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「なになに? 貴族、そして国民一人一人の努力により、忌々しくも我々を何度も付け狙う疫病を抑え込む事が出来たのだ! これは(まこと)の勝利を意味する。病を恐れることなく前に進み、仲間の命を守る為に動いたもの達全ての勇気ある行動を(たた)えよう! ……ふん! 最後まで大人しく寝込んでおれば良いものを……。バカらしい」


 兵長の執務室でお茶をいただいていると、乱雑に新聞らしき読み物を丸めて投げ捨てる。らしくない仕草に戸惑い兵長に詳しく聞くと、疫病が広がっていた時は近よりもしなかった王宮の面々がそれが治まると見たらまるでそれを先導したのは自分たちだと言わんばかりにいきなり終息宣言をはじめてきたらしい。


「おじいさんいつまでも元気そうで何よりですけど……。懲りない人ですね」

 兵長は紅茶を(あお)ると此方に視線を向けて

「ミナヅキ、手の空いているもの、そうだなルディオと共にこの封書をグランの元へ届けてはくれまいか?」

「ん? わかりました♪ そういえばシドさんは?」

 ジェネッタが書類をペラペラ捲ってチェックする。

「今日シド君は、(すめらぎ)達と共に領内の治安維持に奔走中かしら。ミナヅキんとこの刀、中々有能で助かってるわ」


「ふふふ、(あのこ)もストレス解消になるし良かったです。ではあたし準備して行ってきます!」


 バタン!

 ミナヅキが飛び出していった。

「あ! また!? ミナヅキったら何も持たずにでてっちゃいましたね。」

「ふぉっふぉっふぉっ……」

「私今から御客様にお願いしてついでに預けてきますね。いっておきますが、兵長貴方はダメですよ?」

 ジェネッタが執務室を後にする。

「相変わらず手厳しいのう」





「さて! お菓子も持ったしルディオいこっか♪」

「うむ、いくとするか」

 ルディオの手を掴むとグランの執務室をイメージして転移する。


「お邪魔しまーす♪ お義父様? あれ……居ない」

 書斎に人はおらず、図書館の様な本の香りが広がる空間はガランとしていてとても静かだった。

「ここがグランの執務室か?」

 ルディオがソファーに腰かけると自由に寛ぎ始めた。

「あー、でもご本人いらっしゃらない様ですね」

 廊下からパタパタ足音が近寄ってくる。

「グラン……あれ? 早すぎた?」

 いきなりの来訪者と目が合う。そこに来たのは絹糸のような艶やかな金髪が特徴の双子の片割れだった。


「きゃっ! トオルきていたの?!」

「ティア! 久しぶりね♪ ここで会えるとは思っていなかったわ。今日はティナは?」


「……ティナはお勉強中なの。あの子はお勉強が好きではないから中々終わらなくて……、イグニスが逃げない様に常に監視して……」

 自分の事のように恥ずかしそうに教えてくれた。

「ティアは一人でここ迄できて大丈夫なの?」

「うん。この前グランの術を見たから……それで……。うぅごめんなさい……」

 後ろめたいのか目線をずらして伏せる。

「ふふふ……凄い才能ね」


 そこであり得ない所から声がかかった。

「そこにいるのは父上の子のアスティアではないか?」

「え? あ! 貴方はいつも陛下の側ににいる幽霊……さ……ん? どうしてここに?」


 ミナヅキはびっくり驚いた。

「ええ……、二人は顔見知りで? ……ではどゆこと?」


「アスティア……ティアは父上、所謂国王の遅くに出来た双子の子であったはず」

「え? ええ、そうですが、幽霊さん、貴方はどなたなのですか?」

 ティアは知的好奇心が旺盛(おうせい)な様で興味津々で目を輝かせて、獲物を見つけた猫の様にジリジリ構えて飛び付いていった。


「ふふふ……よしよし。私は父上の第二妃エレノアの息子でルディオだ。まあ、生後半日も生きておられなんだが、それでも私はそなた達の兄のつもりだし、そなた達の事はよーく知っておるよ」

 ミナヅキも勢いに乗ってティアと並んで体育座りで静かに話を聞いていた。

「そなた達が生まれてすぐ、私も父上の目を借り、すぐ近くで愛でておったよ。最近はちっとも会えてはいなかったがすっかり大きくなったものだな。トオルも……よしよし……と」



「おっと!? これはどんな会合なのかな? ボク入るタイミング間違えちゃった? とりあえず……」

 そこに帰ってきたグランがトオルの隣で同じく体育座りを始める。


出せるときに出しまする~。

( `・ω・´)ノ

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