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 素敵なチャペルみたいな建物が見えてきた! 所謂セーブポイント的なやつだ! あたしもお祈りしとくかな?

「ふぉ!! 大きくて素敵な建物! これは教会ですか?」


「ああ。他と比べると小規模だが、この地域で一番の教会だな」

「わぁぁ綺麗! そうするとセーブポイントは中ですかね?」

「セーブ? 一体何の事を言っているのか?」

「冗談です! 初めてのお出掛けにちょっと楽しくて……」


 中に入ると街の雑踏(ざっとう)が嘘みたいに静まりかえっていて、大きな空間に神様の像が神々しく日の光に照らされてて一瞬異様な空間? 空気が違うから驚いた。

 ここでは大きな声はだしちゃだめだね。


 シドさんにお祈りの作法を教えて貰った。何処もあまり変わらなくて安心する。

 奥の方から見たことある穏やかな人、バーミラさんがこちらに歩いてきた!

「ミナヅキ様! 騎士様! よくおいでになられました」

「バーミラさんこんにちは! とても素敵な教会ですね♪」

「教会は身分の上下も関係なく、広く開かれた場所ですから、ミナヅキ様も騎士様もお好きな時においでくださいね。私達一同お待ちしてますから」

 

「ありがとうございます」

 聞くところによると、熱心に、お祈りすると、後から神様からのご加護が増えたりするらしい。が、あたしはそんな信心深い方でも無かったから、一個づつ、こつこつと自力で身につけて行けたらいいかな。祈るだけじゃ何にもならなかったし、誰も助けてくれないし、無かったことにもならなかった。これは現実(リアル)なんだって思ったから……。自分がまず頑張らないとって、この世界にきてから思えるようになった。

 いつまでも夢見がちな少女じゃいられないよね。

 今日はもどきのサンタさんは一緒じゃないのね。見かけなかった。聞いたら今は王都の教会に呼ばれてしばらくはいないみたい。働く大人は大変よね。



 街中を歩いて住宅エリアに、さしかかったけれど、そこには確かに人がいて、そこで暮らしている。みんな汗を流して働いてる。この世界で、生きていくんだなぁ……。



「きゃー!」

 悲鳴? 路地(ろじ)の奥の方でだれかの声がした。シドさんと二人で声の主を探す。しばらく入った曲がり角の所で怪我人を発見!

 4歳四くらいの女の子が動けなくなってた。足がひどく腫れていて見ていてとても辛そうだ。

「シドさんこの子の家族を探して来て!」

「わかった! ミナヅキはその子を頼む!」


「いたいよぉ! いたいよぉ! ままぁー!」

 足も痛いし、腫れてるし顔に打ち付けた跡までついてて、状態は正に混乱。話を聞く所ではない、そこのハシゴが倒れて壊れているのを見ると、遊んでて落ちたみたい?とても痛々しい。

「うぎゃーー!」

 なんとかできないかな?

「ちょっと……見せてね」

 女児の足首を優しく触り、女の子の足を出来るなら癒したいって考えてて集中してたら、自然に口から言葉がぶつぶつ出てきてるのにあたし自身は気付かないでいる。

「えーっとー、ゲームやマンガであるみたいな……、癒しの効果を広範囲で、全ては無理でも、せめてあたしの手の届く範囲にいるこの子を癒して、治癒を高める力が……欲しい。この手の触れた場所よりたくさんに、困った人に届くように……、エリアで回復を……! そう、エリア回復!!」

 小さな丸い光が広がってこの辺りを覆って弾けるように消えていく。変わりに何かが遠慮気味に抜けて行く感覚がするけど……、この前のセレンの時よりだい~ぶマシ!


「ほらほら効いたみたいよ? いい子ね! お姉さんが痛いの飛んでけ~ってしたから、もう痛くないよ♪」

 頭を撫でて声をかけてみた。

「うわーん!! ……いた……いた……くない……! なんで?」

「ほーらもう痛くない♪ 服は汚れちゃったままだからお母さんに後で洗って貰うのよ?」

「……う、うん」

 不思議なモノを見る目で見られた。まあ、いきなりだったから仕方ない。

「ミナヅキ! いたぞ!」

「ミルコー!」

 小さな赤ちゃんを背負ったお母さんとおぼしき女性が現れそれを見た女の子がお母さんに飛び付いていく。

「うわーん! お母さん! ミルコおっちしたの!」

「痛い痛いだったの!」

 若干興奮気味で女の子が説明してる。


「なんだ! 今のは!」

 今度は急におじさんが飛び出してきたよ! この騒ぎで驚いたのかな……。

「さっきのはアンタの仕業か?!」

「え?」

「俺は、先月から足を痛めて動けなかったんだが、さっきいきなり治りやがったんだ! こんな事ありえねぇ!」


「……え? 良くなったのなら良かったんじゃ……ないですかね?」

 目を逸らしながら取り繕うように受け流す。

 バタン!

 また、違うドアが乱暴に開かれて、今度は寝巻き姿の老人が飛び出してきた!

「さっきのは何じゃ? わしゃあ腰を痛めて寝込んでしもーて、もう長いこと死ぬか生きるかの瀬戸際だったんじゃ!」


「えっと……ミナヅキ?」

 シドさん含め皆がこっちを振り向きあたしはそっぽ向く。

「女神様はアンタか!」

「聖女様!」

「神様ありがとう!!」


 皆、口々に己の身に起きた奇跡を語り始めちゃった! やばい!



「シドさん!」

 咄嗟にシドさんの手を引っ張り走り出した! あたし達は人混みを駆け抜けていく。


 何人かは追いかけて来てたけれどそれを振り切って、街はずれのカフェに逃げ込むと奥まった場所にふたりで向かい合う。

「いらっしゃいませ。ご注文は?」

「……はぁ……はぁ……水!!」

「はっはい、ただいま!」



「はぁ……はぁ……ミナヅキ何がどうした!?」

「どうぞ」

 シドさんが二人分のお水の代金を渡す。

「ぜぇぜぇ……いや……さっきの子が……」

 出されたコップを飲み干す。

「ぷは! ……さっきの……子があまりにも可哀想で……、何とかしてあげたいと思っていたら、気持ちが口から駄々漏れになってたみたいで……ついつい出ちゃって」


「げほ! ごほごほ……! それ……で……あんな事……に……」

 シドさんも水を飲み干してたけど何だか大変そうになっちゃった。 


「エリアで回復してたのであっちもこっちも元気になっちゃって!」

「そんなめちゃくちゃな話!?」

「だって、仕方なかったんです! あたしあの時一生懸命で!」



 怪我人を発見したからとりあえずで、異世界もので良くありがちの回復魔法をエリアで試してみたら、女の子は治ったが、思ってたよりも大盤振る舞いで大きなエリアの回復をしてて、骨折してたおじさんも完治して飛び出してくるわ、近くの家のお年寄りもすこぶる元気になり、あんな状態になってた。

 大変だったけど凄く喜ばれてよかった! その後街が大変な騒ぎになってしばらくは街にいくのはお預けになった。




既存の魔法を創造することがない亨は、この世界ではあり得ないモノをどんどん創造していきます。

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