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「あなたが迷い人のミナヅキ様ですね?私は南方の街レルベアの教会から参りましたバーミラ、こちらは私どもの教会の司祭リュコイでございます」



 うわぁ、女神の微笑みだ! まっこと眼福ですぞ!

 部屋の入り口に立ってた、シドさんの同僚さんなんて鼻の下を伸ばして超いい顔してる。あんなだらしない顔よく人前で見せられるわね。

 司祭さんは、サンタさんみたいなおじいちゃん。親しみ深い笑顔の二人は黒い絹地に金糸で色んな模様の刺繍が施されたいかにも高そうな袋からあり得ない大きさの水色に穏やかに輝く水晶を出し、懐から小さな子供の水晶もとりだした。



「こちらの宝具でミナヅキ様の魔法の属性を調べさせていただきますね」

「属性を調べるとか、これはもしかしてすごく貴重なやつですね」



 興味深げに眺めていたら、バーミラさんが教えてくれた。

「左様でございますね。この宝具は各地域に一個づつしかないと言われる大変貴重な神からの賜り物なのです。それぞれ地域ごとに色が違いまして他のものは北のスティーランド、東のメルティー、西のウィルレンツと、中央の王都エルモアにしかございません。特にエルモアのものは虹の様に光輝くいているそうです。大きいですし、専用のこちらの袋に入れるしか持ち運びも出来ません」



 虹色って最近どこかで見かけたような……。ま、大した事じゃないだろうけど。


「おほん。それではよろしいかな?」

 やばいやばい。大分脱線しちゃった。

 ピンと背筋を伸ばして座り直すと、真面目そうなサンタさんじゃなくてリュコイさんが続けて口を開く。

「通常ですと、みなさん見習いさんになる前の七才の頃に街毎に親御さん達と教会に判定に来られるのです」

「そうなんですね」

「魔法の属性次第で生まれに関係なく、その後の子供達の可能性が大きく変わりますし、選択肢も広がりますから。これはとても大事な事なのです」



 そんな小さな頃から見習いをするとかこの世界の子供たちは動画みる暇も無いんじゃない?だらけきった青春の一ページも時には必要だと思うよーー。


 うんうん。


 この世界……何気に厳しいんじゃ?


 自分や花菜の子供の頃を思い出す。楽しかったな……途中、稽古の最中に木刀を携えてこちらに振り向き微笑む鬼神(おじいちゃん)の顔を思い出……



 ひえっ! 縁起でもないからヤメヤメ! 今は真面目に話を聞かなきゃね♪



「スキルによってはギルドに登録して冒険者をする子達もおりまする。しかしながら昨今の若者は……で、まったくもって……」


 やばい、サンタさん何気にヒートアップしてきた! これ長くなるやつだ……


 この世界の子達って割りと小さい時から人生に真剣に向き合ってて偉いなぁ。その子達が今、目の前にいたら、(私の気が済むまで)お姉さんが撫で尽くしてあげるのに……ハゲちゃったらゴメンね♪



「えっと、こちらの宝具からでた内容はプライベートな情報になりますのでミナヅキ様お一人だけにしか見えないようになっています。差し支えなければ、内容を後でお知らせいただけますと幸いです」

 にこやーかにバーミラさんがサンタさんの有り難いお話を終わらせてくれた。

「はーーい」



 謎の球体に手をかざす。思ったよりあたたかくて驚いた。


 フォン


「うわ! 目の前にげーむみたいな画面が出てきた!」



 水無月亨


年齢  15

レベル  3

職業 女子高生剣士

魔法属性 -

スキル

   言語翻訳

   自然治癒力

   絶対防御

   創造魔法

   よく見える目

加護

   女神の守り

   剣聖(おじいちゃん)の愛し子

   


従魔 しおまねき




「なになに? 高校生剣士? それからそれから? レベル3! 魔法属性は……なにも書いてないみたいです」


「高校生剣士で魔法属性はなしですか」

 サンタさん(名前はなんだったっけ……)が、小さな子供の球体をチラ見しながらメモをとってぶつぶつ言ってる。



 ふむふむ。魔法の属性ないのに創造魔法て、意味なくない?


 それからそれから?


 わー……おじいちゃんて剣聖だったんだ(笑)ウケる♪


「後、目が良くて、女神様の守りとおじいちゃんの愛が、あるみたいです」


「ミナヅキ様は女神様のご加護まで賜っておられるのですね。素晴らしいです!」

 バーミラさんに誉められた。ちょっと嬉しい♪



 バーミラさんたちは私の能力について報告を書き上げて部屋を退室する。

「それでは私どもは報告書のやり取りを致しますのでミナヅキ様は、しばらくはこの砦の中、とりあえずはこのお部屋が一番安全なようですからこちらにいらしてくださいね」


「はーい!」


 同僚さんが二人を連れて兵長の部屋まで案内していった。



 手持ち無沙汰で、ふかふかのソファーでごろごろすると窓から空が見える。


 青い。


 高いところを猛禽類? が飛んでいく。



 さっきバーミラさんの口からサクッといくつかの街の名前が出てきたけど、改めてここが日本じゃないどこかよその所、異世界なんだって思ったら急にさみしくなってきた。じっと両方の掌を見て、昨日のお兄さんの顔が思い浮かぶ。




 ……なんで??






「あー、属性魔法なしとかあたしだって魔法つかってみたかったなー」


「こう、鑑定! みたいに!」

 自分の掌向けてキリッと口ずさむ。


 フォン



 水無月亨


年齢  15

レベル  3

職業 女子高生剣士

魔法属性 -

スキル

   言語翻訳

   自然治癒力

   絶対防御

   創造魔法

   よく見える目

加護

   女神の守り

   剣聖(おじいちゃん)の愛し子

   


従魔 しおまねき





「おややや~~?」


 さっきの画面が出てきちゃったーーw




 やった!



秋は居眠りの季節(´ε`;)ゞ

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