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 明け方頃に生き返った不死鳥の雛を二人は拾って展望室を後にする。朝焼けの中を足早に依頼主の所に足をすすめ、ミュースラントのアヴァルトの屋敷で側用人リンクスに依頼についての報告し、急いで南方の砦に戻ったシドと、ミナヅキ。シドはその足で兵長に報告に向かったが、報告を受けた兵長が秒で砦の中を瞬間移動してミナヅキの部屋にやってきた。

「おー、ミナヅキ帰ったか? 不死鳥とはこれ如何に、わしは詳しく聞きたい所だぞ~♪」

「あ、兵長ただいま帰りましたー」

 朝からハイテンシヨン過ぎて、ちっとも付いていけないミナヅキである。その姿はまるで少年の様に瞳を輝かせてわくわくしている。

『だれだー! チョーあやしいやつめー! エサよこせー!』

 雛は絶賛生意気盛りである。

「おおー、こやつ喋るのか! 素晴らしいな。ミナヅキ、名前はもう決めたのかの?」

『だっこ! だっこダー!』

 兵長は雛をクッションに乗せて膝に置いて愛でている。ミナヅキは一人睡魔と格闘していた。

「ふぁあ……、名前れすか……? うーん名前、なまえ、ナマエ……。あ~、ハレルヤでどうでしょう!」


『にょわ!!』

 ぞわぞわ……!

 雛改めハレルヤが鳥肌を立ててぞわぞわしている。

「ほぉ、それは不思議な響きだが、意味はあるのかの?」

「……あー、確か歓喜とか感謝……? 神を褒め称えるようなモノだったと思いますー。あー、もう無理……」


「ほーそれは至極有り難い気がするのぅ……」

 ベッドの方からは既に反応はない…。

『ミナヅキー!』

「ふふふ……ご主人は寝落ちたようだの。」

『ねたー!』


『オマエだれだー?』

「ふふふ……わしか?」

『わしだー!』

「レオナルドじゃよ」

『れおにゃるど? れ……どなるど?』

 一体どのタイミングで!? とツッコミを入れたくなる、レベルで雛が噛みながら一生懸命おしゃべりしていた。

「ふぉっふぉっ……長いか。レオと呼ぶとよいぞ」

『ふぉふぉふぉー! レオ! エサくれ!』

「エサか……雑穀でよいのかな? もしや虫か? 確かここに……リンゴがあったな」

 収納からこの前の大森林でしまいっぱなしにしていたリンゴを渡すとハレルヤの目が輝いた。


『えさー! 覚悟しろー!』


 一心不乱に(ついば)んでいる。

『うぎゃー!』


「ははは……、さすがに丸飲みはよくないぞ。ん? ミナヅキのカニエールではないか」

 足元でカニエール君が先輩風を吹かせて秘蔵の干し芋を一つ差し出している。

『いもー! エサー』

「不死鳥まで従えるとは、さすがミナヅキだのぅ」

 当の本人は夢の中。







 最近、兵長が頻繁に部屋に遊びにくる。それと意外にも小動物が好きだったシドと交代でハレルヤの面倒を見てくれる。だからかハレルヤが二人に異様に懐いている。本当に有り難い。

 そんな様子を微笑ましく見つめるミナヅキ。

「もう……、皆子供ね。……いいことよね。うんうん」




 兵長はハレルヤを構い、様子見程度でお茶を飲んで寛いで帰るだけだが、ここにいると分かっているので秘書官ジェネッタが探し易いと一応はこぼしていた。

「また、こちらですか? 兵長」


「おお! 新しく生えた羽根が立派だのぅ!」

『レオ! ホメロ! ハレルヤ偉い!』

「偉いぞー♪ ハレルヤ!」

 ハレルヤを真剣に褒め称えている。

『ふぉふぉふぉふぉ……えらーい!』



 

「……あれはずっとこうなの?」

 かける言葉がみつからないで眺めていたがジェネッタが諦めて亨に質問してくる。

「あはははは……そうですねー。かねがねそうです。酷いと、ここにシドさんもはいるんですよ?びっくりですよねー」




 ジェネッタがそんなミナヅキを眺めてこぼす。

「だからミナヅキは口が(とが)ってるの?」

「へ?」


「気づいてないの? その口! まさか小動物にヤキモチやいてるんじゃないの?」

「へ? そんな事無いですって!」

 突然の指摘に慌てふためく。

「えー、無自覚なの? あんたさっきから口元がツンツンよ?」


「いやいや……」

 窓ガラスにうつる自分の横顔が目に入ったが確かに口元がつんつんだった!

「……ミナヅキって子供ね」

「えええー、勘弁してくださいよ」




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