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僕は異世界の君に恋をした。  作者: リアラフ
ドリュアス森林編
30/126

#30〜破壊神と黒騎士〜



漆黒のオーラを纏ったハルト様は以前の優しいハルト様とは全くの別人となっていた。



「我は破壊神なり!!貴様の命を滅してやる!!!」


「たかが覚醒したくらいで何をなまイッ…」



ベルゼブブが反論しようとしたのも束の間、

破壊神と化したハルト様は圧倒的なスピードで一瞬にしてベルゼブブの懐に入ると剣を2本クリエイティブし、ベルゼブブの鉤爪で貫かれた場所と同じ場所に具現化した剣を2本突き刺すとそのままの勢いで精霊樹ドリュアスの麓まで行き地面へと勢いよく突き刺した。



「グハッ…!!」



地面に串刺しになったベルゼブブを見てニヤリと笑みを浮かべると、

次は両手にガントレットを具現化し身動きが取れないベルゼブブに一方的に拳を打ち続けた。



「クハハハハッ!!!堕天使は悲鳴を上げないのか?」


「グフワァッ……」


「忍耐力だけはあるようだな。ならば悲鳴を上げるまで痛めつけてやるわ!!」



そう言うとハルト様はベルゼブブの腹部に突き刺した剣を2本抜き取り、

ベルゼブブの首を掴むと魔法陣を展開させ剣を突き刺した腹部に治癒魔法を施した。



「どうだ?これで痛みは消えただろう?」


「なぜだ…なぜ魔力を使用する事が出来る…?」


「そんな事知った事か…。それより少し遊んでやろう貴様の力を我に見せてみろ。」



ハルト様はベルゼブブを宙に放り投げるとその場で腕を組み、

ベルゼブブが自身に攻撃を仕掛けてくるのを待っていた。



「言わせておけば…!この私に本気を出させた事を後悔してももう遅いですよ!!」


「ほう。その言葉期待しているぞ?」



ベルゼブブは巨大な魔法陣を展開するとその中に自身の膨大な魔力を注ぎ始めた。

魔力を注がれた魔法陣は次第に泥沼のように波を打ち始めると、その中からアンデット兵士やドラゴンゾンビなど数多くのアンデットモンスターの軍勢が冥界から呼び出されたかのように出現した。



「クククッ…いくら覚醒して『Ω』の力を使えるようになったとしてもこの数を相手にするのは貴方でもキツイのではありませんか?」


「………」



ハルト様はベルゼブブが魔法陣から召喚した数多のアンデットモンスターを目の前にしても全く動揺せず呆れた表情を浮かべていた。



「くっ…。そんな態度をとっていられるのも今の内です!! さぁ私の可愛いアンデット達よ!!目の前にいる目障りな人間に制裁をくれてやりなさい!!!」



ベルゼブブの呼びかけに反応したアンデットの軍勢は呻き声を上げる。

まず初めに先陣を切ったのはアンデット兵士でアンデットとは思えないスピードで武器を構えながらハルト様目掛けて進軍を開始した。



「グオォォォォォ!!!」


「数で勝れば勝負に勝てると思っているとは…まさに弱者の考えだな…」



ハルト様は右手をアンデット兵士に向けて構えると魔法陣を展開する。



「消えろ…。」



その言葉と共に魔法陣から漆黒の炎がアンデット兵士目掛けて放たれると、

一瞬にしてアンデット兵士の軍勢を焼き払い辺り一面は漆黒の炎の海へと変わった。

次にハルト様は槍をクリエイティブした。具現化したその槍に魔法陣を展開して上空に放つと、一瞬にして同じ槍を何千も上空に召喚させ狙いを後方で構えていたドラゴンゾンビに定めた。



「貴様の可愛いアンデット達もこれで終わりだ。」



そう言うと上空に召喚した何千もの槍に漆黒の炎を纏わせドラゴンゾンビに向けて放った。



「グオォォォォォォ!!!!!!」



漆黒の炎を纏った何千もの槍がドラゴンゾンビを貫き漆黒の炎で焼き尽くして行く…。

焼き尽くされたドラゴンゾンビは骨1つ残っておらず影さえも焼き尽くされていた。



「そっ…そんな…私の可愛いアンデット達が一瞬にして…」



ベルゼブブは圧倒的な力を見せつけられ腰を抜かしその場に倒れ込んだ。

絶望するベルゼブブの元へハルト様は地面に落ちていたマテリアルウェポンを手に取ると、ベルゼブブの元へゆっくりと近付きながら語りかけた。



「堕天使の力…こんなものか…。」


「あっ…あぁ……」



堕天使サタンが率いるリベリオン軍の”堕闇の守護者ベルゼブブ”

かつて卑劣な行為で虐殺を繰り返し、”残虐の天使”とまで呼ばれた男が今は戦意を失い目の前の敵に命乞いをし哀れな姿を晒していた。



「嫌だ………助けて…死にたく無い…こんなはずじゃ無かったんだ……お願いしまうぅぅぅ!!」


「この後に及んで命乞いと…どこまでも癪に障る奴だ。」


「おっ…お願いします…」



命乞いをするベルゼブブの言葉に耳を貸す事は無く、ハルト様は手にしていたマテリアルウェポンに死神を連想させる巨大な鎌を具現化すると漆黒の炎を纏わせベルゼブブの首目掛けて勢いよく振りかざした。



「滅せよ」


「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」



破壊神と化したハルト様の姿をこれ以上見るに耐えなかった私は、

ハルト様が巨大な鎌をベルゼブブの首を目掛けて勢いよく振りかざした瞬間視線を逸らした。



……




………




…………




……………




…………………




辺り一面が静寂な空気に包まれる中逸らした視線を恐る恐る戻すと、

そこにはハルト様が勢いよく振りかざした巨大な鎌を七色に光り輝く大剣で受け止める漆黒の鎧を纏った人物の姿がそこにあった。



「貴様…何者だ?」


「やはり”アイツ”の言っていた通り来て正解だったな。」



漆黒の鎧を纏った人物は七色に輝く巨大な大剣を軽々と上空目掛けて振り上げると、

受け止めていた巨大な鎌をなぎ払いこう言った。



「我の名は黒騎士!お前を闇から救う者だ!!」



そう言うと黒騎士は破壊神として覚醒したハルト様目掛けて、

七色に輝く巨大な大剣を振りかざしたのだった。

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