#124〜ドライアドVS R〜
アインシュタインが切り裂いた空間の裂け目から現れた歪な仮面を被った人物、その人物の名を聞いたドライアドは驚きを隠せずにいた。
「どうして貴方がここに…!?それになぜアインシュタインと!?」
「ドライアド、お主がこの模造品レプリカと同化している間に色々とあってな。今はこうしてRと協力関係にあるんじゃ。」
「Rと……協力…?」
その言葉を聞いたドライアドの身体から徐々に魔力が放出されていく。
「ドッ、ドライアドよ!一旦落ち着くんじゃ!!」
「落ち着けですって…?貴方この男が何をしたのか知ってるでしょ!!」
「お主の気持ちも分かるが、今は争っている場合ではないんじゃ!!!」
アインシュタインの懸命な呼び掛けにドライアドが耳を貸す気も無く、その視線はRを真っ直ぐに捉え殺意を剥き出しにしていた。
「お前があの時余計な事をしなければ、”あの二人”はこんな運命を背負わなくても済んだんだ…。それをお前が…。お前があぁぁぁぁ!!!!」
ドライアドは放出した魔力を自身の右腕へと集めると、右手に集まった魔力は瞬時に鋭い植物の巨大な鎌へと変形し、ドライアドはその巨大な鎌を握りしめR目掛け勢いよく振り翳そうとしていた。
アインシュタインは二人の間に割って入ろうとするが、Rはその必要はないと目でアインシュタインへと合図を送ると、自身の腰に掛けていた鞘から素早く剣を抜き、ドライアドの渾身の攻撃を受け止めた。
「くっ…!」
「………。」
渾身の一撃を最も簡単に受け止められてしまった事が更にドライアドの心に火を付けたのか、ドライアドは更に自身の魔力を放出し二本目の巨大な鎌へと変形させると、その細身の身体はからは想像が出来ないほどのスピードでRへ猛攻を開始した。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
研究施設内に刃が交わる音が響き渡る。
目にも止まらぬ速さでRに猛攻を浴びせるドライアドだったが、Rは表情一つ変えずその猛攻を全て阻止していた。
「俺への憎悪はこんなものか?ドライアド?」
「ならお望み通り全力で行かせてもらうわっ!!」
ドライアドはRから一旦距離をとると、両手に握りしめていた巨大な鎌を一旦解除する。そして今度は両手をRへと翳し、その両手に魔力を集中し始めた。
「ここで貴方を殺す!!!」
そう言うとドライアドは自身の魔力を最大限翳した両手に集中させると、Rに向けて放ったのだった。