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 倒れてから数日、収穫祭も終わりこの南方の砦も賑やかさを取り戻しつつある。俺もようやくいつもの仕事がこなせるようになった。休んだ分を取り戻さねばと勤務に勤しむのだが……


 今朝から何か無くてもミナヅキが気がつくと背中に張り付いてきて落ち着かない。以前は周りの目を気にもしていた様だが……。


 そろそろホームシックにもなる頃だろうとマーヤからも注意を促されてはいたが。


 横目でチラリと確認する。

「……!」


 言葉は交わさず後ろ側に隠れてしまう。


 決して嫌ではないのだ! ……が、何がって、背中の辺りに当たる柔らかい何かが俺を冷静ではいさせてくれない。


 チラリ……


「!!」

 サササ……


 何だこの可愛らしい生き物は!! ……落ち着け! 落ち着くんだ! 俺! ……話題だ、話題! 話を振って場を和ませないと!!


「あーーその、ミナヅキは、兄弟はいるのか?」


 こそっと顔を出す。

「……いません。でも、兄弟じゃないけど、すぐ隣の家の花菜とホントの姉妹になれたらよかったのにとか、ずっと一緒にいたいねっていつも言い合ってました……」


「そうか、俺には年の離れた妹がいるがそんな風に思った事はなかったが……。血の繋がりが無くとも、そういう得難い友に、出会えた奇跡は素晴らしいな」


 出来ることならどうにかして会わせてやりたいが、古から迷い人の事を調べてみても、元の所に戻れたという記述は見つけることが出来なかった。


 ……ぎゅっ

 しまった、故郷に繋がる話題など振るのではなかった。


「……すまない」



「……大丈夫です」


 その、大丈夫は絶対大丈夫ではないやつだろう。


 回された腕は暫く離される事が無さそうだが。


 そうだ、そのままでもいいじゃないか……。それで彼女の気がすむのなら。俺の背中など、安いものではないか。喜んで貸そう。何だったらずっとそこにいてくれても構わないし、何者からも俺が守ってやるさ!


 ボン!

 自分で言ってて恥ずかしくて真っ赤になってしまったが、生憎周りには誰もいないしミナヅキも背中に張り付いたままだ……平気だ!





「マーヤ、あれって何なんですかね」

「うんうん、親子亀?ジェネッタ、先こされたかも?」


「ちえーーっ。俺ミナヅキちゃん狙ってたのに~! え? ジェネッタ先輩、今フリーなんすか? 俺なんかどうっすか?俺って一途だし先輩を絶対寂しくさせないっすよ?」


「五月蝿い! 黙れ……女の敵め……」


 実は食堂の窓から丸見えなのを知らなくて、後から皆にからかわれる事になる新人なのであった。

強烈にキャラが立ってきたヤツが変態路線まっしぐらでとても楽しいです♪


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