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「カニエール君いってら……てもういないよ。あの人動き早すぎて飛び出して行ったの気が付かなかったよ」
ペットのお散歩は安定の大森林です。
『ミナヅキ、エサ、エサ』
「えー? 今大森林について三歩あるいた位じゃない? ハレルヤはカニエール君と早さの質がが違うけどとにかく残念な方向に早いよね?」
つーん。
最近わかったのはハレルヤは、アタシがバカにするとやたらと聞こえないフリするみたい。
「むっ都合悪くなると聞こえなくなったふりしてない? まるで何処かのメイドさんみたいだよ?」
『アーアー! 聞こえなイー。年寄りー、年寄りー……』
「ちょっと! それは苦しいんじゃない? この鳩! バカデカい雀! 鳥頭のくせして余計な事ばっかり覚えて……、シドさんから聞いたのね!? まったくもー」
『りんごー、りんごー♪』
いい調子にお尻フリフリ踊り出したよ……。
「なんなの……この子は……」
「あはは、さっきから二人は何を言い合ってるんだ?」
繋いでいるシドさんの手を引っ張る。
「シドさん、丁度いいところに……シドさんは、ハレルヤに一体何を教えているんですか?」
「ふふふ……バレたか♪」
シドさんだけは、ずっと味方だと思っていたのに!
「あーもー! わざとなんですね!? 信じられない! 今日という今日は許しませんからね?」
「まあまあ……そんなに興奮すると足元滑るぞ?」
「そんな訳な……きゃあ!!」
木の根とか聞いてないし!
「ほら。ミナヅキ危ないから……」
「むううぅ……」
悔しい位自然に抱き抱えられてる。恥ずかしいやら何やらで頬っぺたがぷーと膨れた本格的茹でダコです。……はい。
「ミナヅキ……実はな……マーヤが預かってくれた時にジェネッタ先輩が教えてたらしい不穏な言葉を上塗りする為頑張ったんだけど、先輩強すぎてどうもインパクトで負けてしまって……」
「そんなこと言ったって騙されませ……」
『また逃げられた! 男ナンテー……シャボン玉~! リア充! リア充爆~発シーロー♪』
「……」
声の主を二人で見つめる。
『ハイ! おしとやかーにダマシテナンボよー!』
「……な?」
あー、それはなんとも言えない……。
「……あ、はい。スイマセンデシタ」
今日はお花畑で、基地を作ってシドさんと一緒に魔法を創造してみよう!
「どんな、魔法があったら便利ですか?」
とりあえず意見をいくつか出しあってその中から決めてみよう。
「そうだな。魔法攻撃は危ないから、それを跳ね返す為の魔法とか?」
「土を豊かにする魔法とか? あと……」
シドさんと仲良く座って話し合う。案が色々でたので書き出してみた。
攻撃魔法を跳ね返す魔法
ジェネッタお姉さんの男運をあげる魔法
土を豊かにする魔法
おじいちゃんを召還してみる魔法。
二十四時間働ける魔法
一番最後のは駄目なヤツだと思った。
「おじいちゃんを召還とか、できたらシドさんにおじいちゃんを紹介できますね」
色々な魔法の効果について話し合った。
「ジェネッタお姉さんの男運を上げるとハレルヤの言葉づかいが向上するかもです」
わりとガチ目に急務かもしれない。でもそこにお姉さんの気持ちが乗らないと幸せテロになってしまうからそこは要注意だなんて話になった。
「ではそろそろ本題です」
「ん?」
リンゴをシドさんの掌に乗せる。
「あたしは不思議なポケットって名付けたんですけど。兵長はそれを見て数秒でそれが出来るようになったんです」
「……ぜっ善処する……」
シドさんがリンゴを片手にちょっぴり逃げ腰になってるけど頑張ってくれるらしい。




