デウス・エクス・マキナ
神を殺し、神にも等しい力を手に入れたボクは、君を追って世界を越えた。
一度目の転移は時間軸はそのまま並行世界に移動したんだ。
その世界はタチアナがシスターの老女になっていた世界だった。
どんな姿でもタチアナはタチアナだ。
例え90歳を超えたシスターの老女だとしても。
ボクすぐさまタチアナに結婚を申し込み、プロポーズした。
しかしタチアナの返事はつれない物だった。
『俺はおっさんだ!』
『って言うか90歳超えた老女だ!』
『変態すぎる!』
『ドン引きだ!』
『俺の信仰している神を殺すな!』
『つーか悪魔じゃん!』
としか言わなくて……。
ボクは中身がおっさんでも外見が老女でも構わないと言ったのだけどね。
ボクは諦めず何百回もプロポーズしたのだけど。
タチアナは寿命も尽きて亡くなってしまったんだ。
でも死ぬ間際にプロポーズを受けてくれたんだ。
そして未来のタチアナにこう言われたんだ。
『俺は処女と童貞を100年以上こじらせているから。過去のタチアナにプロポーズしてOK貰って』と。
だからボクはここにいるんだよね。
分かって貰えた?
アルフレド王子はそう言うと子供の様な屈託のない笑顔を見せた。
「つーか悪魔じゃん!!」




