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パウリナ様は体育会系、脳筋、武辺者。

「本当にこんな事やりますの?」

「拙者に任せるでござる」


 パウリナ・フランセン様の提案で

 アルフレド王子との婚約破棄作戦を実行する事にしましたの。


 作戦の概要はこうですわ。


 ①パウリナ様が男装してわたくしにちょっかいを掛ける。

 ②偶然通り掛った王子がわたくしを助けに入る。

 ③パウリナ様が王子をいなして。わたくしが弱い王子に幻滅する。


「わたくし、アルフレド様のプライドを傷付けることはしたくないのですが……」


「男は挫折(ざせつ)を覚えて強くなるのでござる!

 拙者は父上にそう教わったでござる!」


「体育会系ですわぁ……」


 フランセン家は戦功(せんこう)を上げてのし上がった武家(ぶけ)でしたわね。

 パウリナ様も脳筋の女傑ですのね。


「拙者にすべて任せるでごるよ」

「さっきから気になっていましたけどその喋りは何ですの?」


「男らしい武辺者(ぶへんもの)の礼儀作法でござる」

「あらそう……」


 深く追求するのも面倒臭いですわ。


 この時間に王子が一人でここを通るのはわたくし存じ上げておりますの。


 10年以上王子とは行動を共にしていますのよ。

 自慢でございますわ。


「それでは手筈どうり行くでござるよ」

「分りましたわ」


 やるからには本気を出して行きます!


「キャアアア!? いやご無体(むたい)な!! やめてください!!」

「ヘヘヘ、大人しくするでござるよ!」


 王子が血相(けっそう)を変えて登場いたしましたわ。

 恰好良いですわ~。

 ヒロインのピンチに現れるヒーローでございますわね!


「アルフレド様!? お助け下さい!」


「オイ!! そこの!! 俺の女に手を出すなッ!!」


 ――――――


 結論から申しますと『コテンパン』でしたわ~。

 パウリナ様はアルフレド王子に軽くいなされ気絶させられました。


 わたしくが王子に掛けた魔法によるデバフや

 パウリナ様に掛けたバフは、全く意味をなしませんでしたわ……。

 

 計算上はドラゴンにだって対抗できますのに。



 王子ってこんなに強かったんですのね……。

 わたくし知りませんでしたわ……。


 新たな魅力の発見にわたくし『きゅん』といたしましたわ。


「タチアナもパウリナ様もお遊びは程々にしろよ……」


 普通に狂言だとバレてますわ~!?

 

 そう言うと王子は颯爽とその場から立ち去っていきました。


 その後わたくしの膝の上でパウリナ様は気絶から目をお覚ましになりました。


「うう……、さ、作戦はどうなったでござるか?」

「残念ながら失敗しましたわ……王子にも狂言である事がバレました」


「そうでござるか……逆に事態を悪化させてしまったでござるな……」

「良いんですのよ、わたくしも楽しかったですわ」


「楽しかった? タチアナ殿は豪胆でござるな~」

「タチアナも武辺者でござるよ」


 二人で笑い合っていると、細かい事がどうでもよくなって参りますわね。

 

 わたくし決めました。

 今日の放課後アルフレド様にすべてを打ち明けようと。


 パウリナ様のお立場も守らなくてはいけませんし。


 どのような処罰も覚悟いたしますわ。

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