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カントリー調の可愛らしいホールに通される。異世界初のお呼ばれ? 所謂お茶会のお誘いをピクシーからいただいたのだけれど。
「本日はよくお出でくださいました! ミナヅキ様!」
こっこんなに!? 使用人の皆さんがズラーッと並んでお出迎えしてくれるけれども、これは、普通なやつなのだろうか。
生粋の庶民なあたしにはことのほか緊張するやつやー。
早朝からマーヤさんにがっつりお姫様調に作り上げられてお腹はコルセットでガッチガチ。ヒールをはいた足は小鹿のようにガクガクで、かつてない緊張の中にいるわけだけれど。
「まあ、いらっしゃいトオル! 急なお誘いだったのに、いらしてくれて、わたくしとても嬉しくてよ!」
「ピクシー! あたしも会いたかったの。元気そうであたし嬉しいわ!」
感情の波に勝てなくて、ホールでハグし合ってしまうあたし達。メイドさんたち涙ぐんでる。
「奥様、こんなところではなんですから奥へお出でいただいてはいかがですか?」
「ええそうねミーナ。ミリヤ、お茶をお願いするわ」
「えっマーヤさんいつ、こっちに?」
にこやかに微笑みを残しマーヤさんに似たメイドさんが消えていった
「ふふふ、ミリヤはマーヤの双子の妹です。お客様ようこそお出でくださいましたわ。わたくし、この子達の母のミーナでございます。南方の砦では、マーヤが大変お世話になっております」
「いえ! 寧ろお世話になっているのはあたしの方ですから! こちらこそありがとうございます!?」
通された部屋もカントリー調の可愛らしい空間で、先日までここに兵長が一人でポツンとしていたとはとても考えにくいものだった。
「わぁ、素敵な空間! とても居心地が良さそうで明るいお部屋だわ」
「王都にすんでいたときはもう少し趣が違っていたのだけれど。主人が暫く見ない間に、娘達が喜びそうな空間を育んでいてくださったの! 彼の家族への愛を感じてしまったわ」
「本当! あの兵長からはちっとも想像できない可愛らしさで、兵長がどれだけ家族愛に溢れているのか改めて知った感じがするー」
ピクシーの笑顔からは幸せが溢れてる。愛され女子とはこうあるべきなのかしら。
「トオル。貴女のお陰で、本来訪れる事の無かったこの空間に帰ってくる事ができたの。貴女はわたくしの恩人。そんな、貴女にわたくしは一体何をお返ししたらいいのかしら」
絶対言われるだろうけど、触れられたくない話題が早足でやってきた時のドキドキは半端ない……。
「ピクシー気にしないで。あたしがあの時初めて出来た親友を助けたい一心でした事なんだし、ピクシーは、ピクシーで純粋に願ったからこそ、その願いは叶えられたの。そんな気にすることじゃないからね! 結果、皆が喜んでくれたなら、めでたしめでたしでいいんじゃないかな? 友達じゃないの!」
「トオル……わたくし厚かましくも貴女の温情で助けて頂いて、こんなわたくしを貴女はこのまま友と呼べる……ひぃたひぃわ」
……やめて! これ以上は言わなくていいっていってんの!! 彼女との関係にこれ以上余計なものはいらないの!
「うるさいお口はこれかしら……」
こんなことしてこっちの方こそ許されるのかわからないけど、思いっきりピクシーのほっぺをつねって引っ張ってみた。
「お客様!!」
「あーたーしーは、気にするなって言ってるのよー。そーれうりゃうりゃ♪」
ちょっと凄んでるけど気のせい!
「皆が笑顔で、しかも術をかけたあたしが良いっていってるんだから、この話はこれでいいのよ♪ わかった? この話はここで終了よ?いい?」
ピクシーが涙目でうんうん頷いている。
「もう! トオルったら……酷いわ!」
「ピクシーがやるべき事は、長い間会えなかった家族皆とその空白を埋める事じゃないかしら? だってお孫ちゃんピクシーの事知らなかったかもよ? そんなの嫌じゃない?」
「そう! イジアンわたくし生き帰ったら、あんなに可愛らしい孫が生まれていてくれるなんて聞いてなくて、とても幸せなの!」
「そうなんだ。孫ってそんなに可愛いの? あたしもいつか出来るかしら」
「大丈夫よ! トオルはまだ若いし、未来の旦那様もちゃんといるのだもの」
「あばばば……! そっそうかもだけど! まだ恥ずかしいからぁ!!」
最後声が裏返ってて耳まで真っ赤なトマトなあたしを皆がにやにや見守ってくれてる。ううう……そーゆーのは慣れない。
「あ! ピクシー、その、ネックレスって!」
「そう。わたくしのものよ。レオナルドが大事に持っていてくれていたの」
あんなに一生懸命探していたものがきちんと持ち主に帰るとか理想的でよかった。
「よかったじゃない! ピクシー頑張って探していたもの」
「全てが元に戻って、わたくし形式的にはレオナルドの後添えになるのだけれど、わたくし今はとても幸せ」
「ピクシーは以前みたいにワーキングマザーを続けるの?」
「そうねー、続けるのが当たり前だと思ってたのよ。つい先日まで……、でもその為に家族に特に娘と主人にはそれは悲しい思いをさせてしまって、そこはちゃんと反省しないといけない問題なの」
「あー、それはあるかもだ。家族でよく話し合う事ね」
「はーい! 皆様クッキー焼けましたよ!」
ミーナさんがいい香りの焼き菓子を、沢山持ってきてくれた。色んな形があって、ウサギみたいな形からカニみたいな形……蟹? カニ?……
「あーーーー!! カニエール君忘れてたー!」
この後急いで大森林にお迎えに行きました。
女子会はとにかくマシンガントーク!っていうイメージなのです。はい。




