第十一話 汚猿と魔力
「汚い猿と書いて汚猿と読むが私の目の前に居る?!けがわらしい!」
「箱入り娘で申し訳ない・・・」
いきなりの言動だな。
「お父様?汚猿ごときに謝罪なんてありえないわ!・・え?助けてくれたですって?いやいやありえないわ!仮に助けてくれたとしても、高額な報酬とか国宝や伝説級の品物を要求してくるに違いないわ!即刻処刑するべきだわ!」
おっさんの娘が目を覚まし、助かったと思った途端に上から目線で威嚇する態度と言動。傍若無人だな。
それにしても『汚猿』とは上手い表現だな!って言っても俺は綺麗好きだから汚くはないぞ?更に言うと、俺達以外がお金に汚いぞ?この世界は盗賊・強盗・恐喝・詐欺等がめっちゃくちゃ横行してるからな。
「それに何、このセーラー服。こんな安っぽいのを着させるなんて頭大丈夫?それに私の素肌を見たんだから死刑確定!」
あ〜あぁ・・その服、ミキちゃんの要望通りに俺が作ったんだが・・・。
「小娘!嫌なら全部脱げ!」
「は?着る服がないから着てあげてるんじゃないの!チビのくせに生意気ね!お前も死刑確定ね!」
俺頭痛くなってきた・・・。ミキちゃんここで暴れるのか?めんどくさいからお外でやって来なさい・・・ってここ牢獄だったな。
「おに・・ユイちゃん!剥いて良いわよ!」
やっぱ俺か・・・。
ボロボロの麻袋を着てる・・いや被ってる、おっさんの娘がおっさんの牢獄の隅っこで三角座り中。
「ありえないわ・・何が起きたのか分からないなんて・・・忘れなきゃ忘れなきゃ忘れなきゃ・・・」
傍若無人ぶりな娘が、今じゃ忘却無人か?
ミキちゃんから服を元に戻してって事だったから着せ替えたけど、娘は全く気付いてなかったな。結構ゆっくり着せ替えしたんだけど、瞬きよりは早かったらしい。
流石に娘が被ってた麻袋は雑でゴワゴワしてたから、多少着心地良くはしたけど・・・気付いてなさそうだな。
さぁこの後はどうするかね?そろそろミキのご飯かな?
「おっさん!肉食べ過ぎ!」
ミキよ・・これだけあるんだから問題ない。文句言わずに野菜もたんと食べな。おっさんは・・味わって食べてるな、良かった。
「これは!」
おっさんどうした?嫌いな物あったのか?
「グレートブラックホーンバッファローの肉か?昔に何度か倒して食した事がある。上質な霜降りで最高級・・・しかし魔力値が異常に高いのは何故か・・・?」
あぁ魔力値って鮮度みたいなものだったか?魔物・魔獣の体内魔力が討伐した事により外気に触れて魔力が漏れ出し枯渇するんだったな。肉の品質としては変わらないが、内包する魔力値が雲泥の差・・要は魔力値の鮮度。魔力値の高い食材を食べる事により自身の力や魔力等が上がり強くなるんだな。
俺の場合、討伐してから解体収納は早いし、空間魔法は時を操れて使いやすい。時が止まっていれば何時でも何処でも新鮮な状態で取り出し、取引や調理が出来るからな。
それにしてもおっさん、良く分かったな。
「少し尋ねるが、『神』の存在は知っているか?」




