国に留まる事が出来ないんだよな。
「嫌よ!それよりも早く開けてよ!」
ミキの大きい宝箱は、看板に『大当たり!宝物庫のお宝三つ』と書かれてた。看板だけならこんな大きな宝箱を準備する必要があったのか?気分的な話しだろうけど、開けるのも一苦労だぞ?家臣が・・・。まぁミキは喜んでるし、後で宝物庫に案内をしてくれるんだが、俺の頭の上で飛び跳ねるのは止めて欲しい。
俺の小さい宝箱はおっさんが『開けてみよ』って言うんで開けたが・・・俺とミキは宝箱の中を見て直ぐに閉じた。
「大当たりを引いたのぉ!」
「要らないって!」
『要らない・・・』




