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兵長が部屋に来てお茶を飲みながらハレルヤを甘やかしている。
「おー! ハレルヤ羽根が立派に生えそろってきたのう。勇ましいぞー!」
『ハレルヤかっこいい! ふぉふぉふぉー!』
いつもながらに盛り上がっている。
マホガニー材の高級そうな書斎机で魔法の本を捲りつつそれを読みすすめていたが、自分にしっくりくる魔法が一つも無い。
なになに? 初心者向け?
火の魔法……ファイアボール
水の魔法……ウォーターボール
……
うーん。これを読破しても属性魔法の知識以外は身に付かないし、それが無いあたしにはどれもあまり意味が無いと感じてからは、……ちっとも身が入らない。それなら、生きたお手本に詳しく聞いてみるのもいいかも? と思って聞いてみた。
「兵長はあたしと同じ創造魔法の使い手なんですよね?」
「そうじゃなー」
『まほー! まほー!』
『レオー! はらへったー!』
ハレルヤは無邪気にパタパタしている。兵長がハレルヤに懐からリンゴを与えて小腹ごと黙らせておく。
『りんごー! かくごしろー!』
「兵長はどんな魔法を創造したんですか? ……その中に、あたしにも出来そうなものはありますか?」
「炎の魔法~、どかぼかどっかーん! みたいな派手なやつ……シドさんも呼んでみんなで魔法の特訓合宿しましょうよ♪ うふふ」
「ふぉっふぉっ……」
兵長の眼からスッと熱が引いていく。
「ないのぅ……。わしの魔法は悪い見本で……悪夢にしかならんからのう」
「そこん所よろしくお願いしたいです!」
必殺のキラキラお願いポーズ!
「いざと、言うときに大事な人を守る為に、力が欲しいんです」
『レオー! まほー! まほー!』
兵長は、無言でハレルヤを撫でている。
「仕方ないのぅ……」
「ありがとうございます!」
「合宿とて、わしはろくな指導はできぬが、ミナヅキを見守る分には役に立つかもしれんな。ジェネッタに予定を開けさせてみるかの」
『レオー! だっこー!』
「おー、そうかそうか、ハレルヤは元気だのー!」
兵長はハレルヤが遊び疲れるまで遊んでくれるつもりらしい。
「兵長……まだですかー?」
「ジェネッタお姉さんお疲れ様です!」
「ふぉふぉふぉー」




