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僕は異世界の君に恋をした。  作者: リアラフ
ドリュアス森林編
36/126

#36〜魂と器〜

黒騎士さんから告げられた”終焉の神オメガ”と”誕生の神アルファ”、この2人の元々の存在が、原初の神の1人である”創造を司る神クリアラス”だったという事実…。

そして”知恵の実”を与えられたアダムとイヴを媒体にした事によって神に匹敵する程の力を有してしまったホムンクルス達…でもなぜ”創造を司る神クリアラス”はアダムとイヴに”知恵の実”を与えたんだ?それにアダムとイヴを媒体に生み出されたホムンクルスよりも、実際に”知恵の実”食べたアダムとイヴの方が神に匹敵する力を持っていそうなものだけど…。



「まさか神様が元々原初の神の1人だったとは思いませんでした…。」


「神々の長い歴史の中でもこの事実を知っているのは限られた者だけだ…。」


「限られた者だけしか…知らない事実…。」



限られた者だけしか知る事の無い歴史の1ページを知っている黒騎士さんって一体何者なんだ?

その素顔もとある理由で見せる事は出来ないと言っていたし…ある人物からの頼みで僕達を手助けに来たと言っていたけど…謎が深まるばかりだ。



「”知恵の実”を食べたアダムとイヴは”知識”の他に”善悪の心”を手に入れると自分達で物事の判断をするようになった。これを見て”創造を司る神クリアラス”は人間に可能性を見出し、人間だけが住む世界を創りその成長と発展を見届けたいそう思うようになった。そしてこの2人を媒体にホムンクルスを生み出す少し前に”創造を司る神クリアラス”は自身の”創造”の力を使ってある物を生み出してそれを2人の心と同化させた。」


「ある物?」


「”サピエンス・ラピス”…。」


「サピエンス…ラピス…?」


「別名”賢者の石”だ。」



”賢者の石”

その名は僕が元居た世界でアニメやゲームの世界でもよく耳にした事がある。

確か、非金属を金や貴金属に錬金する事が出来たり、人智を越えた力を秘めておりその石を巡って争いが起きたりこの石を求めて冒険に出たりと色んな物語でキーアイテムとなっている。

空想上の物がまさかこの世に存在していたとは…。



「”創造を司る神クリアラス”は、自身の力の一部を”賢者の石”として生み出すとそれをアダムとイヴの2人の心に同化させる事で人間にも魔力という力を授けた。そして”知識”、”善悪の心”、”魔力”を手にしたアダムとイブを媒体にホムンクルスを生み出しそれぞれの世界に役割を与えられた神々と送り出された。しかし”知恵の実”と”賢者の石”手にしたアダムとイヴ、…この2人を媒体にした事によりホムンクルスは2人分の力を掛け合わせた脅威の存在になってしまった。」


「じゃあ…アダムとイヴの2人の力を掛け合わせたからホムンクルスは神に匹敵する程の力を手にしたって事ですか?」


「その通りだ。そしてその事実を知られてしまった”創造を司る神クリアラス”は、この惨劇の責任を問われ”秩序を司る神コスモス”と”混沌を司る神カオス”、そして神々の中で孤高の存在として君臨した神柱の1人”ユーデュチュム・デュデウス・オーディン”によって裁かれ”罰”を与えられた。」


「罰…?」


「その”罰”とは”創造を司る神クリアラス”の存在の抹消だ。」


「存在の…抹消……?」


「”秩序を司る神コスモス”と”混沌を司る神カオス”、そして神柱の1人のオーディンが”創造を司る神クリアラス”に与えた”罰”はただ存在を抹消するだけじゃ無く、その”罰”には真の目的があった。それが創造を司る神クリアラス”の魂を本体から抜き取り、魂を抜き取られた肉体は二度と復活出来ぬよう冥界の炎で処分し、その抜き取った魂を2つに分離して別々の意思を持たせ自分達に従う新たな神を誕生させる。これが3人が考えた”真の罰”だった。」


「酷すぎる…いくらホムンクルスが神に匹敵する程の力を得た原因を作ったのがクリアラスさんだったとしても、”ホムンクルス大戦”を引き起こしたのは、ホムンクルスの力に嫉妬したコスモスとその力に魅入られたカオス、そしてこの2人の思想に賛同した他の神々じゃないですか!!それを…何でクリアラスさん1人に罰を背負わそうとしたんですか…」


「………。」



あまりにも酷すぎる内容に僕は”神”という存在に疑問を抱いてしまった。

これが神がする事なのかと…原初の神だから……神柱だから何をしても許されるとでもいうのか?



「そして”真の罰”の執行が行われようとしたその日、1人の神と2人の人間がそれを阻止しようと動き出した。その神が神柱の1人である全知全能の神”ゼエデュ・リヴ・ゼウス”とアダムとイヴだった。その3人は他の神々の猛攻を振り切り執行が行われる執行の間に到着するが、魂は肉体から抜き取られその魂は既に2つに分離していた。3人は”秩序を司る神コスモス”と”混沌を司る神カオス”、そして神柱の1人オーディンと対峙しながら分離した魂の1つをアダムとイヴが、そして神柱の1人ゼウスが”創造を司る神クリアラス”の肉体をその場から何とか持ち出す事に成功した。」


「良かった…クリアラスさんの肉体も無事に救出する事が出来たんですね。」


「あぁ。でもここで1つだけある問題が3人を襲った。」


「ある問題…?」


「分離した魂の1つを肉体に戻しても”創造を司る神クリアラス”は目を覚ます事は無かった。つまり分離した魂2つを1つに戻して肉体に還す事でしか”創造を司る神クリアランス”を目覚めさせる事は出来ない…。そして分離した魂は不安定で、時間が経過していくうちにその力は徐々に弱まって行き最終的には消失してしまう。」


「そんな…」


「徐々に弱まっていく魂を見て3人はある事を思い付きそれを実行した。それが人間を器にして分離した魂と融合させ魂の消失を防ぐ事、そして神であるゼウスが”創造を司る神クリアラス”の肉体を誰にも奪われるように死守する事だった。そして人間を器にして分離した魂と融合させて誕生したのが”終焉の神オメガ”だ。」


「じゃあ…その器になった人間っていうのは…」


「原初の神によって生み出された最初の人間の1人…”イヴ”だ。」

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