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シドさんが暗転してからの別視点のお話

 部屋まで続く廊下を歩んでいく。

「ミナヅキちゃん大丈夫だったかしら?」

「アイツ、ミナヅキに抱き付いたまま気絶してたって??」

 なぜだか二人の両手があたしの両手を繋いで寄り添ってくれて部屋まで帰った。っていうか、連行されてるよね? ね? その絵面は、まるでどこかで見た怪しい宇宙人か何かみたい。

「あ……はい」

 あたし自身は二人にどこまで見られていたのかがまず分からないから、どこまで恥ずかしがっていいのか分からなくて、とにかく真っ赤!


 ソファーに腰掛けると同時にジェネッタお姉さんが口を開く。

「ミナヅキごめん! アイツ煽っちゃったのアタシだわ」

 申し訳なさそうにジェネッタお姉さんが口を開く。

「アイツさ、ミナヅキが好きすぎて勝手に(こじ)れてやたら小難しそうでめんどくさい顔しててさ、放っておいたら、かわいい後輩が、ずっと片思いで、ミナヅキを思い詰めて、年取って一人で孤独死しそうだなーって思ったからつい発破(はっぱ)かけちゃって……」

 とても、気まずい顔をされちゃった。シドさんそんなに思い詰めてたんだ。

 ようやくさっきの焦ってた時の彼の心境を知る事が出来た。納得。

「いえ、お姉さん、あたし自身もこの所ずっと胸の中でモヤモヤしてて、この気持ちの落ち着く先が分からなくなってたんですが、おかげさまで、ようやく一歩も二歩も踏み出せました。それはもう恥ずかしかったですけど……」

 あたしは茹でタコ。……異論はないさ……。

「ジェネッタお姉さん。ありがとうございます。ようやく、このままずっとシドさんの側にしがみついていこう、って決心着いたので……」

 とうとう言いきっちゃった。

 マーヤさんが、マグカップにミルクをたっぷりいれた紅茶を手渡してくれた。いい香り。

「あら、そう? それならよかったのかしら?」

「まあまあ、ミナヅキちゃんは茨の道を行く決心がついたのね?」

「へ?」

 突拍子もない事をマーヤさんに言われた気がする。

「あとは、若い人同士で頑張るといいんじゃないかな?」

「そうねー。スッゴく大変だと思うけれどあんた達頑張りなさいよ♪」

 !!

「でも、結婚前にあんまり何でもかんでも許しちゃうといけないわよ? ……品がないわ。」

「そもそも、あれ、ブレーキ壊れてるみたいだから、あんなヤツに触らせたらダメなんじゃない? あんな拗らせた盛りのついた獣、どっかの馬鹿(ディモニー)じゃないけど甘い顔してると、結婚式には子供抱いてるとか? ホント笑えないわよ?」


 ええええええ。決心、ちょっと早かったかな(滝汗)


 どこかの乙女ゲームで言うところのシドフラグが、盛大に樹立した事により、キャビネットの上の本は何割増しになりました。ありがとうございます。

 わあーいうれしいなあー(棒読み)

 元々勉強が取り分け好きでもないと自負しているあたしだというのに……。ここにきて更にドーン! て、なんのご冗談でいらっしゃる?

 これは一人だと無理だと、自分に手伝いをさせようと試みる。結果どっちもあたしだから、一人増えたところで、勉強は苦手なまま。よってたかっても二人で泣きながら本に向き合うしかないのだ。

「量が増えるなんて! 聞いてないよー!」

「おーまいがー」

 シドさん家ってどんだけー? って二人してたまげてた。

 二人で手分けして本を読んでも、実は情報が共有されてない事に大分(だいぶ)たってから気がつく。この数時間を、返して! ねえ! 神様返してぇーー!!


 今度二人でやるときは、感覚を共有する事を付け加えて考えると、活動の幅が格段に広がるのでは? と気がつく。



 ……あははは(今更だけど)~。あたしって頭いい♪



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