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僕は異世界の君に恋をした。  作者: リアラフ
ドリュアス森林編
35/126

#35〜1つだった存在〜

”終焉の神オメガ”と”誕生の神アルファ”が誕生するきっかけになった神々の戦い…その戦いの内容がまさかの人間を賭けた戦いだったとは…。



「人間を賭けた神々の戦い…ですか? それにホムンクルスって…。」


「原初の神の1人”創造を司る神クリアラス”は、自分達が生み出した2人の人間にとても興味を抱いていたと同時に人間に可能性を見出していた。そして”創造を司る神クリアラス”は他の原初の神3人にある提案をした。」


「提案…?」


「その提案というのは”人間が住む世界を創る”という事だ。」


「人間が住む世界…じゃあ僕達が今居るこの世界って…」


「そう、君が思っている通りこの世界は原初の神によって創られた世界の1つ。そして”創造を司る神クリアラス”以外の3人の原初の神もその提案に同意し、君が元居た世界と今居るこの世界を含む”5つの世界”を創造した。」


「僕が元居た世界もですか?」


「あぁ。」



僕は黒騎士さんの話しを聞いてある事に納得してしまった。

僕が居た世界と今居るこの世界を創った原初の神の存在が同じで、少なからず何らかの繋がりがあるのならこの世界に僕が転生出来る事も可能という訳だ。



「そして4人の原初の神は最初に人間が住む世界を5つを創造し、次にその世界に住まわせる人間達の創造に取りかかった。4人の原初の神は自分達が最初に創造した2人の人間をオリジナルとしてそれを媒体にして多くの人間…ホムンクルスを作り上げた。そして、5つの世界に平等に住まわせ他の神々にそれぞれの世界でホムンクルスを導く使命を与えその行末を見守ろうとしたのだ。」


「ホムンクルスの元になったオリジナルの人間の名前って…」


「”アダム”と”イヴ”だ。」



やっぱり…。

僕が居た世界でも”アダム”と”イヴ”は神によって創られた最初の人間とされている。



「そしてある時を境に神の中にホムンクルスを危険視する者達が現れた。」


「危険視?神がホムンクルスをですか?」


「あぁ。ホムンクルスは神が思ってる以上に凄まじいスピードで成長して行き、次第に自分達で考え行動し、神の助言が無くても文明を発展させいつしか神の力に迫る程の力を身に付けていった…。それを問題視する神の声についに2人の原初の神、”秩序を司る神コスモス”と”混沌を司る神カオス”が動き出した。」


「コスモスとカオスが…」


「”秩序を司る神コスモス”はその身に余る力をホムンクルスに持たせてしまっては均等が崩れてしまう事を恐れて、ホムンクルスに”枷”を施し力を制御しようと提案した。そしてもう1人の原初の神である”混沌を司る神カオス”はその提案に反対し、その力を自分の欲望の為に使おうと計画を企てた。そして他の神々も次第にこの2人の原初の神を中心とした2つの派閥、”秩序勢”と”混沌勢”に分かれ、ついにホムンクルスを賭けた戦い…”ホムンクルス大戦”に発展してしまった…。」



この世界に転生する前に神様が言っていた、『とある理由で僕が居た世界では全ての人間に”枷”が備わって本来の力は抑えられている。』という”理由”とはこの事だったのか。そうなると全ての人間に”枷”が備わっているという事は、この”ホムンクルス大戦”ではコスモス側の”秩序勢”が勝利したって事になるのだろうか?僕はその事を黒騎士さんに聞いてみる事にした。



「この世界に転生する時に神様も言っていました。人間本来の力はとある理由で”枷”が施され本来の力が抑えられているって…。”枷”が施されているという事は、この大戦はコスモス側の”秩序勢”が勝利したって事になるんですか?」


「いや…この戦いに勝利した者は誰もいなかった…。」


「えっ…?」


「この大戦は神とホムンクルス、そして5つの世界を巻き込んだ大規模な大戦に発展し、この大戦で神とホムンクルスの多くの命と1つの世界が犠牲になった。君が居た世界にも誰が何の為に作ったのか分からない古代の遺物があるだろう?あれはこの大戦の時期に存在していた古代兵器や当時の文明が崩壊した物だ。確か君の居た世界では”オーパーツ”と言ったかな?」



まさか元居た世界に存在していたオーパーツが、この大戦の時に使用されていた古代兵器や当時の文明の遺跡だったとは…。そしてこの”ホムンクルス大戦”が思っていた以上の規模の大きさに僕は言葉を失ってしまった。



「1つの世界が犠牲になった事を重く見たコスモス率いる”秩序勢”とカオス率いる”混沌勢”は、ここで一時休戦に入り、なぜホムンクルスが神に匹敵する程の力をなぜ得る事が出来たのか、その原因を探る事に今度はシフトして行った。」


「それでホムンクルスが神に匹敵する程の力を手にした原因は何だったんですか?」



黒騎士さんは空を見上げるとどこか遠くを見ながらこう言った。



「原因は”アダム”と”イヴ”にあったんだ…。」


「”アダム”と”イヴ”に?」


「原初の神が最初の人間を生み出してしばらくした時、1人の原初の神が他の神に気付かれないように”アダム”と”イヴ”にある物を与えた。」


「ある物?」


「”知恵の実”だ。そしてその実を食べた”アダム”とイヴ”は日に日に知識を得て成長して行った。凄まじい勢いで成長する”アダム”と”イヴ”に知恵の実を与えた原初の神は、人間に可能性を見出してある事を思い付いた。それが人間が住む世界を創る事だった。」


「じゃあ、”アダム”と”イヴ”に”知恵の実”を与えた原初の神って…」


「”創造を司る神クリアラス”…。そしてこの”創造を司る神クリアラス”こそが”終焉の神オメガ”と”誕生の神アルファ”の元々1つだった存在だ。」

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