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僕は異世界の君に恋をした。  作者: リアラフ
死者の国《ヘルヘイム》編
105/126

#105〜それぞれの成すべき事〜

《エリューズニル 女王の間にて》


神聖教団十三騎兵のメンバーで”迦楼羅カルラ”の称号を持ち、地上界でヴァラマ帝国及び黒騎士についての調査を行っていたナゴミはその調査報告をすべく、女王の間で自身が支えている主ヘラが戻って来るのを静かに待っていた。


そしてしばらくして女王の間に執事のガングレティ、そしてガングレティが戻った数分後にヘラが女王の間に空間魔法を使用して戻ると、ヘラは女王の玉座の間に深く腰を下ろし待機していたナゴミに声を掛けた。



「さて、ナゴミよ。ガングレティから聞いた限りでは至急私に報告すべき事があると聞いているが…。何か地上界で動きがあったのか?」


「はっ。地上界でヴァラマ帝国と黒騎士についての調査の役割ロールを与えられた私、アルファル、エキドナの三人はより多くの有益な情報を得る為、地上界へ調査に行く前に白騎士から黒騎士に関する情報を共有してもらい、その情報を元にヴァラマ帝国を監視しつつ黒騎士に関する調査を分担して行なっていました。そんな中、分担し調査を行なっていたアルファルから”黒騎士らしき人物達が我々教団に関して嗅ぎ回っている”と私に連絡があり、それを伝えるべく至急主様の元に戻って参りました。」


「黒騎士らしき人物という事は、まだ現時点では黒騎士本人とは断定できていないという解釈でよいのか?」


「はい。その黒騎士らしき人物を目撃したアルファルからの情報によると、白騎士から共有してもらった情報とは鎧の形状が少し異なるとの事で確実に断定する事は現状できないとの事です。しかし鎧の形状が少し違えど、我々教団の事を嗅ぎ回っている点からしてその人物が黒騎士本人なのは間違いないかと私は思っております。」


「恐らくその人物が黒騎士である事は間違いないだろうな…。」


「アルファルが慎重な性格故にそのような報告をしてきたのかと。」


「うむ。それにしても思ったよりも早く動き出したな…。それに”達”という事は黒騎士は誰かと共に行動をしているという事か?」


「はい。黒騎士が共に行動しているのは一名、素顔は仮面のような物で隠しているようですが、その背丈から推測するに黒騎士と共に行動している人物は女性かと思われます。」


「女性…か…。」



ヘラは黒騎士が共に行動している人物が”女性”と聞いて思い当たる節があるのか、その場で深く考え込み始めた。



「主様…?もしや黒騎士と共に行動しているその人物に心当たりが?」


「断言はできぬがその人物に少し心当たりがある…。もしその人物が私の予想通りの者なら、早めに対処しておかなければ後々面倒な事になるかもしれない。ナゴミよ、これより帝国の調査はしばらくの間エキドナとその部下達に任せ、お前はアルファルと共に黒騎士と同行している人物の監視に専念して欲しい。今はまだ監視するだけでよいが、もしもこの場所の事を嗅ぎつけたりするような事があればその時は全力を持ってそれを阻止し対処せよ。」


「御意。その時は全力を持って阻止致します。」


「うむ。それとヴァラマ帝国の方は何か動きはあったか?」


「分担し監視を行っておりましたが、今のとこは何も…。」


「念には念を入れてエキドナとその部下達には監視を強化し、もし何か帝国に動きがあれば自分達で対処するのでは無く、即座に私に報告するよう伝えてくれ。」


「御意。エキドナにはそのように伝えておきます。」



ナゴミはそう言うとその他に報告する事が無い事をヘラに伝えると、自分の役割ロールを果たすべくエリューズニルを後にし地上界へと戻って行った。

自分が想定したよりも黒騎士が早く動き出した事にヘラの心は少し焦りが募っていたが、何より一番気掛かりになっている事は黒騎士と共に行動しているというその謎の人物だった。もしもその謎の人物がヘラの思い当たる人物だったとすれば、ヘラ達教団にとって黒騎士やヴァラマ帝国以上に厄介な相手になる事は間違いないとヘラは確信していた。


だとすれば今最も優先すべき事は、”二つの冥王(キング・ワンサイド)片割れの魂(・ソウル)”を同化させ冥界の王として蘇ったハルトを”真の冥界の王”として覚醒させる事だった。



「白騎士、マイン、デュラハン、ガングレト…お兄様の事頼みましたよ。」



そう口ずさんだヘラはハルトを真の冥界の王として覚醒させる事を白騎士、マイン、デュラハン、ガングレトの四人に任せ、玉座から腰を上げると自身のやるべき事をする為に女王の間を後にしたのだった。

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