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僕は異世界の君に恋をした。  作者: リアラフ
ノルズの街編
22/126

#22〜別れと旅立ち〜

朝目覚めていつものようにリビングへ向かうと、

マーガレットとルミナさんが朝食の準備をしていた。

いつもならジャバルさんも席に着いているのだが今日は見当たらない。

まだ寝ているのだろうか?真面目なジャバルさんがもし寝坊しているのだとしたら今日は嵐か雪が降るかもしれない…。



「ルミナさん、ジャバルさんはまだ寝てるんですか?」


「ジャバルなら朝早くに用事があるって出て行ったよ。朝食までには戻るって言ってたからもう少ししたら帰ってくるんじゃないかな?」


「そうですか…」



遠方にもお客さんがいるくらいだ。きっとジャバルさんも忙しいのだろう。

僕は朝食の準備をしながらジャバルさんの帰りを待つ事にした。



朝食の準備をしてしばらくするとジャバルさんが用事から戻って来た。

ジャバルさんは少し疲れているのか目の下にクマが出来ており少し疲れた表情をしている。

確かにここ最近冒険者達からの注文も多く、素材集めに防具や武器の作成と色々と忙しかったしさすがのジャバルさんも疲労が溜まっているに違いない…。



「おはようございますジャバルさん。急ぎの仕事だったんですか?」


「えぇ。朝一で終わらせないといけませんでしたから。」


「ここ最近は冒険者からの依頼も多かったですもんね…あまり無理しないで下さいね、ジャバルさん。」


「本当にジャバルは人が良すぎるから色々と引き受けてしまうんだよね〜、それがジャバルの良い所でもあるんだけどさ〜。今日からハルト君達は旅立つんだから仕事の量も考えなさいよジャバル?」


「なるべくそう出来るように努力します…。」



ルミナさんは少し困った表情でジャバルさんにそう言った。



「それじゃあ〜朝食にしようか!」



この家で食べる最後の朝食を僕とマーガレットは噛みしめながら過ごしたのだった。



朝食を終えて後片付けを済まし僕達は自分達の部屋へ戻ると旅立つ準備を始めた。

何も知らない僕達を迎え入れてくれた上に、仕事以外にも多くのことを教えてくれたジャバルさんとルミナさんには本当に感謝してもしきれない。これまで過ごして来た時間を振り返ると涙がこみ上げて来てしまった…。



「ハルト様」



マーガレットは僕の手を取り優しく声を掛け僕の目を見てこう言った。



「2人と離れるのはとても寂しいですね…。でも2度と会えなくなる訳じゃありませんよハルト様。旅立つ時は笑顔で旅立ちましょう。そうじゃないとジャバルさんとルミナさんが心配してしまいますよ。」


「そうだね…。2度と会えなくなる訳じゃないよね。 マーガレットの言う通り笑顔で2人に行って来ますって言おう!」


「はい!!」



そう言って僕達は出発の準備を再開したのだった。



準備を終えた僕達は荷物をまとめてリビングへと向かうと、

そこにはジャバルさんとルミナさんの2人が僕達が来るのを待っていた。



「ハルト様、マーガレット様こちらに来て頂けますか?」



ジャバルさんが呼ぶ方へ行くとそこには鍋や包丁などの調理器具と、

刃先が無く持ち手部分に歯車が付いた物がテーブルの上に置いてあった。



「ジャバルさんこれは?」


「これは私から2人への贈り物でございます。マーガレット様には料理をなさる時に使う調理器具を用意しました。ヴィヴィアンや家でも使用している物と同じ物でございます。これでハルト様に美味しいご飯を作って差し上げて下さい。」


「ジャバルさん…ありがとうございます…。」



マーガレットは目に涙を浮かべながらジャバルさんに感謝の気持ちを伝えた。



「ハルト様にはこちらの”マテリアルウェポン”を用意しました。ハルト様の能力”クリエイティブ”の力を最大限に活用出来るように私が1から考案して作り上げた力作でございます。」


「これを僕の為に…ジャバルさんが1から?」


「はい。こちらの歯車の部分に7つのマテリアル『炎』『水』『雷』『風』『土』『光』『闇』を埋め込んであります。こちらの歯車を回転して自分が使用したい属性のマテリアルに合わせて頂く事でその属性の力を利用して、ハルト様が思い浮かべた武器を具現化出来るかと思います。戦いに応じて臨機応変に対応出来るようにあえて刃先は作りませんでした。試しに1度クリエイティブしてみてはいかがでしょう?」



僕はテーブルに置いてある”マテリアルウェポン”を手に取り、

歯車を回転させ光属性に合わせると脳内で”剣”の”刃先”をイメージする。

するとイメージした刃先が根本から生成されて見事”光の剣”具現化する事に成功した。



「無事に成功して何より。大事な人を守る為に使って頂ける幸いです。」


「はい!これで守ってみせます!!」



僕はジャバルさんから貰った”マテリアルウェポン”を強く握りしめ改めて誓った。



「はい!私からはこれだよ!!」



そう言ってルミナさんは僕とマーガレットそれぞれ洋服を手渡してくれた。



「ルミナさんこれは?」


「ハルト君とマーガレットちゃんに合う服を私が1から仕立てたのさ〜!それにこの服には特別な素材を使用しているからそこら辺の冒険者が使ってる防具よりも頑丈だよ〜!!」


「特別な素材ですか?」


「うん、特別な素材!まぁ〜細かい事は気にしないで、ささっ!せっかくだから着てみて着てみてぇ〜!!」



ジャバルさんの元で素材の加工などの手伝いをしていた身としては何を使用しているのか気になる所だが、僕とマーガレットは別々の部屋に案内されてルミナさんが1から仕立ててくれた服を試着する事となった。



「ハルトく〜ん、どうだい?服入りそう?もしあれだったら手伝おうか〜?」


「もぉ〜ルミナさん冗談でも言ったらダメです!もしその時は私が手伝います!!」


「冗談だってマーガレットちゃん!本気にしないの〜」


「もぉ〜!!」



部屋の外で2人が仲良く戯れあっている姿を想像できる。

僕は袖を通した服のシワを伸ばし襟を立て部屋のドアを開けると、

そこにはルミナさんと新しい洋服に身を包んだマーガレットの姿があった。

マーガレットは白と黒を基調としたワンピースを身に纏っていた。以前着ていたワンピース同様に服の裾裾部分には青色のラインが入っており、背中にあるリボンで腰回りをキュッと締めているいるせいか身体のラインが露わになっている。髪も後ろの方で1本に編み込んで桜色のリボンで結んでいた。



「どっどうでしょうかハルト様…?似合っていますでしょうか?」



マーガレットは恥じらいながら僕の返答を待っていた。



「かっ…可愛いよ。凄く似合ってる…。」



正直に言おう。めちゃくちゃ可愛い。

まさにマーガレットの美しさと可愛さを最大限引き立たせる為だけに作られた究極の一品。

しかもニーハイを履いていると来た…。これは絶対ルミナさんの趣味も入っているはずだ。

あえて今回は正直に言おう。ルミナさんグッジョブ!



「あっ…ありがとうございますハルト様…。その…ハルト様も凄く似合っています!」


「ありがとうマーガレット、なんだか少し照れるね、、、」



マーガレットに言われると物凄く照れてしまう。

それにしても少し派手過ぎでは無いだろうか?僕がルミナさんに仕立ててもらった洋服は赤と黒がメインとなっている。なんと言うか…例えるならアニメやゲームの主人公が着ていそうな服装だ。正直コスプレ感があって少し恥ずかしい…。



「うんうん。私の目に狂いは無かったよ〜!!見た手通り2人とも良く似合っているよ!さぁ、ジャバルにも見せてあげて!」



僕とマーガレットは少し照れながらもリビングへと向かい、

ルミナさんが仕立ててくれた服をジャバルさんに見せた。



「どうでしょうかジャバルさん?」



ジャバルさんは僕達2人を見ると少しだけ驚いたような表情を見せる。

ルミナさんは驚いてしまっているジャバルさんの肩にそっと手をやるとドヤ顔でこう言った。



「どうだいジャバル?2人とも凄く似合っているだろ?」


「はい、2人ともよくお似合いです。2人に似合う服を1から仕立てるとは流石ルミナですね。」



ジャバルさんに言われたのが余程嬉しかったのか、

ルミナさんは上機嫌になりジャバルさんへと抱き付くと照れるジャバルさんに向けてキスをした。



「こら!ルミナ!2人の前ですよ!!もっと場をわきまえて〜…」


「いいじゃない〜別に減る物じゃないんだし〜。マーガレットちゃん好きな相手から褒められたらこうやってお返しに愛情表現をするんだよ〜?」



何をマーガレットに吹き込んでいるんだルミナさん。

そんな人前で出来るのはルミナさんくらいなもんだと思っていた時だった、

突然目の前にマーガレットの顔が現れたと思った瞬間に唇に柔らかい感触が伝わる。



「!?」



あまりの突然の出来事に思考停止状態に陥ってしまった。

目の前には瞳を閉じて僕に寄りかかっているマーガレットの姿が…



そして唇には…



唇には…





「さっき…”可愛い”って言ってくれたお礼です…。」



マーガレットは頬を赤くして、

上目遣いで時折視線を逸らしながら僕に寄りかかりながらそう言った。

ルミナさんもまさかマーガレットが本当に行動に移すとは思っていなかったらしく、

ジャバルさんとこちらを見ながら2人とも固まっていた。



「迷惑…でしたか…?」


「そっ…そんな事ないよ…。ただ突然の事だったから少しビックリして、、、」



こんな美少女にキスをされて迷惑と思ってしまう男性がこの世に存在するとでも言うのだろうか?もし存在すると言うなら是非とも話を聞かせてほしい。



「迷惑じゃ無いなら安心しました…。」


「うん…。」



青春ドラマのような甘酸っぱい雰囲気がリビングの中を埋め尽くしていた。

そんな雰囲気の中で歯止めが効かなくなりそうな僕達を見て、珍しくもジャバルさんが割って入り事なきを得たのだった。



「すっ…すみませんジャバルさん」


「いえ。まさか2人がそこまで進展していたとは…全然気づきませんでした。」



ジャバルさんはそう言ってその場をなごましてくれたのだった。



それから僕達は改めて荷物の確認や身支度を済ませると、

お世話になったこの街を旅立つ時がいよいよ来たのだった…。

僕とマーガレットはお世話になったドラゴニス夫妻の家の前で心からの感謝を込めて深くお辞儀をしてこの街の出口へと向かった。街の出口までジャバルさんとルミナさんと一緒に向かいながらこの半年間の出来事を一緒に振り返った。楽しかった事も辛かった事も今となってはその全てが輝いていた。



<ノルズの街 出入口付近>



「ジャバルさん、ルミナさん本当にありがとうございました。」



僕とマーガレットは改めて2人に感謝の気持ちを込めて深く頭を下げた。



「いえ、私達もハルト様とマーガレット様が来て下さってこの半年間とても楽しかったです。」


「ジャバルの言う通りだよ!感謝しているのはこっちの方なんだから!!本当にありがとうね!!ハルト君マーガレットちゃんの事頼んだよ!!」


「はい!」



ジャバルさんとルミナさんはその言葉を聞くと僕達2人を見て優しく微笑んだ。

僕とマーガレットは旅立つ前にジャバルさんとルミナさんに今までお世話になったお礼にある物を渡した。



「ジャバルさん、ルミナさんこれを…」



僕はそう言って2人にペアになっているネックレスを渡した。

ジャバルさんの元で素材の加工を教えてもらいながら時間を見つけてはこっそりと作っていたのだ。デザインはマーガレットは考えて、ジャバルさんとルミナさんを太陽と月に例えたデザインになっている。



「これを私達に?」



2人はネックレスを手に取るとその瞳はうっすらと潤んでいた。



「マーガレットが2人をイメージしてデザイン考えて、僕がそのデザインを元に作りました。覚えたてで完璧に出来たとは言えませんが…今までお世話になった2人への感謝の気持ちです!」


「ジャバルさん!ルミナさん!是非付けてみて下さい!!」



2人は少し照れ臭そうにネックレスを付けると僕達2人に見せてくれた。



「ハルト様、マーガレット様、真心がこもった贈り物ありがとうございます。」


「2人ともこんな素敵な物をプレゼントしてくれてありがとう!!肌身離さず身に付けておくね!!」



この半年間で僕達2人は多くの事を学びそして経験して来た。

神様の言う通りこれから先楽しい事ばかりじゃ無く辛いことや悲しい事もあるかもしれない。でもきっと僕とマーガレットならどんな困難でも乗り越えて進んで行ける。僕はそう思っている。



「それじゃあジャバルさんルミナさん行って来ます!!」


「行ってらっしゃい2人共!!」



僕とマーガレットは見送るジャバルさんとルミナさんに笑顔で大きく手を振ると、

自転車をクリエイティブしドリュアス森林に向けて旅立ったのだった。

今回までの話を”ノルズの街編”として、

次から改めてドリュアス森林編とします。


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