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ある白亜の荘厳な宮殿の最深部分、所謂玉座と呼ばれる場所に、その国の君主は静かに佇んでいた。
「陛下にご報告致します。先日、聖女様の仰られました件の迷い人が出現いたしました。現在は南方の砦にて保護されておる次第に御座います」
輝く黄金色に包まれた威風堂々とした姿に神聖な雰囲気を漂わせて静かに報告の声に耳を傾けている。
「その者、魔法属性はないとの事ですが、その剣技はただならぬものが秘められていると……そして嘘か信か属性も無しにあやしげな術を操ると暗部が報告してまいりました。面白い事にその迷い人の所にあるものの手の者が接触致したと聞き及んでおります」
ピクリと一瞬、視線が鋭くなったのに気がつくものはない。
「ふふん、アヴァルトめ……そうだ、丁度良いではないか、そんなに欲しいのなら、くれてやろうではないか!」
「陛下! なにをお考えで!! 異世界からの迷い人が我々の預かり知らぬ力や加護を隠し持っている事もあるやも知れませんのに! まずその力を見極めるまでは……」
老いた侍従が陛下にもの申そうとするも、主エリオールは気にも止めない。
「そう案ずるな。何人たりとももいらぬ欲を思い描く前に余が追い落としてくれるぞ! もうよい下がれソクパスよ……」
「小生意気なアヴァルトにくれてやるといっても、かの異分子の力を十分削ぎ落とした後でだがな……、くくく……この国を乱す異分子など決して余の国で自由に闊歩させてやるものか……。余の治世を脅かせるものは何人たりともそのままに捨て置くわけには行かぬ。そして、その穢らわしい者を、余の視界に決して映らぬ様に……、そうだ! 折を見て異分子をアヴァルトに申し付け、かの領地に永遠にくくりつけてしまえ」
そこには、ギラギラとした瞳を妖しげに輝かせる老獪な男のみが残された。
なんだか、高齢者率高い回だなぁ…もう一話くっつけてそれを清涼剤にしようかな?(そんな効果には、ならないかも?しれないけれどもぉ!!)




