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僕は異世界の君に恋をした。  作者: リアラフ
ドリュアス森林編
28/126

#28〜計画〜

マーガレットとレヴィアタンが死闘を繰り広げている中、

僕はマテリアルウェポンを握りしめベルゼブブに勝負を挑んでいた。



「さっきまでの威勢はどこへ行ったのですか?あれから1度も私に攻撃を与えられていませんよ?」


「くっ…」



ベルゼブブの言うとおり僕はあれから一撃も攻撃を与えることが出来てい無い。

半年間ジャバルさんの元で修行を見てもらい少しは戦えるようになったと思っていたが、現実はそう甘くは無かった。

しかも相手にしているのは堕天使サタンの守護者…つまり”神”だ。力の差があるのは分かっていたが想像以上だ…。

ジャバルさんに教えてもらった通りに間合いを詰めて攻撃しても、ベルゼブブはそれを軽々とかわしては距離を離されてしまう。



「まるでなっていませんねぇ…。そんな攻撃をいくら続けたところで私に傷一つ付ける事は出来ませんよ?」


「そんな事やってみないと分からないだろ!!」



明らかに挑発されている事は重々承知している。それでも僕は諦めるわけにはいかない。

”神”に挑む事がどれだけ無謀と分かっていてもマーガレットは僕を信じてくれた。

それにレヴィアタンの言動と行動を見る限り、彼女はきっとベルゼブブに何らかの方法で操られているに違いない。それにベルゼブブがマーガレットに言った『あの時のように殺すか殺されるかの選択しか無い』という台詞…マーガレットは以前にも今と同じ状況に陥った事がありどちらかの選択を余儀なくされたという事だ…。

そんな卑劣な選択をマーガレットにもう一度させようとするベルゼブブが僕は許せなかった。



「うおぉぉぉぉ!!!」



僕はマテリアルウェポンを握りしめベルゼブブ目掛けて走り出す。

ベルゼブブは僕の能力を完全に把握していない。目の前でクリエイティブして見せたのは、今具現化している”ブレード”の部分だけで僕が”他の物”をクリエイティブ出来る事をベルゼブブは知らない。



「貴方も懲りませんねぇ…。」



ベルゼブブは僕が”また”同じ戦法で来ると思っているに違いない。

ならばこれを逆手に取って、相手が油断している隙を突く事が出来ればベルゼブブに攻撃を与える事が出来るかもしれない。

僕は脳内で”槍”をイメージしてベルゼブブへ近づき最初の一撃は今具現化しているブレードの状態で斬りつける。

僕はベルゼブブがその攻撃を軽々と避けた隙を突いて、具現化していたブレードを解除し脳内でイメージした”槍”を至近距離でクリエイティブしてベルゼブブの腹部を勢いよく貫いた。



「なっ…!?」



ベルゼブブは貫かれた腹部を抑えながらそのまま地面に倒れ込む。

僕は具現化した”槍”を解除し再度”ブレード”をイメージして瞬時に具現化するとベルゼブブの喉に突き付けた。



「答えろ!レヴィアタンに何をした?それにドライアドさんは!?」


「………」



ベルゼブブは僕の問いに答えず、貫かれた腹部を抑えたままその場に倒れ込んでいる。

再度ベルゼブブに問おうとした時辺り一面に大きな衝撃が走り、マーガレットとレヴィアタンの方へ目を向けるとそこには神器の力を解放した2人の姿があった。

レヴィアタンは瑠璃色の稲妻を纏った水龍を召喚しマーガレット目掛けて勢いよく放ち、マーガレットはその一撃を受け止めるべく光り輝く巨大な盾を召喚した。

レヴィアタンから放たれた一撃は目にも止まらぬ速さでマーガレットが召喚した光り輝く巨大な盾に直撃すると、激しい爆風が巻き起こり聖なる光と瑠璃色の稲妻が次第に周囲を飲み込んで行った。



………



視界が徐々に戻り視線を2人の元へ戻すとそこにはレヴィアタンの一撃を耐え抜いたマーガレットの姿があった。

しかしマーガレットが召喚した光り輝く巨大な盾は粉々に砕け散っており、レヴィアタンの放った一撃がいかに強力な物だったかを実感させられた。

かなりの魔力を消費したのか今まで表情一つ変えなかったレヴィアタンが疲弊した表情を浮かべていた。彼女が立っている地面をよく見るとベルゼブブから斬り付けられた背中から大量に出血しており、徐々に脚がふらつき始めた。



「レヴィアタン!!」



マーガレットは今にも倒れそうになっているレヴィアタンの元へ駆け寄ろうとするが、

さっきの一撃がよほど強力だったのかマーガレットも無傷という訳にも行かず動きようにも動けない状態だった。僕は今にも倒れそうになっているレヴィアタンの元へと急いで走り出し、力尽きて倒れかけているレヴィアタンを間一髪抱き抱える事に成功した。



「マーガレット!!」



僕はそのまま急いでマーガレットの元へ届けると、

マーガレットがすぐさまレヴィアタンに回復魔法を施してくれた。

マーガレットの回復魔法のおかげでベルゼブブに斬り付けられた背中の傷も次第に癒えていき、疲弊していたレヴィアタンの表情も傷が癒えて安心したのか今はぐっすりと眠りについていた。



「これで命に別状は無いと…思います。」


「良かった…。これでひとまずは安心かな。」


「はい……。」



マーガレットはそう言うとその場に眠るように倒れ込んだ。

レヴィアタンの一撃を受け止める為に神器の力を発動した上に、

立て続けに回復魔法まで使用すれば力尽きてしまうのも無理は無い。

僕はクリエイティブでシーツを具現化するとマーガレットとレヴィアタンにそれぞれ被せて、ベルゼブブの方に視線を戻した。



「!!」



視線を戻すと先程まで居た場所にベルゼブブの姿は無く、

慌てて辺りを見渡すと”精霊樹ドリュアス”の前でベルゼブブが浮遊していた。



「おや?もう終わりましたか?」



浮遊しているベルゼブブは、先程まで人を小馬鹿にしていた同一人物とは思えない程落ち着いた雰囲気を醸し出しており、こちらに目もくれずただひたすら”精霊樹ドリュアス”を見つめていた。



「あなた達3人のおかげで私の計画を遂行する事ができました…。」


「どういう意味だ!?」



次の瞬間、”精霊樹ドリュアス”から眩い光が発せられたのだった…。

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