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自称一人自室でベッドに転がり物思いに耽る。部屋ではカニエール君が足元をうろうろしてる位。
「シドさんに、あたしを大切にしたいと言われて舞い上がったけれど、あたしの望まない事はしないと誓う??」
「えっ? えっそれって??」
二人して考える。
「もし、もしもだよ?あたし!? あたしが望めばシドさんは何でもしてくれるって事かもだけど、逆に考えるとだ、あたしからお願いしなきゃ、シドさんからは今以上にはしてくれないと言う事で……?」
「……は?? ちょっと待って、あたし! お願いって、とどのつまりおねだりって事なんじゃないの!?」
「うそ!」
ちょ、ちょ、ちょ……ちょっとまって!? それって逆にそういう事なのね? 自分がお願いもしくは可愛くおねだりしないとこれから先には何人たりともす進めないと仰るわけなの?
『シドさん!お、ね、が、い♪』
『優しくシテ……ね♪』
ぼぼん!
思わず妄想してしまい二人で悶絶した。いーやー! 卑猥よ! それは駄目よ駄目!!
「これは難題だ!!」
色んな所からヤバい汁も出てきた! どのシーンでがんばればいいのか、そもそも上手におねだり出来るのかが全くもって自信ない。心細くて恥ずかしい! 挙動不審で心筋梗塞待った無しとか、こんなどこに出しても恥ずかしい問題は、人生経験豊富な人に今すぐ相談だ!
ぽひゅ
「……こんな夜中に、それはどんなプレイなの? しかも男日照りで物悲しいアタシの前で毎度毎度惚気るなっていってんのよ! 何なの?この幸せ爆弾は!!」
「ごっごめんなさーい!!」
あははは……ダイレクトに聞きすぎちゃって、お姉さん元気にプチ切れちゃったw反省反省♪ てへっ
明日への作戦は、いろいろやろうぜ!
……ううん! やっぱり命大事に! だ。
「シドさん、この大森林って、もともとこんなに平和なんですか??」
定番のカニエール君のお散歩タイム。週三位通ってきてるけれど、敵という敵に会ったことがない。
「これだけ大きいのにウサギとかシカみたいなのしか居ないとか……この世界はあたしが思ったより大分平和なんですかね?」
「あぁ、ここね? うーんとね、バーマン兵長が就任した年にここだけじゃなくて南方の砦の手の届く範囲全てで高難易度モンスターの殲滅作戦が行われて、とことん狩りつくされて国で一番平和な地域って言われてて、住み易い街ランキング一位らしいね」
「……うわぁ、兵長、就任早々に半端ない無双っぷりだったんですね。怖っ」
「でも確か、それには理由があって、この地にご家族を連れて王都から赴任するので手の届く範囲に危ない魔物がうろうろしてたら、心配すぎてうかうか仕事も出来ないからだと兵長が述べてたと先輩が教えてくれた」
うちのおじいちゃんと同じ家族に優しい戦闘民族なんだ。……うんうん敵に回したらいけないタイプだね。
「じゃあ、ここら辺なら出た先に、ある意味終わってる! きゃー! って状況はなさそうなんですね? よかった!」
「うんでもね、何があってもミナヅキは俺が護る。これは誰にも譲らないから!」
「……」
またあたしの苦手なイケメンパワー全開で微笑みかけてきたよ。これされると当分真っ赤なタコさんになっちゃうから困る(照!)
「そう、シドさん、以前覚えたいって言ってた様な気がしたから、何回かやってみるので、ここで瞬間移動をマスターしちゃいませんか? これが出来たら、馬要らずでどこへだって一瞬で出掛けられますから! お得です♪」
「う……またあの感覚か(汗)」
この前、無言で部屋に、飛んだ時の事まだ覚えてたんだ!ちょっと逃げ腰になってるとかギャップ萌え? やだ可愛い♪ それなら……
「シドさんがあたしの所に飛んで来てくれるの……楽しみです!」
にっこり!
これでOK。問題は言ってて自分が恥ずかしすぎるって所くらい。ううう…ちょっと今日暑いんじゃないかな? 夏だったかな?
「うぐっ。ちょ……挑戦して、成し遂げてみせよう! うん、ミナヅキの元へ、俺は飛ぶ!!」
まず、目の前でやってみせて、次はシドさんを巻き込んで移動してみる。シドさんは、この感覚がすごい苦手みたいだけど、数回飛んで、感覚を覚えたからには! と、ちょっと見た目よろよろだけど、覚えようと必死になってくれている。
あたしから距離を取った大木の下に腰かけて、ぶつぶつ何か喋っている。
「さて、あたしは別の事を創造してみよう」
この世界に来て、大きな病気にはなったことがないけれど、インフルエンザみたいなヤツが意外にしぶとかったら嫌だし? こっちの病に耐性なんて持って無さそうだから、冬を目の前に、ワクチン開発じゃないけど、ちょっと色々考えてみよう……。
小一時間程効果について考えた。だいたいきまったものをまとめてみる。
「じゃあとりあえず、永続的に? 体に害を及ぼす細菌? とかゲームに良く有りがちな、毒耐性とか、そーいう質の悪~いものは、コンスタントに、そう一週間位で、消えてなくなる魔法! イメージは中まで入れない! つるっと、脱皮!! 例えていうなら……そう
「状態異常超無効!! ……みたいな……? 何人たりともあたしの歩みは止められない!!」
決まった♪ 瞬間、七色の光の粒子があたしの周りに舞い上がって身体中を包んで閃光と共に消えてしまった。
「ほへー。出来たかな? やった!」
シドさんに、報告したらしっかり誉めてもらえたよ♪ やったねw
ステータスで確認したら絶対防御の、下に状態異常超無効ってシドさんからしたら出鱈目な能力がちゃんと増えてた。さすがあたしです♪
結局その日大森林では瞬間移動は出来なかったシドさんだけど、その内出来るようになるよね?? だって、魔法とかちっとも分からないあたしに出来る事なんだからさ。
カニエール君を回収したら砦に戻った。
「今日も色々頑張ったね。明日はもっといい日になるかな?」
薄手の寝巻きで月をみている。こんな素敵な月を眺めながらシドさんと一緒に紅茶でも飲んで温まりたいな。
「シドさん……」
「会いたいな……」
想いが無意識に口を衝いてでた……
むぎゅ
「えっ?」
シドさんがあたしを包むように現れた。薄い寝巻き越しに伝わる逞しい筋肉の感触が!
かぁぁ……!
「……にゃあ!」
窓際で、彼に覆い被されるように後ろから抱きしめられた構図になってる……どうしよう!
ガチゃ! 勢い良く開かれる扉!
「ミナヅキ~! 兵長からチョコレート貰った……の……て、またぁ!?」
「……くっ! 先輩これは違っ!!」
「シド! オマエちょっと来いや!!」
ぐわしっ!
「先輩! これは勘違いで! 待って!!」
シドさんの首根っこを掴んでジェネッタさんが歩いていく。
「それと……これはミナヅキだな? バカをあんまり煽ってやるなよ!」
「……あ、はい」
二人は消えていき、部屋のドアが大きく開かれたままになってた。
「お姉さん、なんで薄々でもわかるんだろう♪」
超能力かな?
散々チェックしてもボロボロでてくる誤字脱字と、格闘するのが日課です♪楽しいです♪
わりと目敏くみてるはずなのにそれでも、抜けてく余裕加減に負けないように頑張ります♪




